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第七章「決闘炎上」
第196話 いざ、尋常に
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時刻は午後四時少し前。夜の帳が降りはじめた静かな公園、その中心にある噴水の前に一人の男が立っていた。
長身でくるくると渦巻いた金髪の美男子、オーギュスト=ル=シャトリエその人だ。
「…………」
その表情には自信を窺わせ、片手に持った己の増幅器である豪奢なステッキをくるくる回し弄びながら、両の眼を閉じて来るべき人物たちを待っている。
そこに、二人の人物が遅れてやって来た。
茶髪の如何にも温和そうな紳士と青系の色を基調としたドレスを身に纏った艶やかな紫黒色の髪が特徴の如何にも聡明そうな美少女だ。
言うまでもなく、キリル=イブン=ガビロールとその娘であるイサベル=イブン=ガビロールである。
「もういらっしゃっていたんですね、オーギュスト殿」
イサベルがその可憐な声で声を掛けてきた。
それを聞き取った耳を通して、オーギュストの脳内に何とも言えない快感がジワリと染み渡る。
(ハ……ハハハハ!ああ!私のイサベル!改めて何と美しいことか!)
「はい、約束の時間よりも少し前に来るのが紳士の嗜みですので…………」
心中の興奮が漏れ出ないよう、オーギュストは爽やかさを心掛けてイサベルに微笑みかける。
「……そうですか。流石、ル=シャトリエ家のご嫡男ですね」
イサベルはそれに笑顔で応えたが、それはどこか事務的に見えた。
(くっ!……やはり、イサベルの心は伏見双魔に傾いているのか!しかし、奴を下せばイサベルは、”エバの心臓”は、ガビロール宗家は僕の物だ!フフフ!さあ!さっさと負けに来るがいい!伏見双魔!決してないとは思うが……万が一の時は……これがある……あの女の正体は分からないが…………とにかくこれがあれば確実に伏見双魔に勝てる!)
心の内に高揚、嘲り、疑念、そして勝利への確信と様々な物をかき混ぜながら、それを表面には一切出さず怨敵、伏見双魔を待つ。
が、伏見双魔が姿を現さないまま時間が過ぎていく。
「…………」
(双魔君…………何かあったのかしら…………)
イサベルが不安に身体を揺らす横で、キリルは腕時計で時間を確認して難しい顔をしている。
既に約束の時間まで五分を切っている。
「ううん……来ないな」
キリルの表情がさらに苦いものになる。それにオーギュストが反応した。
「まさか……恐れをなして逃げ出したのではないでしょうな?」
「ま、まさか!そんなことはないと思うが…………」
オーギュストが薄笑いを浮かべる一方、キリルは表情を強張らせた。
”決闘”において敗北よりも、申し込まれて受諾しないことや、逃げ出すことが何よりの恥とされる。
そもそも、この”決闘”は少々時代錯誤なところがある。故に、キリルは決闘をオーギュストが言い出した時に止めたのだが、決まってしまったものは仕方がない。
こうなってはキリルも愛娘が自ら連れてきた相手がそのような不名誉なことをしない人間だとは思いたくなかった。
(…………さっきの様子からして逃げ出すような子ではないと思うんだけど……)
思い浮かぶのはホテルで見せた度胸とのらりくらりとしていても芯はしっかりとしているように見えた黒と銀の髪の少年の姿だった。
「…………」
心配になって娘の方を見る。が、イサベルはただ凛とそこに立っていた。
その瞳は信じる者の強き瞳だ。
そして、時刻は四時二分前、この場に現れるべき最後の人物がその姿を現した。
黒と銀の混じった頭髪に、皺一つない漆黒のローブを纏った少年が確かな足取りでこちらに歩いてくる。
「……チッ!逃げなかったか!」
忌々し気に顔を歪めるオーギュストに一瞥もくれず、キリルとイサベルの前で足を止めると軽く頭を下げた。
「遅れて申し訳ありません……少し、考え事をしていまして……少々道を間違えてしまいました」
「いやいや、間に合ったならそれでいいんだ……では、早速はじめよう。二人とも適度に距離を取って構えるように」
「はい」
「承知しました」
(考え事をして遅れるだと……どこまで!僕を愚弄するんだ!…………叩きのめして、二度と魔術を行使できないようにしてやる!)
