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ジュリアーナの価値
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ジュリアーナにはこの国での王位継承権に加え、母親の母国の王位継承権も有している。
だが、どちらも順位は低い。一応あるといった程度で優先順位はかなり低い。
流行り病で上の継承権保持者が全員亡くなるという事態でもなければ生涯まわってこない程度の継承権だ。
だがしかし、ジュリアーナは母の母国の王家で唯一の未婚の姫である。
アイザック候は大胆にも王位継承権を有するジュリアーナを娶ることで玉座を手に入れようと考えていた。ジュリアーナを女王へと押し上げ、自分がその王配となることで実権を握ろうとしている。
アイザック候の無謀なまでの野望をジュリアーナは母である王妃から聞かされていた。
一見馬鹿げた野望に見えるが、地頭がよく人たらしな彼であれば実現も不可能ではないと。温室育ちのジュリアーナなどすぐに騙されてしまうだろうから、決して近づいてはならないと厳しく言いつけられていた。
無謀な野望を抱いているのはダニエルも同じであるが、アイザック候との違いは頭の出来と人望だろう。候には無謀とも言えることをやってのけてしまう実力がある。
腹が立つのはどちらもジュリアーナを“お飾り”にしようとしているところだ。
自分達より身分も血筋も上の姫を道具扱いなどふざけている。
「貴女がこうしてわたくしを拐かしたのはアイザック候の命令なの?」
「いいえ! 旦那様は関係ございません! 全て私どもの独断で行ったことです」
「独断ね……」
大それた野望を持つ聡明な人物が己の愛人達の所業を把握できていないなんてことあるだろうか。想像だが知っていてわざと好きにさせているように思える。
先程“私ども”と言っていたからおそらくこの件に関与しているのは複数人の愛人達だと思われる。館から多くの愛人達がいなくなっているのを知らないなど考えられない。
愛人達が成功すればよし。失敗すれば切り捨てるつもりなのかもしれない。
そう考えたら無性に腹が立ってきた。
どいつもこいつも女をお飾りだの使い捨てだのと……何様のつもりだ。
「とにかく、このまま貴女達のご主人様に会うわけにはいかないの」
「そうおっしゃらず旦那様に一度お会いになってください……! そうすれば殿下も旦那様がどれだけ素晴らしい方なのか分かりますから!」
分かってしまっては困る。万が一アイザック候にたらしこまれた場合、面倒な結果にしかならない。
「あの婚約者よりも旦那様の方がずっとずっと素敵にございます! それとも殿下、あの男に何か未練でもお有りなのですか?」
「そうじゃないわ。アイザック候とダニエル卿を比べるとかそういうのではなくて、単純に国際問題を避けたいだけよ。だいたい、貴女はダニエル卿とどういう関係なの?」
「……あの男はただ利用したに過ぎません。私どもは殿下が辺境伯領を訪問するという情報を得たうえで、どうやって貴女様に近づこうかと考えておりました。異国の絹商人を装って辺境伯領へと参り、運よくあの男と接触することが出来ました」
あんなのでも一応は辺境伯領の当主。
いち商人がよく接触できたものだと思わず感心してしまった。
だが、どちらも順位は低い。一応あるといった程度で優先順位はかなり低い。
流行り病で上の継承権保持者が全員亡くなるという事態でもなければ生涯まわってこない程度の継承権だ。
だがしかし、ジュリアーナは母の母国の王家で唯一の未婚の姫である。
アイザック候は大胆にも王位継承権を有するジュリアーナを娶ることで玉座を手に入れようと考えていた。ジュリアーナを女王へと押し上げ、自分がその王配となることで実権を握ろうとしている。
アイザック候の無謀なまでの野望をジュリアーナは母である王妃から聞かされていた。
一見馬鹿げた野望に見えるが、地頭がよく人たらしな彼であれば実現も不可能ではないと。温室育ちのジュリアーナなどすぐに騙されてしまうだろうから、決して近づいてはならないと厳しく言いつけられていた。
無謀な野望を抱いているのはダニエルも同じであるが、アイザック候との違いは頭の出来と人望だろう。候には無謀とも言えることをやってのけてしまう実力がある。
腹が立つのはどちらもジュリアーナを“お飾り”にしようとしているところだ。
自分達より身分も血筋も上の姫を道具扱いなどふざけている。
「貴女がこうしてわたくしを拐かしたのはアイザック候の命令なの?」
「いいえ! 旦那様は関係ございません! 全て私どもの独断で行ったことです」
「独断ね……」
大それた野望を持つ聡明な人物が己の愛人達の所業を把握できていないなんてことあるだろうか。想像だが知っていてわざと好きにさせているように思える。
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愛人達が成功すればよし。失敗すれば切り捨てるつもりなのかもしれない。
そう考えたら無性に腹が立ってきた。
どいつもこいつも女をお飾りだの使い捨てだのと……何様のつもりだ。
「とにかく、このまま貴女達のご主人様に会うわけにはいかないの」
「そうおっしゃらず旦那様に一度お会いになってください……! そうすれば殿下も旦那様がどれだけ素晴らしい方なのか分かりますから!」
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「……あの男はただ利用したに過ぎません。私どもは殿下が辺境伯領を訪問するという情報を得たうえで、どうやって貴女様に近づこうかと考えておりました。異国の絹商人を装って辺境伯領へと参り、運よくあの男と接触することが出来ました」
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