魔剣少女と契約した低血圧系魔術師、実は  の生まれ変わりでした?魔導学園で学生と講師を両立しながら何とか生きていこうと思います。

精神感応4

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第三章「たくさん食べる女の子は嫌い?」

第252話 ”ロザリンスペシャル”?

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 双魔は食堂内を見回すと受け取り口から近い席に腰を掛けた。

 ロザリンは何やらおばちゃんと話し込んでいるようだが自分が離れてから話しはじめたので首を突っ込むような話ではないだろう。

 そもそも、双魔はなるべく自分からは人の話に首を突っ込まないようにしている。勿論、話を振られれば答えるが、むやみやたらと色々な話に混じり、情報が増えると厄介ごとの種にもなる。

 「…………」

 しかし、周りを見渡しても特に面白いものはないので何となしにロザリンの方を眺めてしまう。

 何やらおばちゃんが一人で面白がっていて、ロザリンは首を傾げているのでよく分かっていない様子だ。

 そして、一瞬、チラリとおばちゃんの視線がこちらに向いたような気がした。

 (……まーた、面倒な勘違いされてるんじゃないだろうな…………)

 あの手の視線には覚えがある。鏡華やイサベルと二人でいるときに受ける視線だ。存外に男女が二人でいると恋愛方向に結びつけたがる下世話な人種が多い。

 『…………要は体のいい二股ですか…………不潔ですね』

 (…………あー…………あー…………)

 昨日、評議会室で突き刺さったシャーロットの一言を思い出してまた頭が痛くなってきた。

 (…………いや、世間体が良くないのは分かってるんだが……鏡華もイサベルも俺のこと好きだと言ってくれるし……何か、俺も絆されたのか、鏡華だけじゃなくてイサベルも好きになっちまってるしなぁ…………いやいや、でも清い付き合いだし…………うん……いや、しかしな……)

 「後輩君」
 「…………」
 「後輩君?」
 「ん……っ!はい!…………は?」

 一人で言い訳がましい考えを堂々巡りさせていると耳元にロザリンの声が届いた。

 咄嗟にそちらを向くとトレーを持ったロザリンが無表情で立っていた。

 双魔の上げた間抜けな声の原因はそのトレーの上にあった。

 「隣でいい?」
 「ええ……どうぞ…………」
 「ありがとう、よいしょっと」

 双魔が呆気にとられながら椅子を引いてやるとロザリンはそこに座り、続いて持っていたトレーをテーブルの上に置いたのだが…………。

 ドンッ!

 その際にとんでもない重量感を感じさせる音が響き、テーブルが揺れた。

 それもそのはずだ。ロザリンの手にしたトレーにはとんでもないものが乗っていた。

 まさに、山だった。双魔の顔より高く渦巻く大量のスパゲッティ、その上にはこれまた大量のミートソースがかけられ。その周りに十枚を超えるであろう極厚のベーコン、目玉焼きが五枚、ミートボールが六個、輪切りのグリルトマトが八枚、マッシュルームが丸々八個。魚のフライのようなものとハッシュドポテトが三つずつ、出来たてであることを示す湯気といい匂いを漂わせている。

 よく見るとトレーが通常のものより大きく、スパゲッティの山の後ろにはレタスを恐らく丸々一個分、刻んだニンジン、オニオン、オリーブ、ブロッコリー、カリフラワー、ミニトマトと彩りの良いサラダの山が一つ、そして、その隣にちょこんと双魔が頼んだ掛け蕎麦のどんぶりが乗っていた。

 「はい、こっちは後輩君の分とお箸」
 「…………あ、ありがとうございます」
 「どうしたの?」

 絶句する双魔にロザリンは首を傾げて不思議そうにしている。

 昨日の夜は一皿ずつ料理を食べていたのでいまいち実感がなかったが、ロザリンはとんでもない量を食べていた。恐らくキロ単位で食べている。

 「…………いつもこんなに食べてるんですか?」
 「うん、後輩君はそれだけで足りるの?……少し分ける?」
 「いえ……大丈夫です…………」

 (…………この細い体のどこにこんな量が入るんだ)

 「じゃあ、食べようか。いただきます。はむっ……もぐもぐ……」

 双魔が思わずまじまじとロザリンのお腹の辺りを凝視してしまうが、本人はどこ吹く風。

 両手を合わせてしっかりと食前の挨拶をするとフォークを片手にサラダからもりもりと食べはじめた。

 「…………いただきます……ふー……ふー……はふっ……ズルズルッ……」

 双魔も麺が伸びてしまってはいけないと息を吹きかけて適温にしてから啜りはじめる。

 双魔は普段の食事の時は感じない謎の圧力。恐らく、”ロザリンスペシャル”から放たれているであろう圧力に居心地の悪さを感じながらも大人しく麺を啜るのだった。
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