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身代わりの花嫁
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「あの獣が貴女に執着している理由は分かるかしら?」
「え……それは、わたくしがカロリーナさんの生まれ変わりだからでしょう?」
「ええ、そうね。でもそれは生前のわたくしを愛していたから、というロマンチックなものでは決してないわ。わたくしの容姿があいつの好みそのものだからという、くだらない理由よ」
「は……? 容姿が好み……? え、まさか……それだけの理由で!?」
「そうよ。生まれ変わりがどうたら言っているけれど、ただ単純に貴女の外見がたまたまわたくしに似ていた。それだけよ。どうせ生まれ変わり云々を語れば女が自分に運命じみたものを感じてくれるとでも思っているんでしょう。そういうところだけは知恵が働くのよね」
生前の妻と同じ魂を持つ者だから執着されているのだと思っていた。
まさか見た目だけで執着してくるなんて想像もしていなかった、とカロラインは絶句した。
「あいつが貴女と初めて会った時のことを覚えている? 確か貴女を直接見て初めてわたくしの生まれ変わりだと気づいていたはずよ」
「あ……そういえばそうでしたね。あの時彼は『人の子が来るなんて珍しい』と白々しい事言っていましたけど……あれって彼がわたくしをあの場に招いたのですよね?」
あの時は自分があそこに迷い込んだのかと思っていた。
だが、ずっと馬車の中にいた自分が意識だけ森の中に迷い込むなどという芸当が出来るはずもない。
どう考えてもあの青年の方から招いたと考えた方が自然だ。
「そうよ、わたくしの時も同じ台詞を言っていたわ。自分が攫ったなんて口にすれば相手が警戒すると分かっているからでしょうね。それで、貴女を見て初めてわたくしの生まれ変わりだと気付いたということは、攫う時には分からなかったということよ」
「あっ……確かに! てっきりわたくしをカロリーナさんの生まれ変わりだと判断したから招き入れたのだと思っていましたが、その時点では分かっていなかったというわけですね? え、じゃあ……どうしてわたくしを?」
「そんなの、貴女の外見がわたくしに似ていたからよ。髪色も瞳も違うけど、顔や体つきはわたくしによく似ているわ。単純に“好み”だから攫った、そして攫った相手はたまたま生前の妻の生まれ変わりだった、これを餌に口説き落としてやろう、という欲丸出しの行動ってだけよ」
「そんなくだらない理由でわたくしは狙われているのですか……?」
「そうよ。で、何故わたくしが身代わりの花嫁を用意しろと言ったかというと、つまりは貴女の身代わりを立てろということよ。ほら、貴女の恋人につけた貴女の匂いであいつをおびき寄せる作戦を立てていたでしょう?」
「ええ、そのようです……」
匂いと言われると何だか恥ずかしい。
恥ずかしさでカロラインはいたたまれず顔を逸らした。
「多分それにつられて姿を現すと思うの。それで、身代わりが男だと分かった瞬間、慌てて逃げだす確率が高いわ」
「ですが、猊下はあの獣が逃げ出す前に退治するおつもりです」
「……そうなることが一番だけど、万が一に備えていた方がいいと思うわ。一度逃げられてしまえば再びあいつを退治する機会なんていつ訪れるか分かりやしないもの。その間貴女はいつまたあの獣が自分を攫いに来るか怯えなければいけないのよ? そんなのは嫌でしょう?」
これからずっとあの獣に脅え続けることを想像し、カロラインは恐怖で顔面蒼白となった。
「そうならない為に身代わりの花嫁を用意しろと言っているのよ。貴女が手に入らなくとも、代わりの女を宛がってやれば妥協してそっちを巣に持ち帰るわ。その女にあの山百合を持たせれば一石二鳥ね。女ごと巣に持ち帰ってくれるから、形上は獣に山百合を返したことになるもの」
「ええ!? ちょっと待ってください! あれだけわたくしに執着していたのに、似た外見の女性がいたらそちらにいくのですか?」
「万全の状態だったらやらないかもしれないけど、今は弱っているからね。巣から何度も出られない状況なら妥協もするでしょう。それにもう何十年も花嫁を迎えていないから飢えているのよ。とにかくもう、似ているなら本人じゃなくていいから欲を満たしたいと思うはず」
「欲、ですか……? それってまさか……」
「決まっているでしょう、性欲よ。獣だから獣並の性欲を持っているわよ。本当ならすぐにでも貴女を巣に攫って心ゆくまで堪能したいと渇望しているでしょうね」
「ひっ……!? 気持ち悪い事を言わないでください!」
「貴女に危機感が足りないから忠告しているのよ! あいつを取り逃がせば確実にまた貴女を攫おうとやってくるわ。あの山百合は貴女を見つけるための目印よ。あれがある限り何処にいても貴女を追ってくるわ。それは嫌でしょう?」
「い、いやです、そんなの……」
これまで朧気だがあの獣に攫われたらどんな目に遭うかは理解していたつもりだった。
だがこうやって言葉にされると耐えがたいほどの怖気が全身に走る。
「だったら当日までにわたくしに似た外見の女を用意しなさい。流石に顔も体もそっくりな人物は無理でも、背丈と雰囲気くらいは似せられるでしょう」
「……素朴な疑問なのですが、何故わたくしに似た女性ではなく貴女なのですか?」
狙われているのは自分なのに、何故あえてカロリーナに似た女性を身代わりにするのか。
どうでもいいことかもしれないが妙に気になる。
「そんなの、貴女が所詮わたくしに代替品でしかないからよ。あいつが求めているのはわたくしだからね。代替品の代替品より、本物の代替品の方が目を引くでしょう?」
「ええ……わたくしは代替品なのにここまで執着されているのですか? 納得がいかない……」
「馬鹿ね、獣に貴女の物差しを当て嵌めても意味ないわ。そんなことより、わたくしの言う通りにしなさい。そうすれば貴女はあの獣から狙われることもなくなり、好きな殿方と幸せに生きていくことができるわ」
「それは嬉しいですけど……そうなると、その身代わりの女性はどうなるのですか?」
どうなるかなんて大体想像がつく。
それでもカロラインは目の前の女性の口からそれを聞きたかった。
「どうって、そんなのわたくしと同じ目に遭うに決まっているじゃないの? 散々あいつのお相手を務めさせられた挙句に捨てられるわよ」
なんてことのないように言うカロリーナにゾッとした。
自分だってそれが辛かったのに、他人が同じ目に遭うことを何とも思っていない彼女が恐ろしく感じる。
「いや、それは駄目ですよ……。いくら何でも無関係の女性をそんな目に遭わせるわけには……」
「どうして? 金があればいくらでもそんな人間用意できるわよ? 平民相手なら別に金を払えばどう扱っても構わないでしょう?」
平然と言うカロリーナにカロラインは血の気が引いた。
一昔前までは確かに彼女のように人を人とも思わない、平民相手なら何をしてもいいと考える傲慢な貴族が多かったと聞く。
だがカロラインにはその考えは許容できない。
自分が助かるために誰かを犠牲になどすれば、耐えがたい罪悪感に押しつぶされてしまう。
「……教皇猊下に相談してみます」
「そうね、そうしなさい」
はっきりと断ってしまいたかったが、それを目の前の傲慢な女性は許さないだろう。なので、カロラインは曖昧な返答で濁した。
心の内にあるものを全て話して満足したのか、カロリーナは花が綻ぶように微笑む。
「ピエール様へブーケを渡すことを忘れないでね? それと『ご武運をお祈りしております』とも伝えてちょうだい!」
恥じらいながらもそう告げる彼女の顔はまさに恋する乙女そのもの。
その無邪気さと艶やかさを兼ね備えた表情はカロラインには真似できないものだった。
もし、あの獣が彼女のこういう部分を好んでいるのだとしたら、確かに自分は代替品だろう。
こんな風に喜怒哀楽を表に出すことは出来ないから。
(なんか……カロリーナってリーナさんによく似ているわね)
心のままに行動するカロリーナを見ていると、欲のままに行動していたリーナを思い出す。
彼女もこうして無邪気な子供のように表情をくるくると変えていた。
もし身代わりの花嫁にするとしたら、彼女が適任だろう。
ふと浮かんだ考えをカロラインは慌てて消した。
いくら婚約者を奪った女といえども、そこまでの報復はしたくない。
そうしているうちに目の前の空間が消え始め、今度こそカロラインは夢も見ないほどの深い眠りへと落ちていった。
「え……それは、わたくしがカロリーナさんの生まれ変わりだからでしょう?」
「ええ、そうね。でもそれは生前のわたくしを愛していたから、というロマンチックなものでは決してないわ。わたくしの容姿があいつの好みそのものだからという、くだらない理由よ」
「は……? 容姿が好み……? え、まさか……それだけの理由で!?」
「そうよ。生まれ変わりがどうたら言っているけれど、ただ単純に貴女の外見がたまたまわたくしに似ていた。それだけよ。どうせ生まれ変わり云々を語れば女が自分に運命じみたものを感じてくれるとでも思っているんでしょう。そういうところだけは知恵が働くのよね」
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「あ……そういえばそうでしたね。あの時彼は『人の子が来るなんて珍しい』と白々しい事言っていましたけど……あれって彼がわたくしをあの場に招いたのですよね?」
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だが、ずっと馬車の中にいた自分が意識だけ森の中に迷い込むなどという芸当が出来るはずもない。
どう考えてもあの青年の方から招いたと考えた方が自然だ。
「そうよ、わたくしの時も同じ台詞を言っていたわ。自分が攫ったなんて口にすれば相手が警戒すると分かっているからでしょうね。それで、貴女を見て初めてわたくしの生まれ変わりだと気付いたということは、攫う時には分からなかったということよ」
「あっ……確かに! てっきりわたくしをカロリーナさんの生まれ変わりだと判断したから招き入れたのだと思っていましたが、その時点では分かっていなかったというわけですね? え、じゃあ……どうしてわたくしを?」
「そんなの、貴女の外見がわたくしに似ていたからよ。髪色も瞳も違うけど、顔や体つきはわたくしによく似ているわ。単純に“好み”だから攫った、そして攫った相手はたまたま生前の妻の生まれ変わりだった、これを餌に口説き落としてやろう、という欲丸出しの行動ってだけよ」
「そんなくだらない理由でわたくしは狙われているのですか……?」
「そうよ。で、何故わたくしが身代わりの花嫁を用意しろと言ったかというと、つまりは貴女の身代わりを立てろということよ。ほら、貴女の恋人につけた貴女の匂いであいつをおびき寄せる作戦を立てていたでしょう?」
「ええ、そのようです……」
匂いと言われると何だか恥ずかしい。
恥ずかしさでカロラインはいたたまれず顔を逸らした。
「多分それにつられて姿を現すと思うの。それで、身代わりが男だと分かった瞬間、慌てて逃げだす確率が高いわ」
「ですが、猊下はあの獣が逃げ出す前に退治するおつもりです」
「……そうなることが一番だけど、万が一に備えていた方がいいと思うわ。一度逃げられてしまえば再びあいつを退治する機会なんていつ訪れるか分かりやしないもの。その間貴女はいつまたあの獣が自分を攫いに来るか怯えなければいけないのよ? そんなのは嫌でしょう?」
これからずっとあの獣に脅え続けることを想像し、カロラインは恐怖で顔面蒼白となった。
「そうならない為に身代わりの花嫁を用意しろと言っているのよ。貴女が手に入らなくとも、代わりの女を宛がってやれば妥協してそっちを巣に持ち帰るわ。その女にあの山百合を持たせれば一石二鳥ね。女ごと巣に持ち帰ってくれるから、形上は獣に山百合を返したことになるもの」
「ええ!? ちょっと待ってください! あれだけわたくしに執着していたのに、似た外見の女性がいたらそちらにいくのですか?」
「万全の状態だったらやらないかもしれないけど、今は弱っているからね。巣から何度も出られない状況なら妥協もするでしょう。それにもう何十年も花嫁を迎えていないから飢えているのよ。とにかくもう、似ているなら本人じゃなくていいから欲を満たしたいと思うはず」
「欲、ですか……? それってまさか……」
「決まっているでしょう、性欲よ。獣だから獣並の性欲を持っているわよ。本当ならすぐにでも貴女を巣に攫って心ゆくまで堪能したいと渇望しているでしょうね」
「ひっ……!? 気持ち悪い事を言わないでください!」
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「い、いやです、そんなの……」
これまで朧気だがあの獣に攫われたらどんな目に遭うかは理解していたつもりだった。
だがこうやって言葉にされると耐えがたいほどの怖気が全身に走る。
「だったら当日までにわたくしに似た外見の女を用意しなさい。流石に顔も体もそっくりな人物は無理でも、背丈と雰囲気くらいは似せられるでしょう」
「……素朴な疑問なのですが、何故わたくしに似た女性ではなく貴女なのですか?」
狙われているのは自分なのに、何故あえてカロリーナに似た女性を身代わりにするのか。
どうでもいいことかもしれないが妙に気になる。
「そんなの、貴女が所詮わたくしに代替品でしかないからよ。あいつが求めているのはわたくしだからね。代替品の代替品より、本物の代替品の方が目を引くでしょう?」
「ええ……わたくしは代替品なのにここまで執着されているのですか? 納得がいかない……」
「馬鹿ね、獣に貴女の物差しを当て嵌めても意味ないわ。そんなことより、わたくしの言う通りにしなさい。そうすれば貴女はあの獣から狙われることもなくなり、好きな殿方と幸せに生きていくことができるわ」
「それは嬉しいですけど……そうなると、その身代わりの女性はどうなるのですか?」
どうなるかなんて大体想像がつく。
それでもカロラインは目の前の女性の口からそれを聞きたかった。
「どうって、そんなのわたくしと同じ目に遭うに決まっているじゃないの? 散々あいつのお相手を務めさせられた挙句に捨てられるわよ」
なんてことのないように言うカロリーナにゾッとした。
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「どうして? 金があればいくらでもそんな人間用意できるわよ? 平民相手なら別に金を払えばどう扱っても構わないでしょう?」
平然と言うカロリーナにカロラインは血の気が引いた。
一昔前までは確かに彼女のように人を人とも思わない、平民相手なら何をしてもいいと考える傲慢な貴族が多かったと聞く。
だがカロラインにはその考えは許容できない。
自分が助かるために誰かを犠牲になどすれば、耐えがたい罪悪感に押しつぶされてしまう。
「……教皇猊下に相談してみます」
「そうね、そうしなさい」
はっきりと断ってしまいたかったが、それを目の前の傲慢な女性は許さないだろう。なので、カロラインは曖昧な返答で濁した。
心の内にあるものを全て話して満足したのか、カロリーナは花が綻ぶように微笑む。
「ピエール様へブーケを渡すことを忘れないでね? それと『ご武運をお祈りしております』とも伝えてちょうだい!」
恥じらいながらもそう告げる彼女の顔はまさに恋する乙女そのもの。
その無邪気さと艶やかさを兼ね備えた表情はカロラインには真似できないものだった。
もし、あの獣が彼女のこういう部分を好んでいるのだとしたら、確かに自分は代替品だろう。
こんな風に喜怒哀楽を表に出すことは出来ないから。
(なんか……カロリーナってリーナさんによく似ているわね)
心のままに行動するカロリーナを見ていると、欲のままに行動していたリーナを思い出す。
彼女もこうして無邪気な子供のように表情をくるくると変えていた。
もし身代わりの花嫁にするとしたら、彼女が適任だろう。
ふと浮かんだ考えをカロラインは慌てて消した。
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