双魔の言葉にオーギュストの怒りは燃え上がるが、ここで出すべきではない。悟られぬように力強く拳を握り締めた。
キリルの指示に従って双魔がオーギュストの向かいに足を向ける。その際に一瞬、イサベルと双魔の視線が交錯した。
「…………」
(…………双魔君気をつけて)
言葉は発さずに、気持ちが伝わるよう一心に双魔の蒼い瞳見つめる。
「…………」
それに気づいた口元にニヤリと笑みを浮かべて見せた。
いつもと変わらないその笑みにイサベルの心は少し穏やかになる。
そして、双魔はイサベルたちに背を向け、やがて位置についた。
突如、強い風が吹き公園の木々が枝葉を揺らして騒めいた。各々が身に纏ったローブやコートも裾が持ち上がりバサバサと音を立てて靡く。
正面を向くと不敵な笑みを浮かべたオーギュストがこちらを見ていた。余程自身があるのか双魔を軽視して嘲っているようにしか見えない。
「ハハハ!貴様を倒してイサベルを私のものにする!いや、もう私のもの同然だな!貴様が私に勝つことは万が一にも無いのだからな!」
オーギュストが少し興奮した様子で宣言してくる。
ガビロール父娘は安全のため離れていて、風が吹いていることもあり恐らくオーギュストの言葉は耳に届いていないだろう。
決闘相手の戯言がしっかり耳に届いた双魔は呆れた表情で息をついた。
「…………まあ、アンタ腕はどうだか知らんが……ガビロールを”もの”呼ばわりするような阿呆に負けるわけにもいかないんでね」
「ほざけ!」
双魔の態度が気に喰わなかったのかオーギュストは肩を怒らせ、目を見開いて、怒気を露にする。
その時だった。決闘責任者のキリルの声が聞こえてきた。
「少し時間を過ぎたが、これより我が娘、イサベル=イブン=ガビロールとの婚約権を賭けたオーギュスト=ル=シャトリエと伏見双魔の決闘をキリル=イブン=ガビロールの名において開始する!」
張り上げた声は風の止んだ公園によく響いた。
「両者!準備がよろしければ、右手を上げるように!」
「目にものを見せてやる!」
「…………」
キリルの声が耳に届いたオーギュストは勢いよく、一方の双魔はゆっくりと右手を動かし、両者の右手が耳の横に揃った。
再び、風が吹きだし、木々を揺らし、地に落ちた枯葉を浚う。
「それでは……始め!」
沈む夕日に吹く風は何を予感させるのか。キリルの鋭い声と共に対峙する二人の魔術師による闘いの火蓋は切って落とされた。
長身でくるくると渦巻いた金髪の美男子、オーギュスト=ル=シャトリエその人だ。
「…………」
その表情には自信を窺わせ、片手に持った己の増幅器である豪奢なステッキをくるくる回し弄びながら、両の眼を閉じて来るべき人物たちを待っている。
そこに、二人の人物が遅れてやって来た。
茶髪の如何にも温和そうな紳士と青系の色を基調としたドレスを身に纏った艶やかな紫黒色の髪が特徴の如何にも聡明そうな美少女だ。
言うまでもなく、キリル=イブン=ガビロールとその娘であるイサベル=イブン=ガビロールである。
「もういらっしゃっていたんですね、オーギュスト殿」
イサベルがその可憐な声で声を掛けてきた。
それを聞き取った耳を通して、オーギュストの脳内に何とも言えない快感がジワリと染み渡る。
(ハ……ハハハハ!ああ!私のイサベル!改めて何と美しいことか!)
「はい、約束の時間よりも少し前に来るのが紳士の嗜みですので…………」
心中の興奮が漏れ出ないよう、オーギュストは爽やかさを心掛けてイサベルに微笑みかける。
「……そうですか。流石、ル=シャトリエ家のご嫡男ですね」
イサベルはそれに笑顔で応えたが、それはどこか事務的に見えた。
(くっ!……やはり、イサベルの心は伏見双魔に傾いているのか!しかし、奴を下せばイサベルは、”エバの心臓”は、ガビロール宗家は僕の物だ!フフフ!さあ!さっさと負けに来るがいい!伏見双魔!決してないとは思うが……万が一の時は……これがある……あの女の正体は分からないが…………とにかくこれがあれば確実に伏見双魔に勝てる!)
