28 / 28
番外編 彷徨う男
しおりを挟む
曇天の空の下、粛々と葬儀が執り行われている。
亡くなったのはさる貴族家の若き当主。
喪主を務めているのは彼の妻だ。
妻の腹には亡き夫の忘れ形見が宿っており、大きく突き出たそれを労わりながら動いている。
あの腹にいる子の父親は、亡くなった当主でないと知るのはこの中に何人いるだろうか。
きっと俺を含めて片手で足りるくらいだろう。
哀れな当主だ。
妻に別の男の子を孕まれ、その子を跡継ぎに据えるという裏切りを受けたことを知らずに死んでいくなんて。
お前も俺と同じ。愛して尽くしてくれた妻を侮辱し、その報いを受けた。
愛した女に拒絶され、その女が別の男のものになり、お前はどう思った?
俺は手元の像にそう尋ねるが、物言わぬ魂となった男からの返事はない。
この愛しい女の姿を模した像の中に亡くなった若き当主の魂が閉じ込められている。
仕組みは分からないが、人生をやり直した男が亡くなるとその魂がこの像に入るようになっているらしい。
そして俺はその魂の入った像を運ぶ時だけ最愛の女に会える。
これも仕組みは分からないが、魂にはこの男が本来生きるはずだった寿命が含まれており、それを取り込むことで俺の最愛の女は若さを維持できる。
魂を取り込むときの女はいつも嬉しそうだ。
彼女の喜ぶ顔を見ると俺も嬉しくなる。
そう思えるようになったのは、俺がこんな状態になってからだ。
それよりも前に、彼女と互いに喜び合えていたら……。そう思わない日はない。
『あんなに美しかったお前が今はどうだ? 顔も体も皺とシミだらけじゃないか。それに比べて〇〇のハリがあって瑞々しい肌……お前と比べ物にすらならない! 俺はもうお前を愛せない。愛する〇〇と共に生きていくから悪く思うな』
俺の体を蝕む不治の病から救ってくれた最愛の女……我が妻に、どうしてこんな非道な言葉を吐いたのだろう。
悔やんでも悔やみきれない。
俺の看病と薬の研究で寝る暇もないほどだった妻が、己の美容にかけられる時間などあるはずがないだろう。
皺もシミもそれだけ俺に尽くした結果の勲章だ。それを侮辱するなど俺はどれだけ傲慢だったのだろうか……。
それだけ愛して尽くした夫から裏切られた妻の心の傷はどれほど深いか計り知れない。
しかも、若いだけが取り柄の村娘が勝ち誇った顔で俺に寄り添っているのだ。きっと発狂しそうなほどの屈辱だったろう。
いや、もう既に妻は狂っているのかもしれない。
優しくて貞淑だった妻は今や人間の男から若さという名の寿命を奪い、見目のよい男と享楽に耽る女となってしまった。
俺のせいだ……。そう後悔しても、もうどうしようもない。
愛した妻が他の男と戯れる姿を見ると発狂しそうになる。
だが俺に責める資格などあるはずがない。
『愛している? 今更何を言うておるのじゃ。其方の最愛は、その物言わぬ像と成り果てた女であろう?』
今更俺が“愛している”などと告げても妻には届かない。
それどころかそれを告げた以降、俺は妻と言葉を交わすことも、妻の体に触れることも禁じられ、その禁を犯そうとすると激痛が走るようになった。
妻は未だに俺の最愛は像に変えられた村娘だと信じている。
違う、あれは気の迷いだったんだ!
その証拠にもうあの村娘の名前も顔も思い出せない!
