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第三章「たくさん食べる女の子は嫌い?」
第251話 食堂はがらんどう
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食堂は事務棟の一階の遺物科校舎よりの場所にあり、学生たちというよりかは講師や事務員と言った教職員の利用者が多い。
理由は双魔にはよく分からないが学生の多くはカフェテリアや学園外の店を利用している。
誰の意向か。事務棟の設備が最新のものにもかかわらず食堂は少々古臭いままなのが原因なのだが、普段からここに来る人間はそんなことは気にしない部類の人間だ。
食堂の中に足を踏み入れると職員らしきがまばらに座って食事をしているだけでまさにがらんどう状態だった。人がいない割に二十四時間営業しているのが売りらしいのは不思議と思わざるをえない。
「席は空いてるから、先に注文しよ」
「ん……そうですね」
ロザリンは待ちきれないと言った様子でスタスタと注文口に向かい、双魔も続く。
(ここに来るのは久しぶりだな…………何にするか……お、蕎麦がある)
人がいない割に多種多様なメニューが用意されているのは留学生も少なくないためだろうか。
ブリタニアでは珍しい蕎麦や丼もの、ラーメンや麻婆豆腐、カレー、パスタ、その他デザート類などなど日本のファミリーレストランよりもメニューは豊富だ。
(蕎麦があるなら蕎麦にするか)
「あら、ロザリンちゃん!いらっしゃい!」
「うん、こんばんは」
双魔がメニューを思案する隣でロザリンは恰食堂の恰幅のいいおばちゃんに歓迎されていた。流石、毎日通っていると言うのは本当なのだろう。
「いつもの”ロザリンスペシャル”でいいのかい?」
「うん、よろしく」
(…………”ロザリンスペシャル”?)
おばちゃんの口から出た謎のメニュー名を双魔はメニュー表で探すがどこにもそんな名前の料理は書いていなかった。
「お兄さんも注文は決まったかい?」
双魔が首を傾げているとおばちゃんから威勢のいい声を掛けられる。
「ああ、すいません、掛け蕎麦を一杯」
「蕎麦?ああ、滅多に出ないんだけど……お兄さん日本出身かい?」
「ええ、あ、葱を多めにして貰えたりします?」
「葱多めね!分かったよ!ロザリンスペシャル、掛け蕎麦葱多め一丁!」
「あいよー!」
おばちゃんが厨房の方に大声を出すと同じく威勢のいい声が返ってきた。
「それじゃあ、少し待っていておくれ!」
「後輩君は、先に座って。ご飯は私が持っていくから」
「…………いいんですか?」
「うん」
「分かりました……」
ロザリンが「いい」というのだから素直に言うことを聞いた方がいいのだろう。
双魔はロザリンと座る場所を決めるために注文口からふらりと離れた。
「……ロザリンちゃん、ロザリンちゃん」
「何?」
双魔が離れたのを見届けるとおばちゃんが声を潜めて呼び掛けてきた。その顔は何故か面白いものを見つけたと言った風だが、その理由が分からないロザリンは首を傾げた。
「いつもは一人……まあ、あの大きなワンちゃんが一緒だけど……今日はどうしたんだい?男の子と一緒だなんて……もしかして……ロザリンちゃんのいい人だったりするのかい?」
目の前のおばちゃんを含め、食堂で雇われている人々は一般人ながら剛毅な人が多いので、専門知識に乏しいのも相まって、神話級遺物であるゲイボルグを”大きなワンちゃん”呼ばわりしたりする。
そんなことはさておき、世事に疎いというか関心の薄いロザリンはおばちゃんが何を言いたいのかいまいち分からず再び首を傾げた。
「……?いい人?うん、後輩君はいい人だと思うよ?」
「…………そうかい……分かった!おばちゃんたちはロザリンちゃんの味方だからね!頑張るんだよ!」
おばちゃんの後ろでは皿洗いや野菜の皮むきをしていた他のおばちゃんたちが手を止めて、力強く頷いていた。
「?よく分からないけど、ありがとう」
「いいのよ、いいのよ!ロザリンちゃんなら絶対うまくいくわ!あのお兄さんも幸せ者ね……あっ、出来たみたいね!受け取り口の方に出すからそっちに行ってちょうだい!引き留めちゃってごめんね!」
「??うん、分かった」
(……おばちゃんたち……どうしたのかな?)