心の内に高揚、嘲り、疑念、そして勝利への確信と様々な物をかき混ぜながら、それを表面には一切出さず怨敵、伏見双魔を待つ。
が、伏見双魔が姿を現さないまま時間が過ぎていく。
「…………」
(双魔君…………何かあったのかしら…………)
イサベルが不安に身体を揺らす横で、キリルは腕時計で時間を確認して難しい顔をしている。
既に約束の時間まで五分を切っている。
「ううん……来ないな」
キリルの表情がさらに苦いものになる。それにオーギュストが反応した。
「まさか……恐れをなして逃げ出したのではないでしょうな?」
「ま、まさか!そんなことはないと思うが…………」
オーギュストが薄笑いを浮かべる一方、キリルは表情を強張らせた。
”決闘”において敗北よりも、申し込まれて受諾しないことや、逃げ出すことが何よりの恥とされる。
そもそも、この”決闘”は少々時代錯誤なところがある。故に、キリルは決闘をオーギュストが言い出した時に止めたのだが、決まってしまったものは仕方がない。
こうなってはキリルも愛娘が自ら連れてきた相手がそのような不名誉なことをしない人間だとは思いたくなかった。
(…………さっきの様子からして逃げ出すような子ではないと思うんだけど……)
思い浮かぶのはホテルで見せた度胸とのらりくらりとしていても芯はしっかりとしているように見えた黒と銀の髪の少年の姿だった。
「…………」
心配になって娘の方を見る。が、イサベルはただ凛とそこに立っていた。
その瞳は信じる者の強き瞳だ。
そして、時刻は四時二分前、この場に現れるべき最後の人物がその姿を現した。
黒と銀の混じった頭髪に、皺一つない漆黒のローブを纏った少年が確かな足取りでこちらに歩いてくる。
「……チッ!逃げなかったか!」
忌々し気に顔を歪めるオーギュストに一瞥もくれず、キリルとイサベルの前で足を止めると軽く頭を下げた。
「遅れて申し訳ありません……少し、考え事をしていまして……少々道を間違えてしまいました」
「いやいや、間に合ったならそれでいいんだ……では、早速はじめよう。二人とも適度に距離を取って構えるように」
「はい」
「承知しました」
(考え事をして遅れるだと……どこまで!僕を愚弄するんだ!…………叩きのめして、二度と魔術を行使できないようにしてやる!)
双魔の言葉にオーギュストの怒りは燃え上がるが、ここで出すべきではない。悟られぬように力強く拳を握り締めた。
キリルの指示に従って双魔がオーギュストの向かいに足を向ける。その際に一瞬、イサベルと双魔の視線が交錯した。
「…………」
(…………双魔君気をつけて)
言葉は発さずに、気持ちが伝わるよう一心に双魔の蒼い瞳見つめる。
「…………」
それに気づいた口元にニヤリと笑みを浮かべて見せた。
いつもと変わらないその笑みにイサベルの心は少し穏やかになる。
そして、双魔はイサベルたちに背を向け、やがて位置についた。
突如、強い風が吹き公園の木々が枝葉を揺らして騒めいた。各々が身に纏ったローブやコートも裾が持ち上がりバサバサと音を立てて靡く。
正面を向くと不敵な笑みを浮かべたオーギュストがこちらを見ていた。余程自身があるのか双魔を軽視して嘲っているようにしか見えない。
「ハハハ!貴様を倒してイサベルを私のものにする!いや、もう私のもの同然だな!貴様が私に勝つことは万が一にも無いのだからな!」
オーギュストが少し興奮した様子で宣言してくる。
ガビロール父娘は安全のため離れていて、風が吹いていることもあり恐らくオーギュストの言葉は耳に届いていないだろう。
決闘相手の戯言がしっかり耳に届いた双魔は呆れた表情で息をついた。
「…………まあ、アンタ腕はどうだか知らんが……ガビロールを”もの”呼ばわりするような阿呆に負けるわけにもいかないんでね」
「ほざけ!」
双魔の態度が気に喰わなかったのかオーギュストは肩を怒らせ、目を見開いて、怒気を露にする。
その時だった。決闘責任者のキリルの声が聞こえてきた。
「少し時間を過ぎたが、これより我が娘、イサベル=イブン=ガビロールとの婚約権を賭けたオーギュスト=ル=シャトリエと伏見双魔の決闘をキリル=イブン=ガビロールの名において開始する!」
張り上げた声は風の止んだ公園によく響いた。
「両者!準備がよろしければ、右手を上げるように!」
「目にものを見せてやる!」
「…………」
キリルの声が耳に届いたオーギュストは勢いよく、一方の双魔はゆっくりと右手を動かし、両者の右手が耳の横に揃った。
再び、風が吹きだし、木々を揺らし、地に落ちた枯葉を浚う。
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