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脅す為
状況から判断するにヘレンの父親が子爵である可能性は高い。
もし、その妊婦がヘレンの産みの親で、正体が王妃ならば……ヘレン自身が不貞の証そのものとなる。
「お母様、もし王妃様が不貞を働いていたとすれば……」
「……死罪は免れないわね。妃の不貞は大罪だもの。それと一族全員に累が及ぶわよ」
この国で妃の不貞は姦通罪に値する。神聖なる王家の血を継ぐ役割を担う妃が他の男と通じることは大罪とされ、その妃の一族までもが処罰の対象になる。
「それを理解したうえでそこまで分かり易い不貞を働くでしょうか……? しかもヘレンが実の娘だとすれば、もう不貞の証だと言っているものではありませんか」
「普通の感性と倫理観を持った人ならやらないでしょうけど……あの王妃ならやりかねないわ。目先の欲しか考えていない短絡的な女だもの」
確かにあの王妃は自分の理想というか欲ばかりを叶えようとする悪癖がある。
単純に言えば我儘で自己中心的で他人の意見を聞かないのだ。
国王はよくあんな女を妃にしたものだと呆れてしまう。
「ところで、お母様はどうしてヘレンについてお調べになったのですか?」
ヘレンの出生に纏わる話は大分衝撃的だったものの、あくまでも仮説の域を超えていない。それに王太子と婚約破棄をするのだからもうヘレンの生まれがどうだとしても私やエルリアン家には関係がない。わざわざお金を支払ってまで情報を入手したとしても、特にメリットがあるわけでもないのに……どうして母はここまで詳しく調査したのだろう?
「それは、王妃の生家を脅す為よ。王妃の弱みの一つでも握れたら……という気持ちで調べたのだけど、予想以上の情報を掴めたわ」
「え!? 脅す為? どうしてそんなことを……」
「王妃の生家である侯爵家が今の王太子を廃嫡させることに反対しているからよ。てっきり国王がごねているから婚約破棄が進まないのかと思ったら、王妃の生家の介入があったの」
「王妃様の生家が!? そうだったのですか?」
「あちらも必死よ。自分の家の血を引く王子が王位に就くと喜んでいたからね。だからしつこいのよ、絶対に婚約破棄は認めないーって……馬鹿じゃないかしら」
そんなことになっていたなんて知らなかった。
どうりでいつまで経っても婚約破棄が進まないと思ったら……王妃の生家が余計な口出しをしていたのか。腹立つ。
「ですがお母様、王妃様が不貞をしたという物的証拠はありません。この情報だけではただの推測に過ぎないと、あちらに突っぱねられてしまいます」
「勿論あるわよ、証拠。といってもヘレンの母親が王妃という証拠ではなく、もっと別のものだけどね」
「証拠があるのですか!? その……別のものとはいったい……」
「先ほどハスリー子爵にどうして贈り物を購入するお金があるのかと話したでしょう? あれ、王妃が子爵に国の資金を横流ししていたのよ。その証拠となる資金の流れを記した帳簿を手に入れたわ」
「……は? 資金を横流し!? それって子爵と王妃が民の血税を横領していたということですか?」
とんでもない事実が明らかとなった。王妃と子爵が国の金を横領したとなると一族への罰の重さが増す。下手をすると一族全員処刑となるのでは……?
「お待ちください、どうしてそんな重要な証拠が残っているのですか? 普通ならそういった物は証拠隠滅で処分してしまうものでは?」
ひょっとするとガセを掴まされたのではないかと疑うが、母は首を横に振ってそれを否定する。
「……これを持っていたのは、ハスリー子爵の従者だった男よ。彼は貴族ではなく平民の出で、数字も読めなかったみたい。だからその帳簿が横領の証だなんて知らなかったし、亡くなった子爵が『大切に持っていてくれ』と言ったことを今まで忠実に守っていたそうよ」
「え? 子爵の従者が数字も読めない平民って……おかしくないですか?」
「多分その方が都合がよかったからでしょう。帳簿の内容にも気づかれない、王妃との不貞に気づく可能性が低いという安直な考えでそうしたのよ。愚かだわ、その重要性にも気づかれなかったからこそ、大金を積まれたら簡単に渡してしまうのよ」
あ、お金でその従者から帳簿を買ったんだな。
やはりお金は凄い。大抵のことはお金で解決できる。
その従者も言いつけを忠実に守っていた割に大金ちらつかせたらあっさりと……。
忠義よりもお金をとったというわけね。
「ちなみにその従者の存在を教えてくれたのは夫人に仕えていた侍女なの。彼女はお金に困っていたからどんな情報でも買ってほしかったみたいで、それはもう詳しく色々な事を教えてくれたわ」
「お金の為とはいえ、十数年も前の事を詳細に記憶しているのは凄いですね」
「それだけ衝撃的な出来事だったのでしょう。その後も苦労させられたようだし、侍女はハスリー子爵家に仕えた事を酷く後悔していたわ」
「衝撃的な出来事、ですか……? 当主の不貞現場を見たことが?」
こういってはなんだけど、勤め先の主人の不貞現場ってそこまで衝撃的な出来事だろうか? 貴族家ではありがちなことだと思うのだが……。
「……ミシェル、貴女はハスリー子爵家がお取り潰しになった理由を知っているかしら?」
「え? それは当主が跡継ぎを指名しないまま亡くなられたからですよね? 確か……急な流行り病に夫婦共かかったと聞いております」
この国では当主が跡継ぎを指名し、王宮に届け出る決まりがある。
それをしないまま当主が無くなると家は取り潰しになると王妃教育で習った。
「そういう決まりは確かにあるけれど、実際は有耶無耶に出来るものよ。ハスリー子爵家の場合は幼いヘレンに名ばかりの当主を継がせ、ハスリー侯爵家がその後見になるという処置がとられてもおかしくないの」
忖度? 忖度ってやつ、それ?
そんな忖度してまで貴族家を取り潰ししたくないのなら、もうそんな決まり無くしたらいいじゃない……。ここで文句言っても仕方ないから言わないけど。
「それをしなかったというのは、貴族家として存続させられない醜聞があったからよ。当主夫妻の死因は表向きは病死とされているけど、本当は夫人が当主を害したうえで自分も命を絶った……無理心中によるものなの」
「無理心中!? それって……夫の不貞が原因で?」
「おそらくはね。侍女の話だと赤ん坊のヘレンが邸に来た時から夫人の精神は徐々におかしくなっていったそうよ。まあ、それも無理ないわね。夫が他所で子供を作っていただけでもショックなのに、更にその子を育てろと言うなんて鬼畜の所業よ」
「そうですよね……わたくしだってそんな裏切り耐えられません。侍女はその現場を目撃してしまったのですか?」
「ええ、そのようだわ。それで慌てた侍女はハスリー侯爵家に助けを求めたそうよ」
「ハスリー侯爵家に? 憲兵ではなく?」
「これが強盗に入られたとかなら迷わず憲兵を呼んだのでしょうけど、痴情のもつれで妻が夫を害したというのは外聞が悪いと思ったのでしょう。元々その侍女はハスリー侯爵家から来たようだしね」
成程……それなら後処理はハスリー侯爵家が行ったと考えられる。
貴族は醜聞を嫌うものだし、嫁が夫を殺害したなんて世間に知られたらハスリー家の恥になると思ったのだろう。 ただでさえ斜陽なのに、これ以上の醜聞はごめんだと。
もしかするとハスリー侯爵家はヘレンの出生の秘密を知っているのかもしれない。
だからそれが外に漏れる前に家を取り潰してヘレンを平民に落とし、ハスリー侯爵家と関わらないようにしたと考えられる。そうでなければ血縁者であるハスリー侯爵家がヘレンを引き取らないのはおかしい。
当主夫妻は病死したことにしてヘレンを平民に落とし、その後彼女を孤児院等に入れてしまえば済むと思ったのだろう。まさか王妃がヘレンを引き取って自分の傍に置くなんて考えもしなかったのかもしれない。
「その侍女はよく無事でしたね。口封じとして始末されてもおかしくないのに」
「ヘレンの産みの母の正体を知らなかったからじゃないかしら? 多分、知っていれば始末されたかもしれないわね。……まあ、確かにハスリー侯爵家のやりようは甘いわね。そういう中途半端な事をしているから当家にあっさりと情報を掴まれるのよ」
「確かにそうですね……」
「それと、その侍女は生き証人として何かと役立つだろうから当家で雇ったわ」
流石は母、抜かりがない。
それにしても、とんでもない情報ばかりで脳の処理が追い付かない。
ヘレンは本当に王妃の娘なのかしら……。
だとしたら、王妃はヘレンをどうしたかったの?
私はてっきり物語の展開と同じように、あの王子とくっつけたいのかと思っていた。
でも、父親が違うとはいえ兄妹を結ばせるという禁忌を犯すとは考えられない。
あれ? そもそもあの王子って本当に陛下の子なのかしら?
それすら怪しくなってきたわ……。
もし、その妊婦がヘレンの産みの親で、正体が王妃ならば……ヘレン自身が不貞の証そのものとなる。
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「……死罪は免れないわね。妃の不貞は大罪だもの。それと一族全員に累が及ぶわよ」
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「ところで、お母様はどうしてヘレンについてお調べになったのですか?」
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「それは、王妃の生家を脅す為よ。王妃の弱みの一つでも握れたら……という気持ちで調べたのだけど、予想以上の情報を掴めたわ」
「え!? 脅す為? どうしてそんなことを……」
「王妃の生家である侯爵家が今の王太子を廃嫡させることに反対しているからよ。てっきり国王がごねているから婚約破棄が進まないのかと思ったら、王妃の生家の介入があったの」
「王妃様の生家が!? そうだったのですか?」
「あちらも必死よ。自分の家の血を引く王子が王位に就くと喜んでいたからね。だからしつこいのよ、絶対に婚約破棄は認めないーって……馬鹿じゃないかしら」
そんなことになっていたなんて知らなかった。
どうりでいつまで経っても婚約破棄が進まないと思ったら……王妃の生家が余計な口出しをしていたのか。腹立つ。
「ですがお母様、王妃様が不貞をしたという物的証拠はありません。この情報だけではただの推測に過ぎないと、あちらに突っぱねられてしまいます」
「勿論あるわよ、証拠。といってもヘレンの母親が王妃という証拠ではなく、もっと別のものだけどね」
「証拠があるのですか!? その……別のものとはいったい……」
「先ほどハスリー子爵にどうして贈り物を購入するお金があるのかと話したでしょう? あれ、王妃が子爵に国の資金を横流ししていたのよ。その証拠となる資金の流れを記した帳簿を手に入れたわ」
「……は? 資金を横流し!? それって子爵と王妃が民の血税を横領していたということですか?」
とんでもない事実が明らかとなった。王妃と子爵が国の金を横領したとなると一族への罰の重さが増す。下手をすると一族全員処刑となるのでは……?
「お待ちください、どうしてそんな重要な証拠が残っているのですか? 普通ならそういった物は証拠隠滅で処分してしまうものでは?」
ひょっとするとガセを掴まされたのではないかと疑うが、母は首を横に振ってそれを否定する。
「……これを持っていたのは、ハスリー子爵の従者だった男よ。彼は貴族ではなく平民の出で、数字も読めなかったみたい。だからその帳簿が横領の証だなんて知らなかったし、亡くなった子爵が『大切に持っていてくれ』と言ったことを今まで忠実に守っていたそうよ」
「え? 子爵の従者が数字も読めない平民って……おかしくないですか?」
「多分その方が都合がよかったからでしょう。帳簿の内容にも気づかれない、王妃との不貞に気づく可能性が低いという安直な考えでそうしたのよ。愚かだわ、その重要性にも気づかれなかったからこそ、大金を積まれたら簡単に渡してしまうのよ」
あ、お金でその従者から帳簿を買ったんだな。
やはりお金は凄い。大抵のことはお金で解決できる。
その従者も言いつけを忠実に守っていた割に大金ちらつかせたらあっさりと……。
忠義よりもお金をとったというわけね。
「ちなみにその従者の存在を教えてくれたのは夫人に仕えていた侍女なの。彼女はお金に困っていたからどんな情報でも買ってほしかったみたいで、それはもう詳しく色々な事を教えてくれたわ」
「お金の為とはいえ、十数年も前の事を詳細に記憶しているのは凄いですね」
「それだけ衝撃的な出来事だったのでしょう。その後も苦労させられたようだし、侍女はハスリー子爵家に仕えた事を酷く後悔していたわ」
「衝撃的な出来事、ですか……? 当主の不貞現場を見たことが?」
こういってはなんだけど、勤め先の主人の不貞現場ってそこまで衝撃的な出来事だろうか? 貴族家ではありがちなことだと思うのだが……。
「……ミシェル、貴女はハスリー子爵家がお取り潰しになった理由を知っているかしら?」
「え? それは当主が跡継ぎを指名しないまま亡くなられたからですよね? 確か……急な流行り病に夫婦共かかったと聞いております」
この国では当主が跡継ぎを指名し、王宮に届け出る決まりがある。
それをしないまま当主が無くなると家は取り潰しになると王妃教育で習った。
「そういう決まりは確かにあるけれど、実際は有耶無耶に出来るものよ。ハスリー子爵家の場合は幼いヘレンに名ばかりの当主を継がせ、ハスリー侯爵家がその後見になるという処置がとられてもおかしくないの」
忖度? 忖度ってやつ、それ?
そんな忖度してまで貴族家を取り潰ししたくないのなら、もうそんな決まり無くしたらいいじゃない……。ここで文句言っても仕方ないから言わないけど。
「それをしなかったというのは、貴族家として存続させられない醜聞があったからよ。当主夫妻の死因は表向きは病死とされているけど、本当は夫人が当主を害したうえで自分も命を絶った……無理心中によるものなの」
「無理心中!? それって……夫の不貞が原因で?」
「おそらくはね。侍女の話だと赤ん坊のヘレンが邸に来た時から夫人の精神は徐々におかしくなっていったそうよ。まあ、それも無理ないわね。夫が他所で子供を作っていただけでもショックなのに、更にその子を育てろと言うなんて鬼畜の所業よ」
「そうですよね……わたくしだってそんな裏切り耐えられません。侍女はその現場を目撃してしまったのですか?」
「ええ、そのようだわ。それで慌てた侍女はハスリー侯爵家に助けを求めたそうよ」
「ハスリー侯爵家に? 憲兵ではなく?」
「これが強盗に入られたとかなら迷わず憲兵を呼んだのでしょうけど、痴情のもつれで妻が夫を害したというのは外聞が悪いと思ったのでしょう。元々その侍女はハスリー侯爵家から来たようだしね」
成程……それなら後処理はハスリー侯爵家が行ったと考えられる。
貴族は醜聞を嫌うものだし、嫁が夫を殺害したなんて世間に知られたらハスリー家の恥になると思ったのだろう。 ただでさえ斜陽なのに、これ以上の醜聞はごめんだと。
もしかするとハスリー侯爵家はヘレンの出生の秘密を知っているのかもしれない。
だからそれが外に漏れる前に家を取り潰してヘレンを平民に落とし、ハスリー侯爵家と関わらないようにしたと考えられる。そうでなければ血縁者であるハスリー侯爵家がヘレンを引き取らないのはおかしい。
当主夫妻は病死したことにしてヘレンを平民に落とし、その後彼女を孤児院等に入れてしまえば済むと思ったのだろう。まさか王妃がヘレンを引き取って自分の傍に置くなんて考えもしなかったのかもしれない。
「その侍女はよく無事でしたね。口封じとして始末されてもおかしくないのに」
「ヘレンの産みの母の正体を知らなかったからじゃないかしら? 多分、知っていれば始末されたかもしれないわね。……まあ、確かにハスリー侯爵家のやりようは甘いわね。そういう中途半端な事をしているから当家にあっさりと情報を掴まれるのよ」
「確かにそうですね……」
「それと、その侍女は生き証人として何かと役立つだろうから当家で雇ったわ」
流石は母、抜かりがない。
それにしても、とんでもない情報ばかりで脳の処理が追い付かない。
ヘレンは本当に王妃の娘なのかしら……。
だとしたら、王妃はヘレンをどうしたかったの?
私はてっきり物語の展開と同じように、あの王子とくっつけたいのかと思っていた。
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