ロザリンは今まで見たことのないおばちゃんたちの反応に珍しく頭の中がモヤモヤとしていた。
「お待たせ!今日も腹いっぱいにしてきな!」
「……!うん!ありがとう」
しかし、そのモヤモヤも厨房担当のおじさんから手渡されたトレーの上に乗った湯気を上げる出来立ての料理によってかき消されてしまうのだった。
理由は双魔にはよく分からないが学生の多くはカフェテリアや学園外の店を利用している。
誰の意向か。事務棟の設備が最新のものにもかかわらず食堂は少々古臭いままなのが原因なのだが、普段からここに来る人間はそんなことは気にしない部類の人間だ。
食堂の中に足を踏み入れると職員らしきがまばらに座って食事をしているだけでまさにがらんどう状態だった。人がいない割に二十四時間営業しているのが売りらしいのは不思議と思わざるをえない。
「席は空いてるから、先に注文しよ」
「ん……そうですね」
ロザリンは待ちきれないと言った様子でスタスタと注文口に向かい、双魔も続く。
(ここに来るのは久しぶりだな…………何にするか……お、蕎麦がある)
人がいない割に多種多様なメニューが用意されているのは留学生も少なくないためだろうか。
ブリタニアでは珍しい蕎麦や丼もの、ラーメンや麻婆豆腐、カレー、パスタ、その他デザート類などなど日本のファミリーレストランよりもメニューは豊富だ。
(蕎麦があるなら蕎麦にするか)
「あら、ロザリンちゃん!いらっしゃい!」
「うん、こんばんは」
双魔がメニューを思案する隣でロザリンは恰食堂の恰幅のいいおばちゃんに歓迎されていた。流石、毎日通っていると言うのは本当なのだろう。
「いつもの”ロザリンスペシャル”でいいのかい?」
「うん、よろしく」
(…………”ロザリンスペシャル”?)
おばちゃんの口から出た謎のメニュー名を双魔はメニュー表で探すがどこにもそんな名前の料理は書いていなかった。
「お兄さんも注文は決まったかい?」
双魔が首を傾げているとおばちゃんから威勢のいい声を掛けられる。
「ああ、すいません、掛け蕎麦を一杯」
「蕎麦?ああ、滅多に出ないんだけど……お兄さん日本出身かい?」
「ええ、あ、葱を多めにして貰えたりします?」
「葱多めね!分かったよ!ロザリンスペシャル、掛け蕎麦葱多め一丁!」
「あいよー!」
おばちゃんが厨房の方に大声を出すと同じく威勢のいい声が返ってきた。
「それじゃあ、少し待っていておくれ!」
「後輩君は、先に座って。ご飯は私が持っていくから」
「…………いいんですか?」
「うん」
「分かりました……」
ロザリンが「いい」というのだから素直に言うことを聞いた方がいいのだろう。
双魔はロザリンと座る場所を決めるために注文口からふらりと離れた。
「……ロザリンちゃん、ロザリンちゃん」
「何?」
双魔が離れたのを見届けるとおばちゃんが声を潜めて呼び掛けてきた。その顔は何故か面白いものを見つけたと言った風だが、その理由が分からないロザリンは首を傾げた。
「いつもは一人……まあ、あの大きなワンちゃんが一緒だけど……今日はどうしたんだい?男の子と一緒だなんて……もしかして……ロザリンちゃんのいい人だったりするのかい?」
目の前のおばちゃんを含め、食堂で雇われている人々は一般人ながら剛毅な人が多いので、専門知識に乏しいのも相まって、神話級遺物であるゲイボルグを”大きなワンちゃん”呼ばわりしたりする。
そんなことはさておき、世事に疎いというか関心の薄いロザリンはおばちゃんが何を言いたいのかいまいち分からず再び首を傾げた。
「……?いい人?うん、後輩君はいい人だと思うよ?」
「…………そうかい……分かった!おばちゃんたちはロザリンちゃんの味方だからね!頑張るんだよ!」
おばちゃんの後ろでは皿洗いや野菜の皮むきをしていた他のおばちゃんたちが手を止めて、力強く頷いていた。
「?よく分からないけど、ありがとう」
「いいのよ、いいのよ!ロザリンちゃんなら絶対うまくいくわ!あのお兄さんも幸せ者ね……あっ、出来たみたいね!受け取り口の方に出すからそっちに行ってちょうだい!引き留めちゃってごめんね!」
「??うん、分かった」
(……おばちゃんたち……どうしたのかな?)
ロザリンは今まで見たことのないおばちゃんたちの反応に珍しく頭の中がモヤモヤとしていた。
「お待たせ!今日も腹いっぱいにしてきな!」
「……!うん!ありがとう」
しかし、そのモヤモヤも厨房担当のおじさんから手渡されたトレーの上に乗った湯気を上げる出来立ての料理によってかき消されてしまうのだった。
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