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希望の虹を信じて~未来side
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何となくカーテンから覗く空を見てみると、どんよりと重たくて今にも泣き出しそうな天気だ。折りたたみ傘、持ってきて良かった。
「なあ、未来、これはどの公式を使うんだ?」また大翔が私に声をかける。30秒毎にかけられてると思ってしまう程にしつこい。
「これ、さっきも説明したよね?」私は不機嫌そうに問う。
「んー、未来が可愛すぎて忘れたかな。」と楽しそうに笑う。
「もう、ふざけた事言ってないで速く解くよ。」正直焦った。一瞬大翔の無邪気な笑顔にドキッとしてしまった。こんなことはいつ以来だろうか。きっと小学校4年生の…
「おーい?未来?」大翔に声を掛けられてハッとする。またマイナス思考になる所だった…。
「未来何考えてたの?」瞬が顔を覗き込んでくる。
「え、えっと、な、何でもないよ。」私はゴニョゴニョと言い訳をするように言った。すると手を掴まれる。
「未来ちょっと来て?」瞬に隣の部屋に連れていかれる。引き戸式のドアで落ち着いた雰囲気の和室だ。私は窓際に座る。
「何があったの?ちゃんと教えて。」瞬の真剣な眼差しに思わず目を逸らす。
「だから、何でもないよ。」今度は噛まないように慎重に話す。
「何でもなくないでしょ? ちゃんと目を見て話して。」瞬がグイっと私の頭を真正面に向ける。そのまま手を離さないから逸らせなくなってしまった。
「で、何考えてたの?」瞬の瞳を見ると嘘を付けないような気がしてしまう。
「だ、だから何でもない。」私は意地を張るようにその一点張り。
「早く言わないとキスしちゃうよ?」そう言って瞬はどんどん顔を近づけて来る。
「ちょっと待って!言う!言うから!」思わず大きな声になってそう叫ぶ。あと3cm進んでいたら唇が触れていただろう。
「うん、言って?」また瞬は真剣な瞳で私を見つめる。カアッと赤くなる顔をおさえながらその瞳に、
「分かった。」と真っ直ぐ答える。
あれは小学校4年生の頃のこと――……
その頃の私は明るくて元気でクラスの中心の太陽のような存在だった。今とは違って勉強は苦手で体育の成績は抜群。毎日多くの友達に囲まれて、笑顔いっぱいで――…
でもそんな幸せな生活を一変させる原因になったのは私の初恋。まだ幼なかったが、やはりクラスの王子的存在の子はいて女子の大半がその子に憧れている。私もその中のひとりで、毎日憧れの君に少しでも好かれようと必死で…。そんなある雨の日、彼が私に
「ずっと前から好きだった」とクラス全員の前で私に告白したの。私は何の疑いもない笑顔で
「私も!!」って答えた。その時はしとしとと息苦しい雨でさえも1粒1粒が光り輝いた宝石のように見えた。人は不思議で言葉一つでその場が天国に変わる。でも次の瞬間、突然雷が落ちる。
「アハハ、こいつ本当に信じたぞ!」え…?その声の主は初恋の彼だった。そしてそれに続くようにクラスの皆んなが、汚物を見るような目で私を見て笑いだす。人は不思議で言葉一つでその場が地獄に変わる。私は他人に迷惑をかけたのだろうか? そう一瞬で雷雨に変わってしまった空をあおっても何も答えないのは当たり前で、私の元には味方など1人もいなかった。その後もイジメにあたる心への攻撃は小学校高学年になっても続き、その頃にはもう勉強に明け暮れて中学受験に向かって突き進んでいた。やっとイジメが終わったのは小学校6年生の頃だろうか。やっと攻撃から逃れられた私は、クラスの端っこで根暗な性格に。やっと晴れた空にも何の感情も抱けなかった。
「そんなことがあったんだな。1人で全部抱え込まなくて良いのに」そう今までで1番優しい顔で慰める瞬に少し信頼感が芽生えたのは気のせいか。
少し隙間の空いた襖からは綺麗な七色の希望を乗せた虹がかかっていた。私はその時、少しでもこの虹を信じてみようと思った。
「なあ、未来、これはどの公式を使うんだ?」また大翔が私に声をかける。30秒毎にかけられてると思ってしまう程にしつこい。
「これ、さっきも説明したよね?」私は不機嫌そうに問う。
「んー、未来が可愛すぎて忘れたかな。」と楽しそうに笑う。
「もう、ふざけた事言ってないで速く解くよ。」正直焦った。一瞬大翔の無邪気な笑顔にドキッとしてしまった。こんなことはいつ以来だろうか。きっと小学校4年生の…
「おーい?未来?」大翔に声を掛けられてハッとする。またマイナス思考になる所だった…。
「未来何考えてたの?」瞬が顔を覗き込んでくる。
「え、えっと、な、何でもないよ。」私はゴニョゴニョと言い訳をするように言った。すると手を掴まれる。
「未来ちょっと来て?」瞬に隣の部屋に連れていかれる。引き戸式のドアで落ち着いた雰囲気の和室だ。私は窓際に座る。
「何があったの?ちゃんと教えて。」瞬の真剣な眼差しに思わず目を逸らす。
「だから、何でもないよ。」今度は噛まないように慎重に話す。
「何でもなくないでしょ? ちゃんと目を見て話して。」瞬がグイっと私の頭を真正面に向ける。そのまま手を離さないから逸らせなくなってしまった。
「で、何考えてたの?」瞬の瞳を見ると嘘を付けないような気がしてしまう。
「だ、だから何でもない。」私は意地を張るようにその一点張り。
「早く言わないとキスしちゃうよ?」そう言って瞬はどんどん顔を近づけて来る。
「ちょっと待って!言う!言うから!」思わず大きな声になってそう叫ぶ。あと3cm進んでいたら唇が触れていただろう。
「うん、言って?」また瞬は真剣な瞳で私を見つめる。カアッと赤くなる顔をおさえながらその瞳に、
「分かった。」と真っ直ぐ答える。
あれは小学校4年生の頃のこと――……
その頃の私は明るくて元気でクラスの中心の太陽のような存在だった。今とは違って勉強は苦手で体育の成績は抜群。毎日多くの友達に囲まれて、笑顔いっぱいで――…
でもそんな幸せな生活を一変させる原因になったのは私の初恋。まだ幼なかったが、やはりクラスの王子的存在の子はいて女子の大半がその子に憧れている。私もその中のひとりで、毎日憧れの君に少しでも好かれようと必死で…。そんなある雨の日、彼が私に
「ずっと前から好きだった」とクラス全員の前で私に告白したの。私は何の疑いもない笑顔で
「私も!!」って答えた。その時はしとしとと息苦しい雨でさえも1粒1粒が光り輝いた宝石のように見えた。人は不思議で言葉一つでその場が天国に変わる。でも次の瞬間、突然雷が落ちる。
「アハハ、こいつ本当に信じたぞ!」え…?その声の主は初恋の彼だった。そしてそれに続くようにクラスの皆んなが、汚物を見るような目で私を見て笑いだす。人は不思議で言葉一つでその場が地獄に変わる。私は他人に迷惑をかけたのだろうか? そう一瞬で雷雨に変わってしまった空をあおっても何も答えないのは当たり前で、私の元には味方など1人もいなかった。その後もイジメにあたる心への攻撃は小学校高学年になっても続き、その頃にはもう勉強に明け暮れて中学受験に向かって突き進んでいた。やっとイジメが終わったのは小学校6年生の頃だろうか。やっと攻撃から逃れられた私は、クラスの端っこで根暗な性格に。やっと晴れた空にも何の感情も抱けなかった。
「そんなことがあったんだな。1人で全部抱え込まなくて良いのに」そう今までで1番優しい顔で慰める瞬に少し信頼感が芽生えたのは気のせいか。
少し隙間の空いた襖からは綺麗な七色の希望を乗せた虹がかかっていた。私はその時、少しでもこの虹を信じてみようと思った。
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