23 / 26
地下室の幽霊さんがアドバイスをくれる
しおりを挟む
もう何日経ったのか?
昼夜の感覚がわからない地下室での生活で、沙霧と雫の二人は時間の間隔が既に無くなっていた。
彼女達がするべき事はただ一つ。
自らの魔力を高めて、葉月からの試練を乗り越える事。
自分達で、それを望んだのだから弱音を吐く訳にはいかなかった。
少しずつだが、ホログラムとも戦える様にはなって来た。
だがまだまだ勝利する事は出来ない。
いつも最後にはボロボロになって、気を失って終了である。
そんは自分達が、本当に情けないが弱音を吐く事はしない。
サレンだって、乗り越えたんだからと、サレンは自分達よりも、もっと過酷な状況を乗り越えたのだからと、沙霧と雫の二人は必死に耐えていた。
サレンが帰って来るまでには、試練を乗り越えて成長していなければならない。
そうじゃないと、一生サレンには会えないし、一生この地下室での生活になってしまう。
そんな事は絶対に嫌だった。
「ねえ、お嬢。此処って何の為にあるのかな? やっぱり修行用? 」
「う~ん? それもあるかもだけど、確か昔は反逆罪とかで、囚われた魔女を幽閉してたって聞いた事あるけど」
「反逆罪って、月波の家に反抗したって事でいいの? 」
「それもあるけど、魔女を裏切って人間と共謀して、魔女を殺そうとしたとか、そう言うのだと思う」
「人間と? あんなに弱い人間と共謀しても意味ないよね? 」
雫の疑問はもっともである。
人間は、魔女には絶対に勝てない。
だから、策を巡らせて魔女に近づき魔女を騙して、魔女をこの世から消してしまおうと考えたのだろう。
当然そんな事が上手くいく訳もなく、人間は殺されて、協力した魔女は幽閉されて一生を地下牢で過ごした。
なら幽霊とかいるのかな? とそんな事を話しながら、二人は体力の回復を図っていた。
時間の間隔がない以上は、いつ戦いが始まるかわからないので、少しでも体力を回復させないとと、まだ幼いのにそこはエリート魔女であった。
「幽霊ならいますよ。何度も視てますし」
とアナスタシアと依子が、食事を運んで来て幽霊ならいますよと、二人を脅す。
「じょ、冗談だよね? 」
雫は真っ青な顔をしている。勝ち気な性格ではあるが、幽霊は苦手な女の子である。
「嘘は吐きませんよ。私も、雫のお母さんであるユエも視てますし」
「お母さんも視たの? 」
急に母親の名前が出てきて、雫は前のめりになってしまう。
最近は全く会えていない。
自分達の事は、ユエにも話してると葉月様からは聞いていた。
母親の反応は心配はしていたが、本人が望んだのならと、頑張りなさいとの事だった。
食事をしながら、沙霧と雫は此処にいると言う幽霊の話しを聞いていた。
此処に現れるのは、反逆罪で幽閉された魔女ではなくて、身体が弱いためにずっと屋敷で過ごして一生を終えた魔女。
沙霧達から何代も前の魔女である。
その魔女の名前は、沙霧と同じでサギリと言う名前の魔女だった。
サギリは、生まれつき身体が弱く自分の魔力をコントロールする事が出来ずに、いつ暴走するかわからないと言う理由で、この地下室での生活を余儀なくされていた。
幼い頃から、地下室での生活。
偶に庭で花を愛でる事を許される。それが彼女にとっての、唯一の楽しみ。
そんなサギリを心配する心優しい魔女もいた。
サギリの従姉妹にあたる女の子。
名前は、ナースと言った。
ナースは、サギリより二つ年上の魔女でこの屋敷のメイドして働く魔女。
ナースだけが、いつもサギリを心配して、サギリに寄り添ってくれた。
サギリがナースに恋心を抱くのは当然だった。
サギリは、どうせ自分は長くないとナースにお願いして、関係を持った。
サギリの綺麗な裸体に、いけないと思いながらもナースは関係を持ってしまった。
そこからは、毎晩の様にサギリから求められて、ナースは遂にサギリの子供を身籠もってしまった。
