76 / 161
第74話 繋がる教え、放たれる槍
しおりを挟む
『あはははははははっ!!』
パーオベスの大剣が、地に伏せたセリスに迫っていた。
「っ! このっ!」
セリスは反射的に地面を転がり、ギリギリでその一撃を回避する。
飛び散った瓦礫が腕や背中に当たり、鈍い痛みが走った。
転がる勢いのまま立ち上がると、セリスは槍を握り直し、空いたパーオベスの脇腹を狙って突き込む。
「そこっ!」
だが。
『効かないと言っていますでしょう?』
猿のような顔をしたパーオベスのぎょろりとした目がセリスに向けられる。
そのまま、大剣が勢いよく横薙ぎに振るわれるが、セリスはバックステップでなんとかそれを避けた。
(やっぱりだめ……)
彼女の中に、わずかな焦燥が混じる。
この戦いが始まってから、ずっと試していたことがある。それは、あの日、ジオードの訪問にともなって起きた出来事だった。
「セリス殿。この老いぼれに――少しだけ、お手合わせいただけますかな?」
穏やかな笑みを湛えて、ゆっくりと歩み寄ってきたのは、ジオードのお付の一人であるジルバだった。
「っ……!」
思わず反射的に構えるセリス。その目には警戒の色が浮かぶ。
「そんなに警戒なさらずとも。今日はただ、少しばかり“心得”のようなものをお伝えできればと思いまして」
「……そういうことなら、別にいいけど」
セリスは警戒を解かぬまま、槍を下ろす。
この男は羊の皮をかぶった狼だ。見かけに騙されるつもりはない。だが、ユークや仲間たちのためになるのなら、恐怖心を抑えて学ぶ意味はある――そうセリスは判断していた。
「まず、セリス殿。あなたは『エクストラスキル』というものをご存じですか?」
ジルバは目を細め、静かに問いかけてくる。
「うん……一度だけ、見たことがある」
それはアズリアが、ブレイズベアを相手に放った一撃だった。
「なるほど。では話が早い」
ジルバは模擬戦用に用意された木剣を手に取った。この木剣は、ジオードが「そのような無粋なものは不要」と言ったため模擬戦では使われなかったものだ。
「ふむ……まあ、これで十分でしょう」
木剣を構えると、ジルバはゆっくりと深呼吸を一つ。そして、気合と共に前へと踏み出した。
「はぁっ!!」
ジルバが木剣とは思えないほどの強烈な突きを繰り出すと、庭に置かれた大きな石に信じられないほど深い穴が空いた
「なっ!」
「ええっ!?」
セリスと、ヴィヴィアンが驚愕の声を上げる。
「いまのは、スラストソードと呼ばれるエクストラスキル……を、私の技術で再現したものです」
ジルバは事もなげに説明する。
「再現……!?」
「なにそれ!?」
驚きを隠せない二人。
「エクストラスキルは、近接系ジョブがレベル三十になると習得するアクティブスキル。ですが、私はそれを見た時模倣できるのではないかと考えたのですよ」
「模倣って、そんな……!」
セリスが呆れたように呟く一方、隣でヴィヴィアンが抗議の声を上げる。
「ま、待って師匠! 私、そんなの教えてもらってないわ!」
「ヴィヴィアン、残念ですがあなたには才能がありません。ですが、セリス殿なら――あるいは」
「えええええ……」
ショックを受け、項垂れるヴィヴィアン。
「私なら……この技を覚えられるってこと?」
セリスが慎重に問いかける。
「さあ、どうでしょう。私の弟子の中で、これを身につけられたのは殿下だけですので」
ジオードの名前を出されて、セリスはムッとする。
「……その気があるなら、伝授いたしましょう。時間は限られていますので、多少荒っぽくなりますが」
「やるっ!」
言葉よりも先に、その決意が声になって飛び出していた。
「ふふふ……そう言ってくれると思っておりました」
ジルバの笑みがさらに深まり、セリスはほんの少しだけ後悔した。
こうしてセリスは、ジルバに鍛えられ、その身でジルバの技を受けることで技の本質を体感し、理解した――
が、結局、練習でも実戦でも、一度たりともエクストラスキルの発動には成功していなかった。
(今まで一度も成功したことはないけれど……今、ここで成功させなきゃ――ユークが!)