言葉を禁じられる前、必死でそう告げたが鼻で笑われるだけだった。
本当なのに。像が割れる時、痛みを感じるのか女のすすり泣く声が聞こえるが、それすらどうとも思わない程の存在なのに。
などという思いは伝わらない。
分かってる。もう全ては今更だ。
俺のような屑な男が人生をやり直しては絶望する様を幾度となく見てそれを理解した。
俺の妻と同じように夫に尽くして愛した結果、裏切られた女に像を渡し、人生をやり直させると不思議と皆同じ結末を辿る。
まず、女はやり直すと必ず男を拒絶し、二度と関係を持たない。
だが反対に、男は必ず女に執着する。自分が裏切ったにも関わらずだ。
なんてみっともなくて、醜悪な姿なのか。
愚かな男達の姿が自分に重なる。
俺と同じだ。自分が裏切って捨てた妻に今更執着している。
自分を貶してくる男とまたやり直したいと願う女など、いるはずもないのに。
妻達は皆、かつての夫とは別の男と結婚し、穏やかで幸せな日々を送る。
だが夫達は決して幸せにならない。必ず捨てた女に執着したまま死んでいく。
初めの頃は夫達に同情したものだ。だが今は妻達が幸せになることに喜びを覚える。
それは妻達が、俺の唯一言葉を交わせる存在だからかもしれない。
魔女の呪いを受け、俺は像を渡す時しか喋ることが出来なくなった。
だから、行商人を装って哀れな妻達に会い言葉を交わす瞬間だけが人と関われる。
そんな彼女達が幸せになる。それが純粋に喜べるようになったのはいつからだろうか。
もう思い出せない。
彼女達が二度目の結婚式で使う青い薔薇のブーケ。
あれは俺が若い頃、妻の為に品種改良した薔薇だ。
妻の色と同じ青い薔薇、それを未だに枯らさず大切に栽培してくれている。
それだけが心の救いだ……。
俺がこの像に願えばやり直せるだろうか。
そう思って願ってみたが何も起こらない。
たとえやり直せたとしても、妻はもう俺を愛してくれないだろうが……。
裏切らなければよかった。そう悔やまない日はない。
若く美しい女なんて星の数ほどいるが、自分がどんな姿になっても変わらず愛してくれる女は妻しかいなかった。
この像になった村娘だって、俺を愛していたわけじゃない。
魔女の夫を奪うことに優越感を感じていただけだ。
像の姿になってからしばらくは俺にしか聞こえない怨嗟の声をあげていた。
『こんなはずじゃなかった……。アンタなんかと関係を持つんじゃなかった……。アンタさえいなければ……。元の姿に戻りたい……。村へ帰りたい……。魔女様、ごめんなさい、ごめんなさい……』
そんな像に「村はもうない」と告げて以降、声を出さなくなった。
割れる際に痛みがあるのかすすり泣く声は聞こえるが、それ以外は全く聞こえない。
俺達がいた村はもうない。
元々魔女の恩恵に頼らねば生活できない村だ。
その村の娘が魔女の夫である俺と関係を持つという裏切りのせいで村は瓦解した。
村民たちは方々に散り、俺への恨みからか、俺のやらかしを代々子孫に伝えているようだ。お伽噺のように。
俺はあまりにも多くの人生を壊した。
村娘の人生、村人の人生、そして妻の人生。
そして今も、俺と同じような愚か者もの人生を壊すために彷徨う。
だがそれで哀れで報われない女が救われるのなら悪くないとすら思える。
さあそれではまた向かうとするか。男の裏切りに涙する哀れな女のもとへ。
女を救い、男にその代償を支払わせ、そして―――また妻に会うために。
―――――――――――――――――――――――――――――――――(了)
これにて完結です。お読みいただきありがとうございました。
亡くなったのはさる貴族家の若き当主。
喪主を務めているのは彼の妻だ。
妻の腹には亡き夫の忘れ形見が宿っており、大きく突き出たそれを労わりながら動いている。
あの腹にいる子の父親は、亡くなった当主でないと知るのはこの中に何人いるだろうか。
きっと俺を含めて片手で足りるくらいだろう。
哀れな当主だ。
妻に別の男の子を孕まれ、その子を跡継ぎに据えるという裏切りを受けたことを知らずに死んでいくなんて。
お前も俺と同じ。愛して尽くしてくれた妻を侮辱し、その報いを受けた。
愛した女に拒絶され、その女が別の男のものになり、お前はどう思った?
俺は手元の像にそう尋ねるが、物言わぬ魂となった男からの返事はない。
この愛しい女の姿を模した像の中に亡くなった若き当主の魂が閉じ込められている。
仕組みは分からないが、人生をやり直した男が亡くなるとその魂がこの像に入るようになっているらしい。
そして俺はその魂の入った像を運ぶ時だけ最愛の女に会える。
これも仕組みは分からないが、魂にはこの男が本来生きるはずだった寿命が含まれており、それを取り込むことで俺の最愛の女は若さを維持できる。
魂を取り込むときの女はいつも嬉しそうだ。
彼女の喜ぶ顔を見ると俺も嬉しくなる。
そう思えるようになったのは、俺がこんな状態になってからだ。
それよりも前に、彼女と互いに喜び合えていたら……。そう思わない日はない。
『あんなに美しかったお前が今はどうだ? 顔も体も皺とシミだらけじゃないか。それに比べて〇〇のハリがあって瑞々しい肌……お前と比べ物にすらならない! 俺はもうお前を愛せない。愛する〇〇と共に生きていくから悪く思うな』
俺の体を蝕む不治の病から救ってくれた最愛の女……我が妻に、どうしてこんな非道な言葉を吐いたのだろう。
悔やんでも悔やみきれない。
俺の看病と薬の研究で寝る暇もないほどだった妻が、己の美容にかけられる時間などあるはずがないだろう。
皺もシミもそれだけ俺に尽くした結果の勲章だ。それを侮辱するなど俺はどれだけ傲慢だったのだろうか……。
それだけ愛して尽くした夫から裏切られた妻の心の傷はどれほど深いか計り知れない。
しかも、若いだけが取り柄の村娘が勝ち誇った顔で俺に寄り添っているのだ。きっと発狂しそうなほどの屈辱だったろう。
いや、もう既に妻は狂っているのかもしれない。
優しくて貞淑だった妻は今や人間の男から若さという名の寿命を奪い、見目のよい男と享楽に耽る女となってしまった。
俺のせいだ……。そう後悔しても、もうどうしようもない。
愛した妻が他の男と戯れる姿を見ると発狂しそうになる。
だが俺に責める資格などあるはずがない。
『愛している? 今更何を言うておるのじゃ。其方の最愛は、その物言わぬ像と成り果てた女であろう?』
今更俺が“愛している”などと告げても妻には届かない。
それどころかそれを告げた以降、俺は妻と言葉を交わすことも、妻の体に触れることも禁じられ、その禁を犯そうとすると激痛が走るようになった。
妻は未だに俺の最愛は像に変えられた村娘だと信じている。
違う、あれは気の迷いだったんだ!
その証拠にもうあの村娘の名前も顔も思い出せない!
言葉を禁じられる前、必死でそう告げたが鼻で笑われるだけだった。
本当なのに。像が割れる時、痛みを感じるのか女のすすり泣く声が聞こえるが、それすらどうとも思わない程の存在なのに。
などという思いは伝わらない。
分かってる。もう全ては今更だ。
俺のような屑な男が人生をやり直しては絶望する様を幾度となく見てそれを理解した。
俺の妻と同じように夫に尽くして愛した結果、裏切られた女に像を渡し、人生をやり直させると不思議と皆同じ結末を辿る。
まず、女はやり直すと必ず男を拒絶し、二度と関係を持たない。
だが反対に、男は必ず女に執着する。自分が裏切ったにも関わらずだ。
なんてみっともなくて、醜悪な姿なのか。
愚かな男達の姿が自分に重なる。
俺と同じだ。自分が裏切って捨てた妻に今更執着している。
自分を貶してくる男とまたやり直したいと願う女など、いるはずもないのに。
妻達は皆、かつての夫とは別の男と結婚し、穏やかで幸せな日々を送る。
だが夫達は決して幸せにならない。必ず捨てた女に執着したまま死んでいく。
初めの頃は夫達に同情したものだ。だが今は妻達が幸せになることに喜びを覚える。
それは妻達が、俺の唯一言葉を交わせる存在だからかもしれない。
魔女の呪いを受け、俺は像を渡す時しか喋ることが出来なくなった。
だから、行商人を装って哀れな妻達に会い言葉を交わす瞬間だけが人と関われる。
そんな彼女達が幸せになる。それが純粋に喜べるようになったのはいつからだろうか。
もう思い出せない。
彼女達が二度目の結婚式で使う青い薔薇のブーケ。
あれは俺が若い頃、妻の為に品種改良した薔薇だ。
妻の色と同じ青い薔薇、それを未だに枯らさず大切に栽培してくれている。
それだけが心の救いだ……。
俺がこの像に願えばやり直せるだろうか。
そう思って願ってみたが何も起こらない。
たとえやり直せたとしても、妻はもう俺を愛してくれないだろうが……。
裏切らなければよかった。そう悔やまない日はない。
若く美しい女なんて星の数ほどいるが、自分がどんな姿になっても変わらず愛してくれる女は妻しかいなかった。
この像になった村娘だって、俺を愛していたわけじゃない。
魔女の夫を奪うことに優越感を感じていただけだ。
像の姿になってからしばらくは俺にしか聞こえない怨嗟の声をあげていた。
『こんなはずじゃなかった……。アンタなんかと関係を持つんじゃなかった……。アンタさえいなければ……。元の姿に戻りたい……。村へ帰りたい……。魔女様、ごめんなさい、ごめんなさい……』
そんな像に「村はもうない」と告げて以降、声を出さなくなった。
割れる際に痛みがあるのかすすり泣く声は聞こえるが、それ以外は全く聞こえない。
俺達がいた村はもうない。
元々魔女の恩恵に頼らねば生活できない村だ。
その村の娘が魔女の夫である俺と関係を持つという裏切りのせいで村は瓦解した。
村民たちは方々に散り、俺への恨みからか、俺のやらかしを代々子孫に伝えているようだ。お伽噺のように。
俺はあまりにも多くの人生を壊した。
村娘の人生、村人の人生、そして妻の人生。
そして今も、俺と同じような愚か者もの人生を壊すために彷徨う。
だがそれで哀れで報われない女が救われるのなら悪くないとすら思える。
さあそれではまた向かうとするか。男の裏切りに涙する哀れな女のもとへ。
女を救い、男にその代償を支払わせ、そして―――また妻に会うために。
―――――――――――――――――――――――――――――――――(了)
これにて完結です。お読みいただきありがとうございました。
4,050
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
あなたなんて大嫌い
みおな
恋愛
私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。
そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。
そうですか。
私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。
私はあなたのお財布ではありません。
あなたなんて大嫌い。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
*らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.11/4に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。
なにをおっしゃいますやら
基本二度寝
恋愛
本日、五年通った学び舎を卒業する。
エリクシア侯爵令嬢は、己をエスコートする男を見上げた。
微笑んで見せれば、男は目線を逸らす。
エブリシアは苦笑した。
今日までなのだから。
今日、エブリシアは婚約解消する事が決まっているのだから。
俺はお前ではなく、彼女を一生涯愛し護り続けると決めたんだ! そう仰られた元婚約者様へ。貴方が愛する人が、夜会で大問題を起こしたようですよ?
柚木ゆず
恋愛
※9月20日、本編完結いたしました。明日21日より番外編として、ジェラール親子とマリエット親子の、最後のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
お前の家ティレア家は、財の力で爵位を得た新興貴族だ! そんな歴史も品もない家に生まれた女が、名家に生まれた俺に相応しいはずがない! 俺はどうして気付かなかったんだ――。
婚約中に心変わりをされたクレランズ伯爵家のジェラール様は、沢山の暴言を口にしたあと、一方的に婚約の解消を宣言しました。
そうしてジェラール様はわたしのもとを去り、曰く『お前と違って貴族然とした女性』であり『気品溢れる女性』な方と新たに婚約を結ばれたのですが――
ジェラール様。貴方の婚約者であるマリエット様が、侯爵家主催の夜会で大問題を起こしてしまったみたいですよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる