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第六章「東方の英雄」
第112話 朽ちた屋敷、虚ろの男
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「これはっ!?」
鏡華の行動に全員が緊張で言葉を失う中、最初に声を上げたのは探知の術を発動したままだった春日だった。
「春日さん!?どうしました!?」
檀が春日に詰め寄った。一方、他の者たちは信じられないものを目にしたかのように固まっていた。
「双魔…………」
「ん、なんだ?剣兎」
双魔は片眼を閉じてこめかみをグリグリ刺激しながら返事をした。
「どうして…………彼女は平然と歩いているんだい?」
「え?」
檀が春日から鏡華へと視線を移す。そして、他のみなと同じく眼を丸くした。
「…………信じられません、鏡華さんが前に進むごとに悪霊が消え失せていきます!」
「…………双魔さん」
皆の視線が双魔に集まった。
「まあ、驚くことはないだろ。鏡華の契約遺物は浄玻璃鏡なんだからな」
それを聞いた剣兎はすぐに得心が言ったようで首を数回縦に振った。
「そうか!そもそも、鏡には魔除けの力がある!それに……浄玻璃鏡は死者の真実を映し出す鏡……土地に染みついた実体なき怨念はかの鏡には映らない。つまり、消滅を意味する!」
「ま、そういうことだ。致命的な誤算があれば嬉しい誤算もある。さっさと行こう」
双魔と剣兎は話しながらスタスタと歩きはじめた。
「…………今まであまり関りを持つことをありませんでしたが……遺物とはやはり我々の領域外にある存在なんですね」
「ええ、私にもティルフィングさんや浄玻璃鏡さんを魔術的な視覚で捉えることができませんから…………それはそうと、檀さん、私たちも行きましょう」
驚きから少し呆けていた檀は春日の言葉で引き戻された。表情を引き締めて、後ろに控えていた部下たちに手を動かして指示を送ると双魔たちの背中を追いはじめるのだった。
しばらく歩くと双魔たちは先行していた鏡華に追いついた。
丁度、その辺りから道には草が、道の両脇には木々が生い茂り、足元と視界が同時に悪くなった。昼間も日が当たらないのだろう、雪もほとんど溶けずに積もったままだ。
「ん、明かりがいるな”蛍火草”」
双魔が左手を握りしめると手の中から一本の草が芽を出し、あっという間に提灯程の大きさの花が咲いた。
花は下を向いた袋のような形をしていて、数瞬後にはぼんやりと発光する。明かりはすぐに強くなり、前方の闇を照らした。
「よし、これでいいだろ」
後ろに続く者たちも各々で明かりを発生させて足元を照らしながら道を進む。
双魔と鏡華を先頭に雪に足を取られないように歩いていく。
しばらく、進むと道の先に崩れた塀のようなものが目視出来た。
「剣兎、あれか?」
「うん、間違いないね」
「山縣はん、まだちゃんとあそこにいるん?」
「ええ、間違いなく反応があります」
檀が片手を挙げると後続がピタリと足を止める。
「目標が確認できました。協力者のお陰で悪霊や瘴気の類はかなり弱まっていますが、決して油断のないように。特に春日さんを中心とした賀茂家一門の感知担当の方々はくれぐれもお願いします。あなた達が我々の生命線といっても過言ではありません」
檀の確認を兼ねた激励に全員が力強く頷いた。
「それでは、配置についてください!」
檀が挙げていた手を前に倒すと陰陽師たちは一斉に駆け出し、屋敷をぐるりと包囲しはじめる。
「それじゃあ、二人も手筈通りに頼むよ」
「ん、剣兎、ちょっと待て。これを」
双魔はポケットから小さな包みを取り出して剣兎に差し出した。
「これは?」
「結界を張り終わったら中を確かめてくれ。見ればわかるはずだ」
「分かった、気をつけてね」
包みを受け取ると剣兎は双魔の肩を叩いて、帽子を被りなおすと自分の持ち場へ向かった。
「お二人とも、お気をつけて!」
「外はお任せを」
檀と春日も剣兎に続いて持ち場へと向かう。
「うちらは普通に屋敷ん中に入ればいいんやったっけ?」
「ん、そうだ。じゃあ、俺たちも行くぞ」
「せやね」
双魔と鏡華は既に配置についた陰陽師たちの横を通り抜けて屋敷の門を目指す。
