最上恋愛

ヒャク

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第50話「ユキの求めた朝」

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隣でやっと眠りについた智幸の頭を撫でてから、晴也は枕元にある携帯電話に手を伸ばした。

「、、、」

時刻は0時を回っている。
電気を消した室内に、ポッと携帯電話の明かりが灯った。
画面を見上げながらパタタッと連絡アプリで家族へメッセージを送り、それが終わるとまた携帯電話を枕元に置いて、自分の方を向いて寝ている智幸の左腕を持ち上げた。

「よいしょ」

智幸に背中を押し付けて左腕を引き寄せ、後ろから自分を抱き締めさせるとしばらくもぞもぞと馴染む位置を探す。

「ん、、ハル、、ハル」
「んー、、?」

寝惚けた智幸が無理矢理に抱き締めさせられていた晴也の身体をぎゅう、と包み込む。
寝ながらもスン、と首筋の匂いを嗅いで、そのまま顔を埋めてもにもにと肌をついばんでいる。

「ふぁ、、ん」

晴也は智幸の体温にホッとすると、欠伸を1つしてから目を閉じた。





カーテンから差し込む日差しに表情を歪めて、低く唸って智幸は目を覚ました。

「、、、」

ここ2日、やたらと深く寝ているせいか夢を見ない。
起きて最初に目に飛び込んできた晴也の美しい寝顔に、智幸はトクン、トクン、と胸が高鳴っていくのを感じた。

(嬉しい、、ハルがこんなにそばにいる)

求め続けた朝だった。

「ん、」

身体を起こしながら2人でくるまっていたタオルケットを剥ぎ取り、グッと腕を伸ばして伸びをする。
大きく欠伸をすると、寝癖のついた髪をバサバサと触った。

(ハル、起きないな)

枕元の携帯電話のボタンを押すと、午前5時50分と表示された。

(6時に起きるって言ってたか)

もう一度大きく欠伸をして、未だに深く眠りについている隣の恋人を見下ろす。
淡い色の髪がふわふわしていて気持ちよさそうで、カーテン越しの太陽の光でツヤツヤと光っている。

「、、、おっぱい」

ボソ、と誰にも聞こえない声が漏れた。

「ハル、おっぱい」

ユサユサと軽く晴也の肩を揺すったが、うんともすんとも言わずに彼は眠り続けている。
昨日疲れさせたのは智幸だ。
だがそんなもの忘れ、とにかく今はどうしても晴也の乳首が吸いたかった。

(乳首どこ、、仰向けにしたら起きるか)

こちらを向いて寝ている晴也の右の肩をグン、と押して、智幸は無理矢理彼を仰向けに寝かせた。
居心地が悪そうに晴也の眉間に皺が寄り、タオルケットが倒れた身体に巻き込まれてズルズルと移動していく。

「、、、」

容赦なく上半身からタオルケットを剥ぎ取ると、彼が着ているTシャツの裾に手をかけて上へ上へと捲り上げる。
浅いへそが見え、6つに割れた腹が覗き、ぷっくりした乳首と、大きめの乳輪が智幸の目の前に現れた。

「ハル」

右の乳首に手を這わせて、智幸は左のピンと立った乳首をべろぉ、と舌で下から舐め上げて、そのままちゅぷ、と口に入れる。

「ぅンッ、、」

一瞬、ビクッと晴也の身体が震えた。

「ハル、、好き、ハル」

ぬるぬると舌で乳首を堪能しながらもう片方を指の腹でかするように触り、んっんっと小さく声を漏らす晴也に笑みが溢れる。
彼の身体に覆い被さって見下ろしながら、智幸は股間に熱が集まって来るのを感じた。

「ハル、、ん、」
「んっ、、んっふ、んっ」

感じてはいるものの、やはり寝ているだけあって反応は薄い。

「んんっ、、んぁ、な、んだ?ん?ユキ、どこ、何してんの」

目覚ましのタイマーが鳴るまであと5分。
晴也は思っていたよりも早く目覚め、タイマーが鳴っていない事に疑問を感じながら胸に感じる違和感に身体を震わせて、左手で智幸のボサボサな頭に触れた。

「ハル」

ちゅっちゅっと乳首にキスをされ、また吸い付かれる。

「んぁっ、、ん、おはよ、ユキ?っん、吸いたくなったの?ん、んっ」
「おはよ、ごめん、、我慢出来なかった、やめる」

晴也がしっかりと目覚めると、ちょうど良くタイマーが鳴り響いた。
その音を聞いて智幸が彼の胸元から顔を上げる。
そのままの体勢で頭の上に手を伸ばし、ビビビビッとうるさく鳴る携帯電話のボタンを押し、タッチパネルに触れて音を止めると、晴也は呆れたように、そしてまだ眠そうに智幸へと手を伸ばし、グイと頭を引き寄せた。

「まだ吸ってていいよ」

頭を撫でられると、智幸までとろんとした顔になった。

「、、起きないの?」
「んー、あと5分」
「ん」

再び目を閉じる晴也を見つめてから、かぷ、と乳輪を甘噛みする。
まどろみながら乳首をいじられるとよく分からないが気持ちが良く、晴也は智幸の頭を撫でて髪の匂いを嗅ぎながら刺激に応えるように漏れる声を素直にこぼしていった。

「ん、あ、、ん、ぁん、ん」

前戯をするように刺激している訳ではない。
吸いたいだけだった智幸は、赤ん坊のようにちゅうちゅうとそこに吸い付いて、たまにべろりと舐めている。

「ユキ、、ん、んふ、、んあ、ん、ん」

左手は寂しい為に空いている晴也の右の乳首を触り、下から胸を揉んで必死に彼の肌を触り続けた。

「ん、、ふ、ぅ、、」

それが5分程続いて、智幸が乳首に吸い付きながら自分の携帯の画面を見て時間を確認すると、ようやく終わりになった。

「ハル、5分経った」
「んん、、起きるか。ユキまだ寝てたら?」
「ハルと飯食う。見送りもする」
「よく出来た彼氏さんだこと」

2人してのそのそとベッドから降りると1階へ降りていく。
晴也は部活へ、智幸は原田との決着を着けに。
午後になったらまた会えるから、と晴也は準備を終えると智幸の頬を撫で、キスをして家を出た。
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