憎しみは消えない 永遠に

モア

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第一物語

お願い聞いてくれる?

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 「ねえ、唯だったわね」

 セーラー服を着たカナハちゃんが言った。
 
 「私の復讐を手伝ってくれない?」

 聞けば、カナハちゃんが幽霊になってしまった原因がいじめを受けたかららしい。

 カナハちゃんは、有名なマンモス高校に通っていたけどそこでは先生の目の届かないところで悪質な暴力やいじめが頻発に起きていたそうだ。カナハちゃんの学年はその中でも問題児が多かったらしく女子からはパシリ扱いにされてしまい終いには盗んでくるように命じられたり物を取られたり…。一方男子からは顔に物を投げつけられたり、水をかけられたりと…。家にまで押しかけて石を投げたり家族のことを馬鹿にされたりと被害が広がっていってしまったらしい。

 許せなかった。ちょうどカナハちゃんが亡くなってから1年経つらしい。復讐したいと思うようになり成仏できずそして幽霊でありながら呪いを行うサイト『カナハが行くよ?』を思いついたらしい。

 「カナハ、辛かったんだな。僕力になりたい」

 久しぶりにお腹から声に出して叫んだ。

 「唯くんなら、そう言ってくれると思った」
 
 『カナハをよろしくね?』と桃夏は応えた。

 「私の高校△△△の2年B組のいじめの中心人物。1人目秋坂シンリ。2人目華唐マノそして高坂沙奈」

 「この3人を呪う」

 こうして、僕とカナハそして助っ人として桃夏の3人は作戦を練ることになった。

 実は、カナハの呪いのサイトのしくみは他人が呪いたい人をボイスメッセージで名前を言って送れば届いた情報を頼りにカナハが代行して呪いを行うらしいが…。
 カナハ自身の呪いたい相手は、そのしくみが効果ないらしく自分じゃない第三者の力を借りないとそれは行えないらしい。

 何と複雑な構造なのだろうか。

 しかも、カナハの姿は僕たち以外には見えないらしく…。

 帰り際にて。

 「あぁー!お前らどこに行っていた?!」

 プンプンしながら一真は言った。

 「ごめんね、一真くん。道に迷っていて」

 大人しくクラスでも人気のある桃夏が謝る姿を見せると
 
 「大丈夫だったか?」
 
 デレデレになりながら、先程の威勢はどこへ?バカバカしい。

 この時この様子を見ていたカナハは

 「やっぱり人間は嫌いだ」

 そう小さく呟いた。

 そんなカナハを見て僕は「そうだね」とうなづいた。

 
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