これまで彼女は、本気で「力が欲しい」と思ったことなど、一度もなかった。
それでも問題はなかった。危機に直面しても、仲間がいてくれた。優秀な仲間たちが、どうにかしてくれたからだ。
けれど、今は違う。
目の前にいる敵を、自分の手で倒さなければ――ユークが、命を落とすかもしれない。
その焦りと焦燥が、これまでにないほどの「力」への渇望をセリスに呼び起こしていた。
そしてそれこそが、彼女に足りなかった最後のピースだったのだ。
パーオベスはセリスの攻撃を、避けようとはしなかった。
セリスの攻撃など、避けるまでもない――そう、高を括っていたのだ。
だがその瞬間、彼女の全身に猛烈な嫌な予感が走る。
直感に従い、彼女はセリスの一撃を避けるべく全力で身を引いた。
そして。それは、正解だった。
「がっっ!!」
パーオベスの脇腹が抉れた。
もし避けていなければ、腹部を大きくえぐられていたことだろう。
パーオベスの頭は混乱の極みにあった。
――なぜ!?
エクストラスキルは、使えないはずじゃなかったの!?
それとも、本当は使えるけど隠していた?
なら、なぜ今まで使ってこなかった??
現実では一秒にも満たない刹那の間に、パーオベスの思考は疑問に満たされた。
そして、その疑問はある一つの答えへと辿り着く。
――いずれにしても、エクストラスキルを使ったのであれば……発動直後に硬直があるはず!!
本来であれば使えない技を、無理やり体を動かして使えるようにする事で生じる、スキル直後の一瞬の硬直。
普通なら問題にすらならないその隙が、彼女ほどの戦士であれば明確なチャンスとなる。
『くらいなさい!!』
だからこそ、パーオベスは動く。大剣を振りかざし、セリスに致命の一撃を与えようと踏み込んだ。
けれど、その瞬間。
目の前のセリスの違和感に気づいた。
(硬直……してない!?)
考えるよりも早く、大剣を盾のように自らの前に突き出す。
「『スラスト……ランスッ』!!」
セリスの技が放たれる。
パーオベスの大剣は砕け、半ばから折れる。だがそのおかげで、彼女は命拾いすることが出来た。
『……バカなっ!』
信じがたい現実に戸惑うよりも早く、本能が動く。
猿型モンスターの強靭な足で地を蹴り、バックステップで一気に距離を取った。
「逃がさない……!」
だがセリスは、猛然と追いすがる。
(このままでは逃げ切れない……なら!!)
パーオベスは後退ではなく、高く跳ぶ選択をした。
部屋の壁の突起にしがみつき、無様に、だが必死に登る。
上まで行くと、天井に吊るされたシャンデリアへ飛びつき、片手でぶら下がる。
『ふふふ……貴女はここまでは来られないでしょう? そして、攻撃する手段もない』
パーオベスは口角を吊り上げた。
『ですが、わたくしはここからでも貴女に攻撃できますわよ!』
片手でシャンデリアの一部を引きちぎり、それを握りつぶして圧縮する。
あっという間に即席の飛礫が完成した。
(わたくしは時間を稼げばいい。ラルドやルビーが彼女の連れを殺してくれれば、加勢に来てくれるはず……)
仲間を信じ、セリスの動きを牽制する準備を整える。
だが――
『……何を……?』
セリスが再び槍を構えた。
エクストラスキルは一人一つ。それならば、もう攻撃手段はないはず。
セリスは思い出していた。ジルバの教えを。
「セリス殿に教える技は二つ。近距離用のスラストソード。そしてもう一つは――遠距離用の……」
セリスが叫ぶ。
「フォースジャベリン!!」
放たれた槍が、空気を切り裂くように虚空を突く。
ソレはパーオベスの頭を正確に貫いた。
首から上は跡形もなく消し飛び、肉片と骨の破片が辺りに飛び散る。
赤黒い液体が噴水のように吹き出し、天井を赤く染める。
力を失った手がシャンデリアから滑り落ちた。
猿のモンスターの姿が光に包まれ、人間の姿へと戻っていく。
その結果、パーオベスは空中に投げ出される形になった。
咄嗟に手を伸ばすが、届かない。