「ナースは、周りからかなり糾弾されたみたいです。サギリと関係を持ったことも、サギリの子供を身籠もってしまった事も」
そして、ナースはサギリの近くに寄らない事を条件に、子供を産む事を許された。
サギリに最後の挨拶に来た。
「サギリ様。もう此処には来れません。この娘を産む為の条件ですので」
「そう。ナースありがとう。本当に、こんなわたしに優しくしてくれて、子供まで、私は幸せだったわ」
最後に優しくナースにキスをした。
それから、数日後にサギリは亡くなった。
ナースは、サギリとの子供を産むと、子供にいつもサギリとの思い出を話していたらしい。
「悲しいね。好きな人と居られないなんて」
「うん。私は、そんなのは嫌だな」
二人は、サレンと会えなくなるのは嫌だと頑張るからと、アナスタシア達に決意を話す。
「そうですね。因みに、サギリとナースの子供は、沙霧様のご先祖様ですよ」
「そうなの?! 」
「ええ、サギリはこの月波家の本家の娘ですから」
知らなかった。自分のご先祖様にそんな過去があったなんて、沙霧は此処にいると言うサギリの幽霊と会ってみたいと思った。
ホログラムとの戦いも終盤だ。
もう少し、あと少しで倒せるのにどうしても倒せない。
今日も倒せずに終わり、二人はもう少しなのにと、歯噛みしている。
「タイミングと、間合いが大切よ」
いきなり聴こえて来た声に、二人は誰? と恐る恐る振り返る。
そこには、半透明な綺麗な女性が微笑みを浮かべて立っていた。
「お、お嬢、もしかして」
幽霊が苦手な雫は、恐る恐る沙霧にあれがサギリかな? と確認する。
沙霧は、多分と言うと貴女がサギリさんですか? とその幽霊に問いかける。
私を知ってるの? とその幽霊は少し驚きながらも、貴女は私の子孫かしらと、そして貴女は分家の魔女かしら? と二人に優しく微笑む。
その微笑みに、幽霊が苦手な雫も苦手なのを忘れて、そうですと答えていた。
「そう。ならこの程度の試練は乗り越えないとね。貴女のお友達は乗り越えたものね」
「サレンを知ってるんですか? 」
「ええ、あの娘はとても強かった。自らを追い込んで、乗り越えた。私の存在には気付いていたけど、邪魔はしませんって、暫く此処にいさせてくださいって」
サレンもサギリの存在には気付いていたが、それが生きてる者ではないと、すぐに悟って邪魔はしませんと、見守ってくださいと話していた様だ。
「サレンさんも、そのサギリさんは視えてたんですか? 」
一葉の質問に、サレンはええとでもサギリさんの話しは、今知ったとサレンも知らなかったと教えてくれる。
「話した事なかったっけ? 」
「ないわ。二人がどんな修行をしてたのかも、ハッキリとは知らないですわ」
沙霧と雫の二人は、自分達の情けない姿を知られたくなくて、話してなかったと正直に答えた。
サギリは、間合いが先ず悪いと折角魔力が上がってきてるのに、倒せる程の攻撃を繰り出せているのに、間合いが悪くて致命傷になってないと、そして攻撃を仕掛けるタイミングも悪いと、あれではカウンターを喰らっても仕方ないと、二人に教えてくれた。
「間合いとタイミング」
「全然気付かなかった」
二人は、サギリに指摘されて初めて自分達の攻撃が、相手に致命傷を与えられない理由に気付いた。
「良かったら、練習相手をしましょうか? 」
「いいんですか? 確か身体が弱いって」
「生前の話ですよ。今は幽霊ですから何の問題もありませんよ」
と全力で来てもいいと、幾ら攻撃を受けても既に死んでるので、全く問題はないとサギリは、でも今の二人が自分に攻撃を一撃でも与えられるとは思わないと、沙霧と雫の二人を挑発する。
「お嬢。ここまで言われたら、やらない訳にはいかないよね」
「勿論よ」
二人の魂に火がついた。
いつでもどうぞと、余裕綽々のサギリに二人は全力で立ち向かった。
「えっと、どうなったの? 」
「わ、わからない」
