憎しみは消えない 永遠に

モア

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第一物語

カナハちゃん

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 それは、高校2年の夏…。

 「今度みんなで肝試しに行かない?」

 僕、二階堂唯は高校2年生にもなって勉強よりもゲームを優先してしまうゲームオタクだ。

 そんな僕に友だちの一真(かずま)は暑い夏にぴったりということで体をひんやりさせようと何人かの同じクラスのやつを誘って肝試しに行こうと提案した。

 「じゃあ、明日の夜 ⚪︎⚪︎⚪︎廃ホテルへ続く神社で待ち合わせな?」

 この一真の一言でみんなやる気になり、おー!と意気込んだ。

 (何が楽しいのだろうか)

 僕にはゲームの方が向いてる。
 そう思っていた。

 「みんな集まったかー?」

 あれから、予定が被って行けなくなる者もいて結局行けたのは僕と一真合わせて7人だった。

 「唯くんっ♡ミオ怖いから一緒に行こう?」

 この子は、町田ミオ。何故か、僕に好意を持っている。てかそれが丸わかり…。

 でも、正直僕はタイプではない

 「行くぞっ!」

 この廃ホテルは数年前にオーナーが行方不明になりそれ以降潰れてしまって今は使われなくなったのだそうだ。近所の住民は『人影を見た』だとか…

 僕自身、幽霊の存在を信じていないわけではない。

 何故なら、歩いて20分ほど経過して今僕とクラスのもう1人の女子 原桃夏(ももか)しかその場所にいなかったからだ。
 
 いつの間にやら、隣に歩いていたミオもいない。

 「みんなどこに行ってしまったのかな?」

 不思議に僕に尋ねてくる桃夏。でもその顔はニコニコと微笑んでいるようにも見えた。

 「さぁ?怖くなって外に出たとか?」

 僕は適当に誤魔化したが、桃夏は

 「今日ね、友だちを呼んでいるの」

 グイッと僕の手を引っ張り歩き出す。
 
 1階…2階…3階と。

 「その子どこにいるの?」

 「こっちだよ?」

 やがて、客室が見えたその番号は291号室。

 「あっ!カナハちゃん」

 カナハちゃん!

 そう呼ばれて奥から出てきた彼女の姿に僕は驚いた。
 
 手足は傷だらけで、目まで血が溢れ出していた。
 
 「大丈夫?怪我したの?」

 恐る恐る聞いてみた。
 
 「ありがとう、あなたは優しいのね」

 「幽霊の私を気にかけてくれるなんて」

 よろしくね!と挨拶を交わす。

 そこには、不思議と怖さなんて無く桃夏を見ると安心したような柔らかい表情に変わっていた。

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