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喜ぶ娘と後悔する母
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「ガーネット侯爵夫人…このたびは、貴重なお時間を頂戴し、娘のご指導をいただけること……まことに光栄に存じます」
オニキス子爵夫人の声はかすかに震え、挨拶の言葉だけで今にも喉につかえそうだ。
改めて対峙してみて思う。自分がどれだけこの少女を恐れているかを。
「ええ……遠路、よくいらしてくださいましたわ」
その声は静かで柔らかいがどこか冷ややかで、空気が一瞬凍る。
今にも逃げ出したくなるような恐怖を、必死に抑えながら、オニキス子爵夫人はキャサリンに挨拶するよう促した。
「キャサリンです。貴女の後釜としてエリオットを一生懸命支えますので、どうか安心してね」
礼儀も言葉遣いも欠けているどころか、まるで挑発するかのような最悪の挨拶。
オニキス子爵夫人はその無礼さに眩暈を覚え膝が震えた。
「……ッ! キャサリン! これからお前をご指導くださる夫人相手になんて口を利くの!!」
「え? え? どうして怒るの、お母様?」
オニキス子爵夫人は顔をこわばらせ、娘の腕を引き寄せて低く叱責する。
しかしキャサリンはどうして怒られたのかをまるで理解していない。
今更ながら育て方を間違ったと痛感する夫人の顔から血の気が引く。恐る恐る前を向くと、微笑を崩さないセシリアの美しい顔が目の前にあり、思わず悲鳴をあげそうになった。
「まあ……まるで幼児ですね。言葉というものは、真実であっても、場と相手とを弁えて選ぶものですよ。とりわけ、これから侯爵家の夫人になるのでしたら、なおさら」
その声音はやわらかいが、どこか恐ろしさがあった。
オニキス子爵夫人は娘の背を押して深く頭を下げさせ、自らも膝を折らんばかりに礼をとった。
「申し訳ございません……! なにとぞ……なにとぞご容赦を! 娘は未熟でございまして……」
「既にデビュタントも済ませている年齢の娘にその理由は許されなくてよ。可愛いからって甘やかすのは本人のためになりません。改めて思ったけど、このままじゃとても侯爵家の夫人なんて務まらないわ。未熟な娘がわたっていけるほど社交界は甘くありませんよ」
娘ほどの年の少女に指摘され、オニキス子爵夫人は恥ずかしさに頬を染めた。
遅くに生まれた娘だったこともあり、つい甘く接してしまった結果が、今こうして現れている。
目の前の堂々とした少女の姿を見れば見るほど、キャサリンが侯爵家の女主人としてやっていけるとは到底思えなかった。
「……おっしゃる通りです。娘には、侯爵家の夫人を務められるほどの器量はございません。大変ご迷惑をおかけしたにもかかわらず恐縮ですが、このお話はなかったことにしていただけないでしょうか……」
今ならまだ引き返せる。むしろ今しかないとばかりに、オニキス子爵夫人はキャサリンを侯爵家の夫人に迎えるという話を辞退すると申し出た。
「え!? 何を言っているの、お母様! 嫌よ、そんなの!」
「お黙りなさい! 挨拶ひとつまともに出来ないお前に高位貴族の夫人が務まるはずがないでしょう!」
「? これから侯爵夫人が指導してくれるんでしょう? だったら大丈夫じゃないの?」
その”指導”がどれほど過酷なものかを想像できない娘にオニキス子爵夫人は頭が痛くなった。
これほど鈍感で危機意識が薄いとは、やはり育て方を間違えたと眩暈がする。
「……そうですね。ご息女の言う通り、これから”指導”して侯爵家の夫人に相応しい淑女となってもらいます。断っておきますが、辞退するという選択肢は用意しておりませんから」
言外に「逃げられねえぞ」と圧をかけられ、オニキス子爵夫人は顔面蒼白となった。
薄々分かってはいたことだがもう逃げられない。目の前の地獄の主のような少女はキャサリンを逃がしてはくれない。
「キャサリン…………」
オニキス子爵夫人は思わず隣にいる娘の名を泣きそうな声で呼んだ。
目に入れても痛くないほど可愛い娘。この子のことを本当に想うのなら、我儘を全て叶えるのではなく、彼女が苦労しないような道を用意するべきだった。
よりにもよって、どうしてこんな茨の道を歩ませてしまったのか――後悔の念が募る。
母の悲しげな視線の意味を理解できずに首を傾げる娘を一瞥し、オニキス子爵夫人は居ずまいを正して静かにセシリアへと顔を向けた。
「……ガーネット侯爵夫人、ささやかですが手土産を持参いたしました。どうぞお納めください」
いきなり手土産の話をされ、セシリアが不思議そうに小首をかしげると、オニキス子爵夫人はそっと手振りで召し使いを促した。召し使いたちの腕には贈り物の箱があり、それがひとつ、またひとつとサイドテーブルの上に積み上げられていく。
ひとつは、上質な刺繍入りリネン。
ひとつは、金細工の細やかな香水瓶。
さらに小箱には、外国から取り寄せた貴重な砂糖菓子と香辛料。
そのどれもが、オニキス家の身の丈にしては無理のある選別だった。だが、それが精一杯の“誠意”だった。
セシリアは箱の山をちらと見やり、静かに言葉を発する。
「……まあ。ずいぶんとご丁寧に。急な話でしたのに、よくこんな大量の品物をご用意できましたね……」
前回は手ぶらで邸を訪れてしまったオニキス子爵夫人だが、本来、他家を訪問する際には手土産を持参するのが礼儀である。最初は小娘と侮っていた。だが、セシリアの恐ろしさを思い知った今となっては、礼を欠くなどという無礼は恐ろしくてできようはずもない。
まして今回は娘にご指導を仰ぐ立場にある。当主夫妻はもとより召し使いたちも総出となり、徹夜で贈り物を用意し、選び抜き、丹念に準備を整えたという次第である。
「これは……娘を託す無礼の詫びと、ささやかな願いでございます。どうか、どうか、あの子をよろしくお願いします……」
言葉の終わりは震えていた。感情を抑えるように、手の甲を指でなぞる仕草が痛々しいほどだった。
セシリアはそんな彼女をじっと見つめた。長い沈黙ののち、ふっとひと息ついて柔らかく微笑む。
「……わかりました。いただいておきましょう。ですが、贈り物の価値でご息女の扱いが決まるわけではありませんのよ」
「も、もちろん承知しております。ですが、せめて少しでもお慈悲をいただければと……」
ほんの少しでいい。優しさを向けてほしい――その願いを胸に、夫人はおもむろに頭を下げた。
もはや後戻りはできない。ならばせめて少しでも慈悲を……という親心から夫人は深く首を垂れる。
「一番必要なのは、本人の覚悟と、信念ですわ。……贈り物ではなく」
オニキス子爵夫人は目を伏せ、ただ深く、深く頭を下げた。
それはセシリアに対する礼というより、もはや祈りに近かった。
「……まあ、いいわ。オニキス子爵夫人、あなたの願いは出来る限り叶えましょう。さて、オニキス子爵令嬢キャサリン、これから私はあなたに淑女としての在り方、女主人の務め、そして、高位貴族の夫人として社交界をどう渡り歩くかを教えます。これをおよそ三か月で習得してもらいますよ。覚悟はよろしくて?」
セシリアの言葉に無邪気に頷くキャサリンとは反対に、その意味の恐ろしさを知るオニキス子爵夫人は震える指で扇の柄をぎゅっと握りしめるのだった。
オニキス子爵夫人の声はかすかに震え、挨拶の言葉だけで今にも喉につかえそうだ。
改めて対峙してみて思う。自分がどれだけこの少女を恐れているかを。
「ええ……遠路、よくいらしてくださいましたわ」
その声は静かで柔らかいがどこか冷ややかで、空気が一瞬凍る。
今にも逃げ出したくなるような恐怖を、必死に抑えながら、オニキス子爵夫人はキャサリンに挨拶するよう促した。
「キャサリンです。貴女の後釜としてエリオットを一生懸命支えますので、どうか安心してね」
礼儀も言葉遣いも欠けているどころか、まるで挑発するかのような最悪の挨拶。
オニキス子爵夫人はその無礼さに眩暈を覚え膝が震えた。
「……ッ! キャサリン! これからお前をご指導くださる夫人相手になんて口を利くの!!」
「え? え? どうして怒るの、お母様?」
オニキス子爵夫人は顔をこわばらせ、娘の腕を引き寄せて低く叱責する。
しかしキャサリンはどうして怒られたのかをまるで理解していない。
今更ながら育て方を間違ったと痛感する夫人の顔から血の気が引く。恐る恐る前を向くと、微笑を崩さないセシリアの美しい顔が目の前にあり、思わず悲鳴をあげそうになった。
「まあ……まるで幼児ですね。言葉というものは、真実であっても、場と相手とを弁えて選ぶものですよ。とりわけ、これから侯爵家の夫人になるのでしたら、なおさら」
その声音はやわらかいが、どこか恐ろしさがあった。
オニキス子爵夫人は娘の背を押して深く頭を下げさせ、自らも膝を折らんばかりに礼をとった。
「申し訳ございません……! なにとぞ……なにとぞご容赦を! 娘は未熟でございまして……」
「既にデビュタントも済ませている年齢の娘にその理由は許されなくてよ。可愛いからって甘やかすのは本人のためになりません。改めて思ったけど、このままじゃとても侯爵家の夫人なんて務まらないわ。未熟な娘がわたっていけるほど社交界は甘くありませんよ」
娘ほどの年の少女に指摘され、オニキス子爵夫人は恥ずかしさに頬を染めた。
遅くに生まれた娘だったこともあり、つい甘く接してしまった結果が、今こうして現れている。
目の前の堂々とした少女の姿を見れば見るほど、キャサリンが侯爵家の女主人としてやっていけるとは到底思えなかった。
「……おっしゃる通りです。娘には、侯爵家の夫人を務められるほどの器量はございません。大変ご迷惑をおかけしたにもかかわらず恐縮ですが、このお話はなかったことにしていただけないでしょうか……」
今ならまだ引き返せる。むしろ今しかないとばかりに、オニキス子爵夫人はキャサリンを侯爵家の夫人に迎えるという話を辞退すると申し出た。
「え!? 何を言っているの、お母様! 嫌よ、そんなの!」
「お黙りなさい! 挨拶ひとつまともに出来ないお前に高位貴族の夫人が務まるはずがないでしょう!」
「? これから侯爵夫人が指導してくれるんでしょう? だったら大丈夫じゃないの?」
その”指導”がどれほど過酷なものかを想像できない娘にオニキス子爵夫人は頭が痛くなった。
これほど鈍感で危機意識が薄いとは、やはり育て方を間違えたと眩暈がする。
「……そうですね。ご息女の言う通り、これから”指導”して侯爵家の夫人に相応しい淑女となってもらいます。断っておきますが、辞退するという選択肢は用意しておりませんから」
言外に「逃げられねえぞ」と圧をかけられ、オニキス子爵夫人は顔面蒼白となった。
薄々分かってはいたことだがもう逃げられない。目の前の地獄の主のような少女はキャサリンを逃がしてはくれない。
「キャサリン…………」
オニキス子爵夫人は思わず隣にいる娘の名を泣きそうな声で呼んだ。
目に入れても痛くないほど可愛い娘。この子のことを本当に想うのなら、我儘を全て叶えるのではなく、彼女が苦労しないような道を用意するべきだった。
よりにもよって、どうしてこんな茨の道を歩ませてしまったのか――後悔の念が募る。
母の悲しげな視線の意味を理解できずに首を傾げる娘を一瞥し、オニキス子爵夫人は居ずまいを正して静かにセシリアへと顔を向けた。
「……ガーネット侯爵夫人、ささやかですが手土産を持参いたしました。どうぞお納めください」
いきなり手土産の話をされ、セシリアが不思議そうに小首をかしげると、オニキス子爵夫人はそっと手振りで召し使いを促した。召し使いたちの腕には贈り物の箱があり、それがひとつ、またひとつとサイドテーブルの上に積み上げられていく。
ひとつは、上質な刺繍入りリネン。
ひとつは、金細工の細やかな香水瓶。
さらに小箱には、外国から取り寄せた貴重な砂糖菓子と香辛料。
そのどれもが、オニキス家の身の丈にしては無理のある選別だった。だが、それが精一杯の“誠意”だった。
セシリアは箱の山をちらと見やり、静かに言葉を発する。
「……まあ。ずいぶんとご丁寧に。急な話でしたのに、よくこんな大量の品物をご用意できましたね……」
前回は手ぶらで邸を訪れてしまったオニキス子爵夫人だが、本来、他家を訪問する際には手土産を持参するのが礼儀である。最初は小娘と侮っていた。だが、セシリアの恐ろしさを思い知った今となっては、礼を欠くなどという無礼は恐ろしくてできようはずもない。
まして今回は娘にご指導を仰ぐ立場にある。当主夫妻はもとより召し使いたちも総出となり、徹夜で贈り物を用意し、選び抜き、丹念に準備を整えたという次第である。
「これは……娘を託す無礼の詫びと、ささやかな願いでございます。どうか、どうか、あの子をよろしくお願いします……」
言葉の終わりは震えていた。感情を抑えるように、手の甲を指でなぞる仕草が痛々しいほどだった。
セシリアはそんな彼女をじっと見つめた。長い沈黙ののち、ふっとひと息ついて柔らかく微笑む。
「……わかりました。いただいておきましょう。ですが、贈り物の価値でご息女の扱いが決まるわけではありませんのよ」
「も、もちろん承知しております。ですが、せめて少しでもお慈悲をいただければと……」
ほんの少しでいい。優しさを向けてほしい――その願いを胸に、夫人はおもむろに頭を下げた。
もはや後戻りはできない。ならばせめて少しでも慈悲を……という親心から夫人は深く首を垂れる。
「一番必要なのは、本人の覚悟と、信念ですわ。……贈り物ではなく」
オニキス子爵夫人は目を伏せ、ただ深く、深く頭を下げた。
それはセシリアに対する礼というより、もはや祈りに近かった。
「……まあ、いいわ。オニキス子爵夫人、あなたの願いは出来る限り叶えましょう。さて、オニキス子爵令嬢キャサリン、これから私はあなたに淑女としての在り方、女主人の務め、そして、高位貴族の夫人として社交界をどう渡り歩くかを教えます。これをおよそ三か月で習得してもらいますよ。覚悟はよろしくて?」
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