全力で攻撃を仕掛けたのに、サギリの手が光ったかと思った瞬間に、二人は吹き飛ばされて意識を失っていた。
目が覚めても、何が起きたのか全く理解出来ない。
「言った通りになりましたね。今の貴女達では、ホログラムは相手に出来ても、魔女を相手にしたら死にますよ」
何も言い返せなかった。
悔しいけど、実際サギリの攻撃を見る事すら出来なかった。
何が起きたのかも理解出来ていない。
そんな自分達では、ホログラムは相手に出来ても葉月達との実戦では、一瞬で勝敗が決してしまう。
「強くなりたいですか? サレンに会いたいですか? 彼女は目的を達成して、今は捨てられた魔女達と生活をしてますよ」
幽霊だからなのか、サレンの近況も理解してしているようだ。
「サレンは、そんなに経たずに捨てられた魔女達と、この屋敷に帰って来ます。それまでに強くなりたいですか? 」
二人は何とか起き上がると、強くなりたいですと、サレンに会いたいですとサギリに力強く答える。
「なら私が鍛えてあげます。厳しいですよ。耐えられますか? 」
「耐えます! 」
「私も耐えて、サレンに会いたいです! 」
二人が力強く答える。
サギリは「宜しいですか? 」といつの間にか、その場にいた葉月達三人に確認を取る。
「宜しくお願いします。情けない子孫ですが、鍛えてあげてください」
葉月が頭を下げる。
「サレンを見守ってくださりありがとうございました」
依子とアナスタシアも頭を下げる。
サギリは、二人に向き直ると明日からは厳しい修行ですから、覚悟してくださいねと言うと笑顔で二人を抱きしめた。
実体がないけど、二人はサギリの優しさと温かさを強く感じる事が出来た。
昼夜の感覚がわからない地下室での生活で、沙霧と雫の二人は時間の間隔が既に無くなっていた。
彼女達がするべき事はただ一つ。
自らの魔力を高めて、葉月からの試練を乗り越える事。
自分達で、それを望んだのだから弱音を吐く訳にはいかなかった。
少しずつだが、ホログラムとも戦える様にはなって来た。
だがまだまだ勝利する事は出来ない。
いつも最後にはボロボロになって、気を失って終了である。
そんは自分達が、本当に情けないが弱音を吐く事はしない。
サレンだって、乗り越えたんだからと、サレンは自分達よりも、もっと過酷な状況を乗り越えたのだからと、沙霧と雫の二人は必死に耐えていた。
サレンが帰って来るまでには、試練を乗り越えて成長していなければならない。
そうじゃないと、一生サレンには会えないし、一生この地下室での生活になってしまう。
そんな事は絶対に嫌だった。
「ねえ、お嬢。此処って何の為にあるのかな? やっぱり修行用? 」
「う~ん? それもあるかもだけど、確か昔は反逆罪とかで、囚われた魔女を幽閉してたって聞いた事あるけど」
「反逆罪って、月波の家に反抗したって事でいいの? 」
「それもあるけど、魔女を裏切って人間と共謀して、魔女を殺そうとしたとか、そう言うのだと思う」
「人間と? あんなに弱い人間と共謀しても意味ないよね? 」
雫の疑問はもっともである。
人間は、魔女には絶対に勝てない。
だから、策を巡らせて魔女に近づき魔女を騙して、魔女をこの世から消してしまおうと考えたのだろう。
当然そんな事が上手くいく訳もなく、人間は殺されて、協力した魔女は幽閉されて一生を地下牢で過ごした。
なら幽霊とかいるのかな? とそんな事を話しながら、二人は体力の回復を図っていた。
時間の間隔がない以上は、いつ戦いが始まるかわからないので、少しでも体力を回復させないとと、まだ幼いのにそこはエリート魔女であった。
「幽霊ならいますよ。何度も視てますし」
とアナスタシアと依子が、食事を運んで来て幽霊ならいますよと、二人を脅す。
「じょ、冗談だよね? 」
雫は真っ青な顔をしている。勝ち気な性格ではあるが、幽霊は苦手な女の子である。
「嘘は吐きませんよ。私も、雫のお母さんであるユエも視てますし」
「お母さんも視たの? 」
急に母親の名前が出てきて、雫は前のめりになってしまう。
最近は全く会えていない。
自分達の事は、ユエにも話してると葉月様からは聞いていた。
母親の反応は心配はしていたが、本人が望んだのならと、頑張りなさいとの事だった。
食事をしながら、沙霧と雫は此処にいると言う幽霊の話しを聞いていた。
此処に現れるのは、反逆罪で幽閉された魔女ではなくて、身体が弱いためにずっと屋敷で過ごして一生を終えた魔女。
沙霧達から何代も前の魔女である。
その魔女の名前は、沙霧と同じでサギリと言う名前の魔女だった。
サギリは、生まれつき身体が弱く自分の魔力をコントロールする事が出来ずに、いつ暴走するかわからないと言う理由で、この地下室での生活を余儀なくされていた。
幼い頃から、地下室での生活。
偶に庭で花を愛でる事を許される。それが彼女にとっての、唯一の楽しみ。
そんなサギリを心配する心優しい魔女もいた。
サギリの従姉妹にあたる女の子。
名前は、ナースと言った。
ナースは、サギリより二つ年上の魔女でこの屋敷のメイドして働く魔女。
ナースだけが、いつもサギリを心配して、サギリに寄り添ってくれた。
サギリがナースに恋心を抱くのは当然だった。
サギリは、どうせ自分は長くないとナースにお願いして、関係を持った。
サギリの綺麗な裸体に、いけないと思いながらもナースは関係を持ってしまった。
そこからは、毎晩の様にサギリから求められて、ナースは遂にサギリの子供を身籠もってしまった。
「ナースは、周りからかなり糾弾されたみたいです。サギリと関係を持ったことも、サギリの子供を身籠もってしまった事も」
そして、ナースはサギリの近くに寄らない事を条件に、子供を産む事を許された。
サギリに最後の挨拶に来た。
「サギリ様。もう此処には来れません。この娘を産む為の条件ですので」
「そう。ナースありがとう。本当に、こんなわたしに優しくしてくれて、子供まで、私は幸せだったわ」
最後に優しくナースにキスをした。
それから、数日後にサギリは亡くなった。
ナースは、サギリとの子供を産むと、子供にいつもサギリとの思い出を話していたらしい。
「悲しいね。好きな人と居られないなんて」
「うん。私は、そんなのは嫌だな」
二人は、サレンと会えなくなるのは嫌だと頑張るからと、アナスタシア達に決意を話す。
「そうですね。因みに、サギリとナースの子供は、沙霧様のご先祖様ですよ」
「そうなの?! 」
「ええ、サギリはこの月波家の本家の娘ですから」
知らなかった。自分のご先祖様にそんな過去があったなんて、沙霧は此処にいると言うサギリの幽霊と会ってみたいと思った。
ホログラムとの戦いも終盤だ。
もう少し、あと少しで倒せるのにどうしても倒せない。
今日も倒せずに終わり、二人はもう少しなのにと、歯噛みしている。
「タイミングと、間合いが大切よ」
いきなり聴こえて来た声に、二人は誰? と恐る恐る振り返る。
そこには、半透明な綺麗な女性が微笑みを浮かべて立っていた。
「お、お嬢、もしかして」
幽霊が苦手な雫は、恐る恐る沙霧にあれがサギリかな? と確認する。
沙霧は、多分と言うと貴女がサギリさんですか? とその幽霊に問いかける。
私を知ってるの? とその幽霊は少し驚きながらも、貴女は私の子孫かしらと、そして貴女は分家の魔女かしら? と二人に優しく微笑む。
その微笑みに、幽霊が苦手な雫も苦手なのを忘れて、そうですと答えていた。
「そう。ならこの程度の試練は乗り越えないとね。貴女のお友達は乗り越えたものね」
「サレンを知ってるんですか? 」
「ええ、あの娘はとても強かった。自らを追い込んで、乗り越えた。私の存在には気付いていたけど、邪魔はしませんって、暫く此処にいさせてくださいって」
サレンもサギリの存在には気付いていたが、それが生きてる者ではないと、すぐに悟って邪魔はしませんと、見守ってくださいと話していた様だ。
「サレンさんも、そのサギリさんは視えてたんですか? 」
一葉の質問に、サレンはええとでもサギリさんの話しは、今知ったとサレンも知らなかったと教えてくれる。
「話した事なかったっけ? 」
「ないわ。二人がどんな修行をしてたのかも、ハッキリとは知らないですわ」
沙霧と雫の二人は、自分達の情けない姿を知られたくなくて、話してなかったと正直に答えた。
サギリは、間合いが先ず悪いと折角魔力が上がってきてるのに、倒せる程の攻撃を繰り出せているのに、間合いが悪くて致命傷になってないと、そして攻撃を仕掛けるタイミングも悪いと、あれではカウンターを喰らっても仕方ないと、二人に教えてくれた。
「間合いとタイミング」
「全然気付かなかった」
二人は、サギリに指摘されて初めて自分達の攻撃が、相手に致命傷を与えられない理由に気付いた。
「良かったら、練習相手をしましょうか? 」
「いいんですか? 確か身体が弱いって」
「生前の話ですよ。今は幽霊ですから何の問題もありませんよ」
と全力で来てもいいと、幾ら攻撃を受けても既に死んでるので、全く問題はないとサギリは、でも今の二人が自分に攻撃を一撃でも与えられるとは思わないと、沙霧と雫の二人を挑発する。
「お嬢。ここまで言われたら、やらない訳にはいかないよね」
「勿論よ」
二人の魂に火がついた。
いつでもどうぞと、余裕綽々のサギリに二人は全力で立ち向かった。
「えっと、どうなったの? 」
「わ、わからない」
全力で攻撃を仕掛けたのに、サギリの手が光ったかと思った瞬間に、二人は吹き飛ばされて意識を失っていた。
目が覚めても、何が起きたのか全く理解出来ない。
「言った通りになりましたね。今の貴女達では、ホログラムは相手に出来ても、魔女を相手にしたら死にますよ」
何も言い返せなかった。
悔しいけど、実際サギリの攻撃を見る事すら出来なかった。
何が起きたのかも理解出来ていない。
そんな自分達では、ホログラムは相手に出来ても葉月達との実戦では、一瞬で勝敗が決してしまう。
「強くなりたいですか? サレンに会いたいですか? 彼女は目的を達成して、今は捨てられた魔女達と生活をしてますよ」
幽霊だからなのか、サレンの近況も理解してしているようだ。
「サレンは、そんなに経たずに捨てられた魔女達と、この屋敷に帰って来ます。それまでに強くなりたいですか? 」
二人は何とか起き上がると、強くなりたいですと、サレンに会いたいですとサギリに力強く答える。
「なら私が鍛えてあげます。厳しいですよ。耐えられますか? 」
「耐えます! 」
「私も耐えて、サレンに会いたいです! 」
二人が力強く答える。
サギリは「宜しいですか? 」といつの間にか、その場にいた葉月達三人に確認を取る。
「宜しくお願いします。情けない子孫ですが、鍛えてあげてください」
葉月が頭を下げる。
「サレンを見守ってくださりありがとうございました」
依子とアナスタシアも頭を下げる。
サギリは、二人に向き直ると明日からは厳しい修行ですから、覚悟してくださいねと言うと笑顔で二人を抱きしめた。
実体がないけど、二人はサギリの優しさと温かさを強く感じる事が出来た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
痩せたがりの姫言(ひめごと)
エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。
姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。
だから「姫言」と書いてひめごと。
別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。
語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる