60年生きてきて、何があったかというと何もない。

人見 犬々(ケンケン)

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金沢は LONDON か?!

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 仕事で金沢に1年ほど滞在したことがある。
 JR金沢駅に降り立った。鼓門(2005年)が建設されるよりも何年も前の話だ。空はどピーカン。雲ひとつない青空が迎えてくれた。
 いきなり、他の街にはない違和感を感じた。
 女性が綺麗だ。荷物を持っていないから、観光客ではない。肌が白い。華やかさを纏っている。少しだけ派手だ。大阪のギラついたものでもなく、神戸のツンとしたものでもない。そして何故か傘を持っている。日傘ではなく、よくあるコンビニの透明なビニール傘だ。
 青色が急変し、灰色に変わった。急いで会社が契約してくれた1Rマンションへ向かった。着くか着かないかくらいに雨が降ってきた。だから皆、傘持ってたんだ・・・
 翌日、仕事場に初出勤。また違和感を感じる。傘立てが満杯。置き傘をする習慣があるのか?と思った。無事、初日を終え、帰宅。とりあえずシャワーを浴びるため、お風呂場に。驚く。お風呂場の床がビシャビシャだ。誰かがシャワーを勝手に使ったのか?その日はチェーンロックをしっかり施し、就寝。
 2日目。朝から雨。ずーっと雨。帰宅。シャワー。お風呂場の床はビシャビシャ。チェーンロック。
 3日目。晴。歓迎会にお呼ばれされた。郷土料理の川魚「ゴリ」を食せと勧められる。美味しくない。岡山の郷土料理の魚「ママカリ」と同じくらい美味しくない。食事も不味くはないが美味くもない。味付けが東京でもなく、大阪でもない。お魚のお刺身だけは滅茶苦茶美味い。散会。雨。コンビニで透明なビニール傘を買い帰宅。シャワー。お風呂場の床はビシャビシャ。チェーンロック。
 4日目。朝、雨。昼、曇り。帰宅時、雨。シャワー。お風呂場の床はビシャビシャ。チェーンロック。
 5日目。朝、雨。昼、曇り。帰宅時、雨。シャワー。お風呂場の床はビシャビシャ。チェーンロック。

やっと気付く。いろいろなことに気付く。天候がコロコロ、コロコロ変わる。だから皆、傘を持ち歩く。置き傘ではない。その日に持参した傘だ。梅雨でもないのに晴れた日が極端に少ない。女性の肌が白い。湿気が高い。お風呂場の床が乾かない。女性の肌が潤ってる。綺麗だ。

金沢は、London か?

会社で新聞を見る。地元紙の北陸新聞、お決まりの日経新聞と日経産業新聞。そして、中日新聞!
少しだけ派手な女性。微妙な味付け。名古屋圏だ!

金沢は、小さな名古屋だった!
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