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マッドサイエンティスト
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研究の場を与えて貰えた事に、本来なら喜ぶべきなのだろう。
お前の研究は異端だと言われて、学会を追放された。
若くして、天才と評されて年寄り共の反感を買った。
そんな事は気にならなかったが、重鎮共の反感を買ってしまったあたしに、研究の場は与えられずに、乏しい研究資金であたしは細々と研究を続けていた。
そんなあたしの前に、一人の女性が現れて、ある研究をお願いしたいと、潤沢な資金と研究場所を提供すると言われて、あたしは彼女に付いていってしまった。
それが間違いだったと、その時のあたしは気付いてはいなかった。
魔女としては、本当に下の下でありこの頭脳だけで生き延びて来た。
そんなあたしには、最初から断るなんて選択肢はきっとなかった。
断れば殺されていた……と思う。
「研究は進んでいますか?」
一人の魔女が、オドオドしながら研究の進捗状態を聞きに来る。
「歌音か、まだ使えるレベルではないと報告してくれ」
「わかりました。でも、花梨さんはどうして引き受けたんですか?」
闇の女王の仲間の中で、唯一争いを嫌う魔女。
それが彼女だった。
出来るのならあたしだって、こんな研究などしたくはないが、仕方ない。
あたしには、ここにしか居場所がないのだから、研究者からも家族からも嫌われているあたしには……
「あたしは、研究が出来ればいい。本来の研究も許されてるからな。その為にあたしはこんな研究もしているのだよ」
秘密にしておいてくれと、バレればあたしは殺されてしまうと、特にかぐやには秘密で頼むと歌音に伝える。
「誰にも言いません。私は、出来るなら争いたくないので」
「やっぱり君は優しいな。皆んな君みたいなら良かったのにな」
闇の女王の配下で、唯一争いを嫌う魔女。
そんな彼女の存在は、あたしにとっては本当に救いだった。
「女王様、いつになったら攻め込むんですか? 早く殺してしまいたいです」
紗音が、そう女王に言うが女王は笑顔を絶やさずに、まだですよと答える。
「あの最弱魔女が覚醒するまでは、そして花梨の研究が完成するまでは、焦ってはいけませんよ」
微笑みを絶やさずに答える。
「花梨の研究は、成功するんでしょうか?」
アリスは半信半疑と言った感じに、女王に質問する。
「大丈夫よ。花梨は、間違いなく成功させます。あの娘を越える頭脳は、今の科学者にはいないのだから」
綿貫花梨は、年齢こそ二十七歳と若いが頭脳は、ずば抜けている。
だからこそ、闇の女王は彼女に目をつけたのである。
「妖を操る事が可能になれば、それは本当に面白い事になりますね」
かぐやは女王に、さすが女王様ですと褒め称えている。
今まで、妖を操ろうなどと考えた者は一人もいなかった。
ただ弱い者を捕食するだけ、人間でも魔女でも、ただ本能のみで襲い掛かる下衆な生き物。
それが妖だった。
そんな妖を操ろうと考えたのが、闇の女王である。
「妖が人間だけを襲う。私達は、光の魔女と楽しく争う」
光の魔女所謂沙霧達である。
沙霧達が、妖から人間を守りながら自分達とも戦うのでは、彼女達はこちらに集中出来ない。
それを防止する為に、妖を操ろうと考えたのだ。
「所詮妖なんて、使い捨ての駒。人間がいる限り、いくらでも湧いて出て来る存在なんだから」
妖がいつから存在していたのか、ハッキリとした記録はない。
その発生メカニズムも、ハッキリこうだと言われるものはないのだが、闇の女王は妖の発生メカニズムは、人間が重要な役割を果たしていると考えている。
だからこそ人間を絶滅させ、魔女だけの世界を作り上げようと考えているのだ。
「何事も焦らずに時を見定めるのが、大切なのよ」
「わかりました」
光の魔女達の事は気になるが、今は研究待ちである。
戦いたくて、正直うずうずしているがアリス達は、女王に一礼するとそれぞれの部屋に戻っていった。
妖を操る。そんな事が本当に出来るのか?
あたしに、本当にそんな装置を作り出せるのだろうか?
今までの研究とは、全く毛色が違う。
あたしは、ただ死んでしまった親友を生き返らせたかっただけ。
だから彼女のDNAも残している。
クローン技術はあるが、あれは完璧ではない。
今までもクローンで誕生した生物は多くいるが、その全てが短命に終わっている。
短命では意味がない。
そして、赤ん坊からでは意味がない。
あたしを愛してくれた彼女でなくては、意味がないのだ。
生前の記憶を完璧に持った状態で、身体も顔も声も記憶も、全て彼女じゃないと意味がない。
そんな研究に没頭していたから、科学者仲間からも、家族からも忌み嫌われて、気付いた時には一人だった。
正直生活するのにも困る状態で、生活費の為に何度身体を売った事か。
それを考えれば、今の状況は幸せなのだろう。
彼女を甦らせる研究をしつつ、頼まれた研究をする。
衣食住が揃っているのだから、こんなにもありがたい事はない。
あたしの研究が、例え人間を絶滅させるのだとしても、そんな事は関係ない。
人間があんなにも弱い存在でなかったのなら、妖と多少なりとも戦う術を持っていたのなら、彼女は死なずに済んだかもしれない。
あくまでももしかしたらの話だか、たらればの話だが、それでも妖なんて存在しなかったらと思うと、どうしてもやり切れない。
女王は妖は人間がいるから存在している可能性が高いと、人間がいなくなれば妖はいなくなる可能性が高いと話していた。
彼女は、とても頭がいいし、自分なんかでは到底到達出来ない領域にいる。
その女王が言うのだから、きっと間違いない。
花梨は、今でも大切に持っている彼女の写真を見つめながら、待っていてと必ず甦らせるからと呟くと、研究を再開した。
一葉達が、可憐の事件を解決して束の間の安息を楽しんでいる時に、闇の女王達は音もなく人間絶滅計画を進めていた。
能力を奪われた可憐は、大人しい女の子になっていた。
魂が抜けてしまったのか、完全に無気力になり、今は祈に面倒を見てもらいながら、普通の女の子として生活をしている。
やっと祈の愛に気づき、祈をとても大切にしているようだ。
祈は、律儀にも毎日響とかごめに近況を嬉しそうに報告している。
「そっか、あの可憐さんが、でも二人が幸せなら私は嬉しいよ」
まだ傷が完全に癒えてないかごめは、松葉杖を巧みに操りながら、学校に登校している。
もちろん響のサポートがあっての事なのだが、これはこれで悪くないなと、大好きな響を独り占め出来るのだから、怪我の功名ではないが、かごめは本当に幸せだなと思いながらも、毎日自分を求める響に、偶には休息も必要だからねと、毎日嗜めてもいる。
「響さんって、そんなに性欲魔人だったんですね」
「せ、性欲魔人って、私はただかごめが可愛いから……したくなっちゃうだけで」
「ちゃんと避妊してますか? サレン様にも卒業までは駄目って」
「し、してますから! ちゃんと方法を教えて貰ったし!」
人間ならゴムを着けるなどの方法で、避妊出来る。
魔女は女の子同士なので、そんな道具はないのだが、魔力を上手く利用する事で避妊をしている。
「かごめちゃんが、まだ来てないからいいですけど、今からちゃんと避妊するくせつけないと、サレン様が怖いですよ」
響は、もし学生の内にかごめが妊娠してしまい、サレンにバレたらと考えてみる。
待っているのは、きっと地獄だ。
穏やかな微笑みを浮かべながら、響ちゃんどうして約束を守らなかったのかしら? と詰め寄られて、その後は……響が壊れた。
「あ、あががががが」
響が壊れてしまった。
「サレンさんに叱られる姿を想像したんだね。サレンさんは、怒ると怖いって沙霧さん達も言ってたし」
「でも凄く優しいよ。私に罰を与えながら泣いてたから」
可憐に加担した罪で罰を受けた。
恐ろしいまでの恐怖と痛みだったが、自分に罰を与えるサレンは、心で泣いているのがわかった。
サレンと言う女性は、凄く優しい魔女なんだと祈は思った。
だから、非力だけど彼女の力になりたいと思っている。
「あがががががが、ごめんなさい」
「はいはい。響ちゃん、ちゃんと約束守れば大丈夫だよ」
壊れたままの響を綾していると、響どうしたの? と沙霧達が不思議そうに響を見ている。
祈が事情を説明する。
「そう言う事か、確かにサレンは怖いからな。ベッドでは優しいけど」
「し・ず・く!!!」
隣から静かな怒りを感じて、雫が恐る恐る振り返ると、優しい微笑みを讃えながら、サレンがどうしてそう口が軽いのかしら? お仕置きが必要ねとサレンの両腕には、魔力の塊が出来上がっている。
「さ、サレンさん? 軽い冗談ですよ。サレンさんは、最高の従姉妹で最愛のお人ですよ」
「離れてた方がいいわね」
そう言うと沙霧が響を一葉と祈がかごめを非難させた瞬間。
無音のまま雫にサレンの攻撃が炸裂して、雫は廊下の端まで吹き飛ばされて、悶絶していた。
「さ、サレンさんって、もしかして最強なんでは」
一葉の言葉に沙霧が、怒らせたら私でも怖いわと、冗談抜きでサレンとは戦いたくないわねと、防御魔法をゆっくりと解く。
「サレンって、幼い頃から強かったからね。私も修行中に何度もサレンには、コテンパンにやられた記憶あるし」
「さ、沙霧様がですか?」
祈は驚きの表情で、沙霧様が負けるなんてあるんですか? と聞いて来たので沙霧はその話なら、放課後家で話してあげるから、可憐も誘って遊びに来なさいと、祈の頭を撫でている。
「あ、あの助けて……」
サレンの一撃で悶絶している雫の助けての一言は、虚しく空を切るばかりであった。
お前の研究は異端だと言われて、学会を追放された。
若くして、天才と評されて年寄り共の反感を買った。
そんな事は気にならなかったが、重鎮共の反感を買ってしまったあたしに、研究の場は与えられずに、乏しい研究資金であたしは細々と研究を続けていた。
そんなあたしの前に、一人の女性が現れて、ある研究をお願いしたいと、潤沢な資金と研究場所を提供すると言われて、あたしは彼女に付いていってしまった。
それが間違いだったと、その時のあたしは気付いてはいなかった。
魔女としては、本当に下の下でありこの頭脳だけで生き延びて来た。
そんなあたしには、最初から断るなんて選択肢はきっとなかった。
断れば殺されていた……と思う。
「研究は進んでいますか?」
一人の魔女が、オドオドしながら研究の進捗状態を聞きに来る。
「歌音か、まだ使えるレベルではないと報告してくれ」
「わかりました。でも、花梨さんはどうして引き受けたんですか?」
闇の女王の仲間の中で、唯一争いを嫌う魔女。
それが彼女だった。
出来るのならあたしだって、こんな研究などしたくはないが、仕方ない。
あたしには、ここにしか居場所がないのだから、研究者からも家族からも嫌われているあたしには……
「あたしは、研究が出来ればいい。本来の研究も許されてるからな。その為にあたしはこんな研究もしているのだよ」
秘密にしておいてくれと、バレればあたしは殺されてしまうと、特にかぐやには秘密で頼むと歌音に伝える。
「誰にも言いません。私は、出来るなら争いたくないので」
「やっぱり君は優しいな。皆んな君みたいなら良かったのにな」
闇の女王の配下で、唯一争いを嫌う魔女。
そんな彼女の存在は、あたしにとっては本当に救いだった。
「女王様、いつになったら攻め込むんですか? 早く殺してしまいたいです」
紗音が、そう女王に言うが女王は笑顔を絶やさずに、まだですよと答える。
「あの最弱魔女が覚醒するまでは、そして花梨の研究が完成するまでは、焦ってはいけませんよ」
微笑みを絶やさずに答える。
「花梨の研究は、成功するんでしょうか?」
アリスは半信半疑と言った感じに、女王に質問する。
「大丈夫よ。花梨は、間違いなく成功させます。あの娘を越える頭脳は、今の科学者にはいないのだから」
綿貫花梨は、年齢こそ二十七歳と若いが頭脳は、ずば抜けている。
だからこそ、闇の女王は彼女に目をつけたのである。
「妖を操る事が可能になれば、それは本当に面白い事になりますね」
かぐやは女王に、さすが女王様ですと褒め称えている。
今まで、妖を操ろうなどと考えた者は一人もいなかった。
ただ弱い者を捕食するだけ、人間でも魔女でも、ただ本能のみで襲い掛かる下衆な生き物。
それが妖だった。
そんな妖を操ろうと考えたのが、闇の女王である。
「妖が人間だけを襲う。私達は、光の魔女と楽しく争う」
光の魔女所謂沙霧達である。
沙霧達が、妖から人間を守りながら自分達とも戦うのでは、彼女達はこちらに集中出来ない。
それを防止する為に、妖を操ろうと考えたのだ。
「所詮妖なんて、使い捨ての駒。人間がいる限り、いくらでも湧いて出て来る存在なんだから」
妖がいつから存在していたのか、ハッキリとした記録はない。
その発生メカニズムも、ハッキリこうだと言われるものはないのだが、闇の女王は妖の発生メカニズムは、人間が重要な役割を果たしていると考えている。
だからこそ人間を絶滅させ、魔女だけの世界を作り上げようと考えているのだ。
「何事も焦らずに時を見定めるのが、大切なのよ」
「わかりました」
光の魔女達の事は気になるが、今は研究待ちである。
戦いたくて、正直うずうずしているがアリス達は、女王に一礼するとそれぞれの部屋に戻っていった。
妖を操る。そんな事が本当に出来るのか?
あたしに、本当にそんな装置を作り出せるのだろうか?
今までの研究とは、全く毛色が違う。
あたしは、ただ死んでしまった親友を生き返らせたかっただけ。
だから彼女のDNAも残している。
クローン技術はあるが、あれは完璧ではない。
今までもクローンで誕生した生物は多くいるが、その全てが短命に終わっている。
短命では意味がない。
そして、赤ん坊からでは意味がない。
あたしを愛してくれた彼女でなくては、意味がないのだ。
生前の記憶を完璧に持った状態で、身体も顔も声も記憶も、全て彼女じゃないと意味がない。
そんな研究に没頭していたから、科学者仲間からも、家族からも忌み嫌われて、気付いた時には一人だった。
正直生活するのにも困る状態で、生活費の為に何度身体を売った事か。
それを考えれば、今の状況は幸せなのだろう。
彼女を甦らせる研究をしつつ、頼まれた研究をする。
衣食住が揃っているのだから、こんなにもありがたい事はない。
あたしの研究が、例え人間を絶滅させるのだとしても、そんな事は関係ない。
人間があんなにも弱い存在でなかったのなら、妖と多少なりとも戦う術を持っていたのなら、彼女は死なずに済んだかもしれない。
あくまでももしかしたらの話だか、たらればの話だが、それでも妖なんて存在しなかったらと思うと、どうしてもやり切れない。
女王は妖は人間がいるから存在している可能性が高いと、人間がいなくなれば妖はいなくなる可能性が高いと話していた。
彼女は、とても頭がいいし、自分なんかでは到底到達出来ない領域にいる。
その女王が言うのだから、きっと間違いない。
花梨は、今でも大切に持っている彼女の写真を見つめながら、待っていてと必ず甦らせるからと呟くと、研究を再開した。
一葉達が、可憐の事件を解決して束の間の安息を楽しんでいる時に、闇の女王達は音もなく人間絶滅計画を進めていた。
能力を奪われた可憐は、大人しい女の子になっていた。
魂が抜けてしまったのか、完全に無気力になり、今は祈に面倒を見てもらいながら、普通の女の子として生活をしている。
やっと祈の愛に気づき、祈をとても大切にしているようだ。
祈は、律儀にも毎日響とかごめに近況を嬉しそうに報告している。
「そっか、あの可憐さんが、でも二人が幸せなら私は嬉しいよ」
まだ傷が完全に癒えてないかごめは、松葉杖を巧みに操りながら、学校に登校している。
もちろん響のサポートがあっての事なのだが、これはこれで悪くないなと、大好きな響を独り占め出来るのだから、怪我の功名ではないが、かごめは本当に幸せだなと思いながらも、毎日自分を求める響に、偶には休息も必要だからねと、毎日嗜めてもいる。
「響さんって、そんなに性欲魔人だったんですね」
「せ、性欲魔人って、私はただかごめが可愛いから……したくなっちゃうだけで」
「ちゃんと避妊してますか? サレン様にも卒業までは駄目って」
「し、してますから! ちゃんと方法を教えて貰ったし!」
人間ならゴムを着けるなどの方法で、避妊出来る。
魔女は女の子同士なので、そんな道具はないのだが、魔力を上手く利用する事で避妊をしている。
「かごめちゃんが、まだ来てないからいいですけど、今からちゃんと避妊するくせつけないと、サレン様が怖いですよ」
響は、もし学生の内にかごめが妊娠してしまい、サレンにバレたらと考えてみる。
待っているのは、きっと地獄だ。
穏やかな微笑みを浮かべながら、響ちゃんどうして約束を守らなかったのかしら? と詰め寄られて、その後は……響が壊れた。
「あ、あががががが」
響が壊れてしまった。
「サレンさんに叱られる姿を想像したんだね。サレンさんは、怒ると怖いって沙霧さん達も言ってたし」
「でも凄く優しいよ。私に罰を与えながら泣いてたから」
可憐に加担した罪で罰を受けた。
恐ろしいまでの恐怖と痛みだったが、自分に罰を与えるサレンは、心で泣いているのがわかった。
サレンと言う女性は、凄く優しい魔女なんだと祈は思った。
だから、非力だけど彼女の力になりたいと思っている。
「あがががががが、ごめんなさい」
「はいはい。響ちゃん、ちゃんと約束守れば大丈夫だよ」
壊れたままの響を綾していると、響どうしたの? と沙霧達が不思議そうに響を見ている。
祈が事情を説明する。
「そう言う事か、確かにサレンは怖いからな。ベッドでは優しいけど」
「し・ず・く!!!」
隣から静かな怒りを感じて、雫が恐る恐る振り返ると、優しい微笑みを讃えながら、サレンがどうしてそう口が軽いのかしら? お仕置きが必要ねとサレンの両腕には、魔力の塊が出来上がっている。
「さ、サレンさん? 軽い冗談ですよ。サレンさんは、最高の従姉妹で最愛のお人ですよ」
「離れてた方がいいわね」
そう言うと沙霧が響を一葉と祈がかごめを非難させた瞬間。
無音のまま雫にサレンの攻撃が炸裂して、雫は廊下の端まで吹き飛ばされて、悶絶していた。
「さ、サレンさんって、もしかして最強なんでは」
一葉の言葉に沙霧が、怒らせたら私でも怖いわと、冗談抜きでサレンとは戦いたくないわねと、防御魔法をゆっくりと解く。
「サレンって、幼い頃から強かったからね。私も修行中に何度もサレンには、コテンパンにやられた記憶あるし」
「さ、沙霧様がですか?」
祈は驚きの表情で、沙霧様が負けるなんてあるんですか? と聞いて来たので沙霧はその話なら、放課後家で話してあげるから、可憐も誘って遊びに来なさいと、祈の頭を撫でている。
「あ、あの助けて……」
サレンの一撃で悶絶している雫の助けての一言は、虚しく空を切るばかりであった。
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