モンスターの巨体ゆえにシャンデリアとの距離があまりに遠かったからだ。
「変化っ!」
落下しながらパーオベスが叫ぶ。
「変化! 変化っ……!」
だが、モンスターに変化することは無かった。モンスターの肉体が死ねば変身能力も消える。
ラルドのように再度博士の施術を受ければ可能だが、今の彼女にそれは望めない。
分かっていた。理解していた。けれど、それでも死にたくなかったのだ。
床が迫ってくるのを見ながら、彼女は必死に叫んだ。
「変化っ!! 変化ぁ……っ、へん……がべっ!」
ぐしゃっ――。
パーオベスは頭から床に落下し、即死した。
セリスはパーオベスの死を確認すると、小さくガッツポーズをして仲間のもとへ急ぐのだった。
◆◆◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
セリス(LV.25)
性別:女
ジョブ:槍術士
スキル:槍の才(槍の基本技術を習得し、槍の才能をわずかに向上させる)
備考:早くユークの所に向かわないと!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
パーオベス(LV.5)
性別:女
ジョブ:上級大剣士
スキル:大剣の才(大剣の才能を大幅に向上させる)
備考:幼少の頃は『天才』と持て囃されていた。だが、十歳でジョブを得て初めてわかった。彼女のレベル上限は、たったの五。
一般人ですら十までは上がると言われる中で、その数値はあまりにも低かった。
期待は失望に変わり、称賛は嘲笑へと変わった。
一族から追放された彼女は、流浪の果てにこの街にたどり着く。
全てを憎むような目で娼婦として生きていた彼女に、手を差し伸べたのはカルミアだった。
そして彼の紹介により出会った博士から、望んでやまなかった『力』を手に入れたのだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
パーオベスの大剣が、地に伏せたセリスに迫っていた。
「っ! このっ!」
セリスは反射的に地面を転がり、ギリギリでその一撃を回避する。
飛び散った瓦礫が腕や背中に当たり、鈍い痛みが走った。
転がる勢いのまま立ち上がると、セリスは槍を握り直し、空いたパーオベスの脇腹を狙って突き込む。
「そこっ!」
だが。
『効かないと言っていますでしょう?』
猿のような顔をしたパーオベスのぎょろりとした目がセリスに向けられる。
そのまま、大剣が勢いよく横薙ぎに振るわれるが、セリスはバックステップでなんとかそれを避けた。
(やっぱりだめ……)
彼女の中に、わずかな焦燥が混じる。
この戦いが始まってから、ずっと試していたことがある。それは、あの日、ジオードの訪問にともなって起きた出来事だった。
「セリス殿。この老いぼれに――少しだけ、お手合わせいただけますかな?」
穏やかな笑みを湛えて、ゆっくりと歩み寄ってきたのは、ジオードのお付の一人であるジルバだった。
「っ……!」
思わず反射的に構えるセリス。その目には警戒の色が浮かぶ。
「そんなに警戒なさらずとも。今日はただ、少しばかり“心得”のようなものをお伝えできればと思いまして」
「……そういうことなら、別にいいけど」
セリスは警戒を解かぬまま、槍を下ろす。
この男は羊の皮をかぶった狼だ。見かけに騙されるつもりはない。だが、ユークや仲間たちのためになるのなら、恐怖心を抑えて学ぶ意味はある――そうセリスは判断していた。
「まず、セリス殿。あなたは『エクストラスキル』というものをご存じですか?」
ジルバは目を細め、静かに問いかけてくる。
「うん……一度だけ、見たことがある」
それはアズリアが、ブレイズベアを相手に放った一撃だった。
「なるほど。では話が早い」
ジルバは模擬戦用に用意された木剣を手に取った。この木剣は、ジオードが「そのような無粋なものは不要」と言ったため模擬戦では使われなかったものだ。
「ふむ……まあ、これで十分でしょう」
木剣を構えると、ジルバはゆっくりと深呼吸を一つ。そして、気合と共に前へと踏み出した。
「はぁっ!!」
ジルバが木剣とは思えないほどの強烈な突きを繰り出すと、庭に置かれた大きな石に信じられないほど深い穴が空いた
「なっ!」
「ええっ!?」
セリスと、ヴィヴィアンが驚愕の声を上げる。
「いまのは、スラストソードと呼ばれるエクストラスキル……を、私の技術で再現したものです」
ジルバは事もなげに説明する。
「再現……!?」
「なにそれ!?」
驚きを隠せない二人。
「エクストラスキルは、近接系ジョブがレベル三十になると習得するアクティブスキル。ですが、私はそれを見た時模倣できるのではないかと考えたのですよ」
「模倣って、そんな……!」
セリスが呆れたように呟く一方、隣でヴィヴィアンが抗議の声を上げる。
「ま、待って師匠! 私、そんなの教えてもらってないわ!」
「ヴィヴィアン、残念ですがあなたには才能がありません。ですが、セリス殿なら――あるいは」
「えええええ……」
ショックを受け、項垂れるヴィヴィアン。
「私なら……この技を覚えられるってこと?」
セリスが慎重に問いかける。
「さあ、どうでしょう。私の弟子の中で、これを身につけられたのは殿下だけですので」
ジオードの名前を出されて、セリスはムッとする。
「……その気があるなら、伝授いたしましょう。時間は限られていますので、多少荒っぽくなりますが」
「やるっ!」
言葉よりも先に、その決意が声になって飛び出していた。
「ふふふ……そう言ってくれると思っておりました」
ジルバの笑みがさらに深まり、セリスはほんの少しだけ後悔した。
こうしてセリスは、ジルバに鍛えられ、その身でジルバの技を受けることで技の本質を体感し、理解した――
が、結局、練習でも実戦でも、一度たりともエクストラスキルの発動には成功していなかった。
(今まで一度も成功したことはないけれど……今、ここで成功させなきゃ――ユークが!)
これまで彼女は、本気で「力が欲しい」と思ったことなど、一度もなかった。
それでも問題はなかった。危機に直面しても、仲間がいてくれた。優秀な仲間たちが、どうにかしてくれたからだ。
けれど、今は違う。
目の前にいる敵を、自分の手で倒さなければ――ユークが、命を落とすかもしれない。
その焦りと焦燥が、これまでにないほどの「力」への渇望をセリスに呼び起こしていた。
そしてそれこそが、彼女に足りなかった最後のピースだったのだ。
パーオベスはセリスの攻撃を、避けようとはしなかった。
セリスの攻撃など、避けるまでもない――そう、高を括っていたのだ。
だがその瞬間、彼女の全身に猛烈な嫌な予感が走る。
直感に従い、彼女はセリスの一撃を避けるべく全力で身を引いた。
そして。それは、正解だった。
「がっっ!!」
パーオベスの脇腹が抉れた。
もし避けていなければ、腹部を大きくえぐられていたことだろう。
パーオベスの頭は混乱の極みにあった。
――なぜ!?
エクストラスキルは、使えないはずじゃなかったの!?
それとも、本当は使えるけど隠していた?
なら、なぜ今まで使ってこなかった??
現実では一秒にも満たない刹那の間に、パーオベスの思考は疑問に満たされた。
そして、その疑問はある一つの答えへと辿り着く。
――いずれにしても、エクストラスキルを使ったのであれば……発動直後に硬直があるはず!!
本来であれば使えない技を、無理やり体を動かして使えるようにする事で生じる、スキル直後の一瞬の硬直。
普通なら問題にすらならないその隙が、彼女ほどの戦士であれば明確なチャンスとなる。
『くらいなさい!!』
だからこそ、パーオベスは動く。大剣を振りかざし、セリスに致命の一撃を与えようと踏み込んだ。
けれど、その瞬間。
目の前のセリスの違和感に気づいた。
(硬直……してない!?)
考えるよりも早く、大剣を盾のように自らの前に突き出す。
「『スラスト……ランスッ』!!」
セリスの技が放たれる。
パーオベスの大剣は砕け、半ばから折れる。だがそのおかげで、彼女は命拾いすることが出来た。
『……バカなっ!』
信じがたい現実に戸惑うよりも早く、本能が動く。
猿型モンスターの強靭な足で地を蹴り、バックステップで一気に距離を取った。
「逃がさない……!」
だがセリスは、猛然と追いすがる。
(このままでは逃げ切れない……なら!!)
パーオベスは後退ではなく、高く跳ぶ選択をした。
部屋の壁の突起にしがみつき、無様に、だが必死に登る。
上まで行くと、天井に吊るされたシャンデリアへ飛びつき、片手でぶら下がる。
『ふふふ……貴女はここまでは来られないでしょう? そして、攻撃する手段もない』
パーオベスは口角を吊り上げた。
『ですが、わたくしはここからでも貴女に攻撃できますわよ!』
片手でシャンデリアの一部を引きちぎり、それを握りつぶして圧縮する。
あっという間に即席の飛礫が完成した。
(わたくしは時間を稼げばいい。ラルドやルビーが彼女の連れを殺してくれれば、加勢に来てくれるはず……)
仲間を信じ、セリスの動きを牽制する準備を整える。
だが――
『……何を……?』
セリスが再び槍を構えた。
エクストラスキルは一人一つ。それならば、もう攻撃手段はないはず。
セリスは思い出していた。ジルバの教えを。
「セリス殿に教える技は二つ。近距離用のスラストソード。そしてもう一つは――遠距離用の……」
セリスが叫ぶ。
「フォースジャベリン!!」
放たれた槍が、空気を切り裂くように虚空を突く。
ソレはパーオベスの頭を正確に貫いた。
首から上は跡形もなく消し飛び、肉片と骨の破片が辺りに飛び散る。
赤黒い液体が噴水のように吹き出し、天井を赤く染める。
力を失った手がシャンデリアから滑り落ちた。
猿のモンスターの姿が光に包まれ、人間の姿へと戻っていく。
その結果、パーオベスは空中に投げ出される形になった。
咄嗟に手を伸ばすが、届かない。
モンスターの巨体ゆえにシャンデリアとの距離があまりに遠かったからだ。
「変化っ!」
落下しながらパーオベスが叫ぶ。
「変化! 変化っ……!」
だが、モンスターに変化することは無かった。モンスターの肉体が死ねば変身能力も消える。
ラルドのように再度博士の施術を受ければ可能だが、今の彼女にそれは望めない。
分かっていた。理解していた。けれど、それでも死にたくなかったのだ。
床が迫ってくるのを見ながら、彼女は必死に叫んだ。
「変化っ!! 変化ぁ……っ、へん……がべっ!」
ぐしゃっ――。
パーオベスは頭から床に落下し、即死した。
セリスはパーオベスの死を確認すると、小さくガッツポーズをして仲間のもとへ急ぐのだった。
◆◆◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
セリス(LV.25)
性別:女
ジョブ:槍術士
スキル:槍の才(槍の基本技術を習得し、槍の才能をわずかに向上させる)
備考:早くユークの所に向かわないと!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
パーオベス(LV.5)
性別:女
ジョブ:上級大剣士
スキル:大剣の才(大剣の才能を大幅に向上させる)
備考:幼少の頃は『天才』と持て囃されていた。だが、十歳でジョブを得て初めてわかった。彼女のレベル上限は、たったの五。
一般人ですら十までは上がると言われる中で、その数値はあまりにも低かった。
期待は失望に変わり、称賛は嘲笑へと変わった。
一族から追放された彼女は、流浪の果てにこの街にたどり着く。
全てを憎むような目で娼婦として生きていた彼女に、手を差し伸べたのはカルミアだった。
そして彼の紹介により出会った博士から、望んでやまなかった『力』を手に入れたのだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
15
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい
黒城白爵
ファンタジー
ーーある日、平穏な世界は終わった。
そうとしか表現できないほどに世界にモンスターという異物が溢れ返り、平穏かつ醜い世界は崩壊した。
そんな世界を自称凡人な男がマイペースに生きる、これはそんな話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる