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前期末考査 1
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シェリーから変わった後は特にトラブルもなく順調に進んでいった。
それぞれの順番の時に運転し、その他の時間で道具の準備をしたり、装備の点検をしたりと思い思いの時間を過ごしていった。
黒色地帯の一貫性のない景色、植生、塔のそばでは見ることのできない魔物の数々など普段ではお目にかかれない光景に退屈しない四日間であった。
「よし、じゃあ俺はここで結界を張ってキャンプ地を作っておくから行ってこい!」
スタークが大きな杭の魔導具を何本も抱えながらそう言って指差したのは目の前にある城だった。
「今回は建物状の迷宮ってことか。」
ケイトが新装備の着け具合を確かめながら呟く。
「用意していた荷物が役に立つ。」
クーロがほっとしたように胸をなでおろしていた。
女性陣2人は閉ざされた城門の前で何やら色々調べているようである。主にシェリーが城門に刻まれた古代語を辞書片手に読み進め、アナが珍しく真面目に警護していた。
「皆様!城門にはこう書かれております!偉大なる王の城 と!」
辞書をしまい、男性陣の方を振り向いたシェリーがそう大きな声で叫ぶといきなり城門が開いた。
「・・・これはどういうこと?」
油断することなくアナがシェリーに問いかける。
「鍵が開かなくて困ってましたが、まさか読めば開くとは。一定異常の知識を持つものしか入れないようになっているのでしょうか?」
シェリーも困惑気味に誰に問うでもなく呟く。
城門から見える景色は変わらないが、中に蠢くのは魔物の気配であった。城門から外へと出てこないところをみると城門の中がやはり迷宮ということであろう。遠くに白い大きなお城が見えている。
「じゃあ、とりあえずまずは城の中に入ることを目標に進もうか。」
ケイトが短杖に魔力を流すとオレンジ色のハンマーを作り出す。
「わかりました。幸い城門までの道のりはそこまで苦労しそうにはありませんので問題ないでしょう。」
シェリーが荷物を背負うとクーロの側へと寄ってくる。
そうして、前期末考査試験である迷宮探索が始まった。
轟く爆音、剣戟の音色、走る足音。遠足に行く子供たちのような笑顔の4人組を見ながらスタークは呟いた。
「世も末だわ」
襲ってきたイノシシを裏拳で仕留めているその姿は少しだけ哀愁が漂っていた。
それぞれの順番の時に運転し、その他の時間で道具の準備をしたり、装備の点検をしたりと思い思いの時間を過ごしていった。
黒色地帯の一貫性のない景色、植生、塔のそばでは見ることのできない魔物の数々など普段ではお目にかかれない光景に退屈しない四日間であった。
「よし、じゃあ俺はここで結界を張ってキャンプ地を作っておくから行ってこい!」
スタークが大きな杭の魔導具を何本も抱えながらそう言って指差したのは目の前にある城だった。
「今回は建物状の迷宮ってことか。」
ケイトが新装備の着け具合を確かめながら呟く。
「用意していた荷物が役に立つ。」
クーロがほっとしたように胸をなでおろしていた。
女性陣2人は閉ざされた城門の前で何やら色々調べているようである。主にシェリーが城門に刻まれた古代語を辞書片手に読み進め、アナが珍しく真面目に警護していた。
「皆様!城門にはこう書かれております!偉大なる王の城 と!」
辞書をしまい、男性陣の方を振り向いたシェリーがそう大きな声で叫ぶといきなり城門が開いた。
「・・・これはどういうこと?」
油断することなくアナがシェリーに問いかける。
「鍵が開かなくて困ってましたが、まさか読めば開くとは。一定異常の知識を持つものしか入れないようになっているのでしょうか?」
シェリーも困惑気味に誰に問うでもなく呟く。
城門から見える景色は変わらないが、中に蠢くのは魔物の気配であった。城門から外へと出てこないところをみると城門の中がやはり迷宮ということであろう。遠くに白い大きなお城が見えている。
「じゃあ、とりあえずまずは城の中に入ることを目標に進もうか。」
ケイトが短杖に魔力を流すとオレンジ色のハンマーを作り出す。
「わかりました。幸い城門までの道のりはそこまで苦労しそうにはありませんので問題ないでしょう。」
シェリーが荷物を背負うとクーロの側へと寄ってくる。
そうして、前期末考査試験である迷宮探索が始まった。
轟く爆音、剣戟の音色、走る足音。遠足に行く子供たちのような笑顔の4人組を見ながらスタークは呟いた。
「世も末だわ」
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