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村長が来た
「お前それ完全に自業自得じゃねーか……。しかも何で別れた嫁さんの家が持ってた邸にまた住めると思ったんだ? こんな馬鹿な息子で俺は恥ずかしいよ……」
故郷へ戻ってきた理由をライアスから聞いた彼の両親は怒りから一転、ひどく情けない者を見るような眼を向けた。
どうしてこんな勘違い甚だしく、しかも不倫して妻を裏切るような男に育ってしまったのか。自分達はどこで教育を間違えてしまったのかと思うと悲しくなる。
「仕事も家も失ったから仕方なくここに戻ってきたんだろうけど、この村にいても肩身が狭い思いをするだけだよ。村中にお前とアニーの噂は広まってるし、アニーの家族は村から出ていったからね」
「は? アニーの家族が出ていった? なんでだよ?」
「身内から犯罪者出したのに、何食わぬ顔で暮らせるわけないだろう? 不倫したお前も悪いけど、アニーは正真正銘の犯罪者じゃないか。村の皆だって、お前を殺そうとした女の家族と今までと変わらず付き合うなんて出来やしないよ。いくらお前の不倫が原因と言ってもねえ、さすがに気分が悪いじゃないか」
「あ、いや……アニーは……」
ライアスは両親にアニーは真犯人ではないと伝えようとしたその時、家の扉をけたたましく叩く音が響いた。
「おーい! ライアスが帰ってきたんだって?」
「この声は村長かい? はーい、今開けるよ!」
声の主が村長だと気づいたライアスの母は扉の方へと向かう。
「せっかくの家族の再会に水を差してすまない。軍から俺の方に手紙が届いてな。その内容についてライアスに至急確認してほしい箇所がいくつかあるんだが……ちょっと息子さん借りてってもいいかい?」
「あら、そうなんですか? はいはいどうぞどうぞ、こんな馬鹿息子でよければいくらでもお貸ししますよ。ほら、ライアス、村長さんに失礼のないようにね!」
そう言うなり母親はライアスの背中をグイッと押して扉の外に出した。
その強引さにライアスはややイラっとしたものの、これ以上ここにいても両親に責められるだけだと思いなおす。
「あー……、ライアス、帰ってきたばかりなのにごめんな?」
「いいですよ。ここにいても父さんも母さんも怒鳴るばかりだし」
「ああ、まあ……親父さんたちからすればそうだろうな。まあうん、立ち話もなんだし、続きは俺の家で話そうか。腹減ってないか? 来てもらって悪いから飯くらい出すぞ」
この村長の申し出は正直ありがたかった。
ライアスが入院していた病院からこの村までの道のりは長く、途中で軽食を摘まんだだけなので空腹で仕方ない。
故郷へ戻ってきた理由をライアスから聞いた彼の両親は怒りから一転、ひどく情けない者を見るような眼を向けた。
どうしてこんな勘違い甚だしく、しかも不倫して妻を裏切るような男に育ってしまったのか。自分達はどこで教育を間違えてしまったのかと思うと悲しくなる。
「仕事も家も失ったから仕方なくここに戻ってきたんだろうけど、この村にいても肩身が狭い思いをするだけだよ。村中にお前とアニーの噂は広まってるし、アニーの家族は村から出ていったからね」
「は? アニーの家族が出ていった? なんでだよ?」
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「あ、いや……アニーは……」
ライアスは両親にアニーは真犯人ではないと伝えようとしたその時、家の扉をけたたましく叩く音が響いた。
「おーい! ライアスが帰ってきたんだって?」
「この声は村長かい? はーい、今開けるよ!」
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「せっかくの家族の再会に水を差してすまない。軍から俺の方に手紙が届いてな。その内容についてライアスに至急確認してほしい箇所がいくつかあるんだが……ちょっと息子さん借りてってもいいかい?」
「あら、そうなんですか? はいはいどうぞどうぞ、こんな馬鹿息子でよければいくらでもお貸ししますよ。ほら、ライアス、村長さんに失礼のないようにね!」
そう言うなり母親はライアスの背中をグイッと押して扉の外に出した。
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「あー……、ライアス、帰ってきたばかりなのにごめんな?」
「いいですよ。ここにいても父さんも母さんも怒鳴るばかりだし」
「ああ、まあ……親父さんたちからすればそうだろうな。まあうん、立ち話もなんだし、続きは俺の家で話そうか。腹減ってないか? 来てもらって悪いから飯くらい出すぞ」
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