ひび割れ、草が生え、所々で完全に崩れた塀に沿って足を進めると、やがて朽ちた木の門が見えてくる。
門は開いており、足元を見ると何者かの足跡が一人分屋敷の中には続いていた。
「……いるみたいやね」
「ん……そうだな」
足のサイズから大人のものということくらいは判断できる。
双魔はポケットから端末を取り出した。屋敷に入るタイミングで連絡し、その後で剣兎たちが外から結界を張ることになっている。
「剣兎、屋敷に入る。五秒後に頼む」
『了解。しつこいようだけど気をつけてね』
「ああ」
それだけ話すと通信を切ってポケットに端末を突っ込む。そして、二人は屋敷の中には足を踏み入れた。
足跡は玄関ではなく違う場所に向っていた。
塀の外から見た建物の配置から想像するに庭だろうか。
チラリと割れたガラスの奥の屋内を見るとかなり劣化しているようだ。山縣はそれを確認して庭に向かったのかもしれない。
「足元、気をつけろよ」
「うん、ありがとう」
足跡を辿って歩いていくと開けた場所に出る。予想通り庭のようだ。
大分荒れてはいるが石燈篭や木の配置、種類、池、庭石の位置から見るに中々風流に富んだ庭だったようだ。
放置された伸びきった草や木の枝、苔生した庭石や積もった雪が寧ろ趣をさらに深めているように感じられる。
「……………………」
庭から視線を母屋に移すと、いた。
既に老齢の域に足を踏み入れた男は、何かに狂い数え切れぬ人を殺しに殺した者とは思えないくたびれた雰囲気で廃墟と化した、かつての己の屋敷の縁側に腰を掛けていた。
煤と埃で汚れたスーツを身に纏い、静かに、空を眺めながら紙コップを傾ける。
傍には酒瓶が置いてあった。
「ンぐっ……ンぐっ…………プハーっ……………お若いの、おいでなすったか」
コップの中身を飲み干すと、山縣はこちらを見ることもなく、双魔たちに話しかけた。
「ああ……」
「…………」
二人揃って山縣から少し離れた正面に移動する。
山縣は酒瓶を手に持って傾けてコップの中に酒を注ぐ。
「まあ、用件はあっしをお縄にすることでしょう?それくらいは分かる…………ンぐっ……ンぐっ……プハーっ!」
山縣は実に美味そうに酒を煽っている。しかし、何処か哀愁に満ちていた。
「一応、話を聞いておく。どうしてあんなことをした?」
「あんなこと?…………はて、どのことですかね?」
山縣は酒で赤らんだ顔で惚けて見せる。
その様子を見て、普通ならば怒りを感じるはずだった。数多の命を己の都合で殺めた大罪人への感情としては当然だ。
されど、双魔も、鏡華も、山縣に対してい抱いたのは”憐憫”だった。この男を見ていると何故か心が張り裂けんばかりに痛んだ。
「まあ、昔のことならば一門を皆殺しにしたこと、今のことならば陰陽師やらの死体を動かしたことですかね?」
山縣はへらへらと笑っている。既に相当酔いが回っているのかもしれない。
「まあ、昔の件は己の技術上達、今の件はお客様に品定めを受けてるってところですか」
山縣は再び紙コップに酒を注ぐ。
(ソーマ…………奴が後ろにいるぞ)
(ん、そうか)
ティルフィングが脳内に直接警告を送ってくる。
双魔たちの背後には怨霊鬼が息を潜めているようだ。このまま、背中をがら空きにしておくのは非常によくない。そう思った時だった。
屋敷の周りに風が渦巻いた。
どこからか濃霧が発生し、徐々に屋敷を外から覆っていく。
そして、数秒も経たないうちに霧はドーム状の蓋のように屋敷を包み込んで外からと内からの干渉を遮断した。
「やれやれ…………お月さんが見えなくなっちまった…………無粋な真似をするもんだ」
山縣は紙コップを置くとふらりと立ち上がった。
「まあ、いいや。今回のお客様もあんたたちを始末すればあっしの腕を認めてくれるでしょう」
山縣は酒に数瞬前まで酔っていたとは思えないほど眼光鋭く双魔と鏡華を見据えた。
「鏡華……そっちは任せていいか?」
「うん、うちに任しといて」
二人は一瞬、視線を交わす。そして、力強く頷き合うとお互いに背中を預けた。
双魔の目の前で、空間が歪曲し、ボロ布を纏った巨体が姿を現す。
「…………約束を果たしに来た」
「…………」
怨霊鬼は何も言わない。仮面の奥の虚ろな瞳で双魔を見つめるだけだ。
お互い、視線を外さずに得物を構える。
京を騒がせた怪事件の決着が今ここで着こうとしていた。
鏡華の行動に全員が緊張で言葉を失う中、最初に声を上げたのは探知の術を発動したままだった春日だった。
「春日さん!?どうしました!?」
檀が春日に詰め寄った。一方、他の者たちは信じられないものを目にしたかのように固まっていた。
「双魔…………」
「ん、なんだ?剣兎」
双魔は片眼を閉じてこめかみをグリグリ刺激しながら返事をした。
「どうして…………彼女は平然と歩いているんだい?」
「え?」
檀が春日から鏡華へと視線を移す。そして、他のみなと同じく眼を丸くした。
「…………信じられません、鏡華さんが前に進むごとに悪霊が消え失せていきます!」
「…………双魔さん」
皆の視線が双魔に集まった。
「まあ、驚くことはないだろ。鏡華の契約遺物は浄玻璃鏡なんだからな」
それを聞いた剣兎はすぐに得心が言ったようで首を数回縦に振った。
「そうか!そもそも、鏡には魔除けの力がある!それに……浄玻璃鏡は死者の真実を映し出す鏡……土地に染みついた実体なき怨念はかの鏡には映らない。つまり、消滅を意味する!」
「ま、そういうことだ。致命的な誤算があれば嬉しい誤算もある。さっさと行こう」
双魔と剣兎は話しながらスタスタと歩きはじめた。
「…………今まであまり関りを持つことをありませんでしたが……遺物とはやはり我々の領域外にある存在なんですね」
「ええ、私にもティルフィングさんや浄玻璃鏡さんを魔術的な視覚で捉えることができませんから…………それはそうと、檀さん、私たちも行きましょう」
驚きから少し呆けていた檀は春日の言葉で引き戻された。表情を引き締めて、後ろに控えていた部下たちに手を動かして指示を送ると双魔たちの背中を追いはじめるのだった。
しばらく歩くと双魔たちは先行していた鏡華に追いついた。
丁度、その辺りから道には草が、道の両脇には木々が生い茂り、足元と視界が同時に悪くなった。昼間も日が当たらないのだろう、雪もほとんど溶けずに積もったままだ。
「ん、明かりがいるな”蛍火草”」
双魔が左手を握りしめると手の中から一本の草が芽を出し、あっという間に提灯程の大きさの花が咲いた。
花は下を向いた袋のような形をしていて、数瞬後にはぼんやりと発光する。明かりはすぐに強くなり、前方の闇を照らした。
「よし、これでいいだろ」
後ろに続く者たちも各々で明かりを発生させて足元を照らしながら道を進む。
双魔と鏡華を先頭に雪に足を取られないように歩いていく。
しばらく、進むと道の先に崩れた塀のようなものが目視出来た。
「剣兎、あれか?」
「うん、間違いないね」
「山縣はん、まだちゃんとあそこにいるん?」
「ええ、間違いなく反応があります」
檀が片手を挙げると後続がピタリと足を止める。
「目標が確認できました。協力者のお陰で悪霊や瘴気の類はかなり弱まっていますが、決して油断のないように。特に春日さんを中心とした賀茂家一門の感知担当の方々はくれぐれもお願いします。あなた達が我々の生命線といっても過言ではありません」
檀の確認を兼ねた激励に全員が力強く頷いた。
「それでは、配置についてください!」
檀が挙げていた手を前に倒すと陰陽師たちは一斉に駆け出し、屋敷をぐるりと包囲しはじめる。
「それじゃあ、二人も手筈通りに頼むよ」
「ん、剣兎、ちょっと待て。これを」
双魔はポケットから小さな包みを取り出して剣兎に差し出した。
「これは?」
「結界を張り終わったら中を確かめてくれ。見ればわかるはずだ」
「分かった、気をつけてね」
包みを受け取ると剣兎は双魔の肩を叩いて、帽子を被りなおすと自分の持ち場へ向かった。
「お二人とも、お気をつけて!」
「外はお任せを」
檀と春日も剣兎に続いて持ち場へと向かう。
「うちらは普通に屋敷ん中に入ればいいんやったっけ?」
「ん、そうだ。じゃあ、俺たちも行くぞ」
「せやね」
双魔と鏡華は既に配置についた陰陽師たちの横を通り抜けて屋敷の門を目指す。
ひび割れ、草が生え、所々で完全に崩れた塀に沿って足を進めると、やがて朽ちた木の門が見えてくる。
門は開いており、足元を見ると何者かの足跡が一人分屋敷の中には続いていた。
「……いるみたいやね」
「ん……そうだな」
足のサイズから大人のものということくらいは判断できる。
双魔はポケットから端末を取り出した。屋敷に入るタイミングで連絡し、その後で剣兎たちが外から結界を張ることになっている。
「剣兎、屋敷に入る。五秒後に頼む」
『了解。しつこいようだけど気をつけてね』
「ああ」
それだけ話すと通信を切ってポケットに端末を突っ込む。そして、二人は屋敷の中には足を踏み入れた。
足跡は玄関ではなく違う場所に向っていた。
塀の外から見た建物の配置から想像するに庭だろうか。
チラリと割れたガラスの奥の屋内を見るとかなり劣化しているようだ。山縣はそれを確認して庭に向かったのかもしれない。
「足元、気をつけろよ」
「うん、ありがとう」
足跡を辿って歩いていくと開けた場所に出る。予想通り庭のようだ。
大分荒れてはいるが石燈篭や木の配置、種類、池、庭石の位置から見るに中々風流に富んだ庭だったようだ。
放置された伸びきった草や木の枝、苔生した庭石や積もった雪が寧ろ趣をさらに深めているように感じられる。
「……………………」
庭から視線を母屋に移すと、いた。
既に老齢の域に足を踏み入れた男は、何かに狂い数え切れぬ人を殺しに殺した者とは思えないくたびれた雰囲気で廃墟と化した、かつての己の屋敷の縁側に腰を掛けていた。
煤と埃で汚れたスーツを身に纏い、静かに、空を眺めながら紙コップを傾ける。
傍には酒瓶が置いてあった。
「ンぐっ……ンぐっ…………プハーっ……………お若いの、おいでなすったか」
コップの中身を飲み干すと、山縣はこちらを見ることもなく、双魔たちに話しかけた。
「ああ……」
「…………」
二人揃って山縣から少し離れた正面に移動する。
山縣は酒瓶を手に持って傾けてコップの中に酒を注ぐ。
「まあ、用件はあっしをお縄にすることでしょう?それくらいは分かる…………ンぐっ……ンぐっ……プハーっ!」
山縣は実に美味そうに酒を煽っている。しかし、何処か哀愁に満ちていた。
「一応、話を聞いておく。どうしてあんなことをした?」
「あんなこと?…………はて、どのことですかね?」
山縣は酒で赤らんだ顔で惚けて見せる。
その様子を見て、普通ならば怒りを感じるはずだった。数多の命を己の都合で殺めた大罪人への感情としては当然だ。
されど、双魔も、鏡華も、山縣に対してい抱いたのは”憐憫”だった。この男を見ていると何故か心が張り裂けんばかりに痛んだ。
「まあ、昔のことならば一門を皆殺しにしたこと、今のことならば陰陽師やらの死体を動かしたことですかね?」
山縣はへらへらと笑っている。既に相当酔いが回っているのかもしれない。
「まあ、昔の件は己の技術上達、今の件はお客様に品定めを受けてるってところですか」
山縣は再び紙コップに酒を注ぐ。
(ソーマ…………奴が後ろにいるぞ)
(ん、そうか)
ティルフィングが脳内に直接警告を送ってくる。
双魔たちの背後には怨霊鬼が息を潜めているようだ。このまま、背中をがら空きにしておくのは非常によくない。そう思った時だった。
屋敷の周りに風が渦巻いた。
どこからか濃霧が発生し、徐々に屋敷を外から覆っていく。
そして、数秒も経たないうちに霧はドーム状の蓋のように屋敷を包み込んで外からと内からの干渉を遮断した。
「やれやれ…………お月さんが見えなくなっちまった…………無粋な真似をするもんだ」
山縣は紙コップを置くとふらりと立ち上がった。
「まあ、いいや。今回のお客様もあんたたちを始末すればあっしの腕を認めてくれるでしょう」
山縣は酒に数瞬前まで酔っていたとは思えないほど眼光鋭く双魔と鏡華を見据えた。
「鏡華……そっちは任せていいか?」
「うん、うちに任しといて」
二人は一瞬、視線を交わす。そして、力強く頷き合うとお互いに背中を預けた。
双魔の目の前で、空間が歪曲し、ボロ布を纏った巨体が姿を現す。
「…………約束を果たしに来た」
「…………」
怨霊鬼は何も言わない。仮面の奥の虚ろな瞳で双魔を見つめるだけだ。
お互い、視線を外さずに得物を構える。
京を騒がせた怪事件の決着が今ここで着こうとしていた。
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