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魏編4 後半世代編
何晏6 うざい
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何晏、鄧颺令管輅作卦,云:「不知位至三公不?」卦成,輅稱引古義,深以戒之。颺曰:「此老生之常談。」晏曰:「知幾其神乎!古人以為難。交疏吐誠,今人以為難。今君一面盡二難之道,可謂『明德惟馨』。詩不云乎:『中心藏之,何日忘之!』」(規箴6)
何晏と鄧颺は、占い師の管輅に
「俺たち三公になれるかな?」
と聞いた。
管輅、占いの結果を示して、
そんな危ないこと言うんじゃありませんよ、
と二人に注意した。
鄧颺、はっと笑う。
「あー、これだからジイさんは」
と、そこに何晏が言う。
「幾を知るは其れ神か、
とは易経にも載っている言葉だ。
微細なる兆しを探り当てることは、
昔の人であっても難しかった。
また管先生は、
我々と交流があるわけではない。
いまの人間は、縁遠いものに対し、
敢えて直言で諫めることを
難しく思っている。
先生、今あなた様は、
昔の人、今の者たちが
共に難しいと感じていたことを、
たちどころに為してくださった。
まさにこれは書経に言う
明德、これ馨しでありましょう。
あなた様の徳のかぐわしさには
すっかり心酔させられました。
いま、私には、詩経の
この言葉が回っております。
中心に之を藏す、
何れの日にか之を忘れん。
あなた様の言葉を
胸のうちにしっかりとしまい込み、
いつまでも忘れずにおれましょうか」
うーんこの。
○
管輅
占いの達人。とりあえず世説新語に注をつけた劉孝標がかれのことを大好きなのはよくわかった。あんまりにも長いので訳しませんが、管輅についての劉注を示すとこんな感じです。
輅別傳曰:「輅字公明,平原人也。明周易,聲發徐州。冀州刺史裴徽舉秀才,謂曰:『何、鄧二尚書有經國才略,於物理無不精也。何尚書神明清徹,殆破秋豪,君當慎之。自言不解易中九事,必當相問。比至洛,宜善精其理。』輅曰:『若九事皆至義,不足勞思。若陰陽者,精之久矣。』輅至洛陽,果為何尚書問,九事皆明。何曰:『君論陰陽,此世無雙也。』時鄧尚書在曰:『此君善易,而語初不論易中辭義,何邪?』輅答曰:『夫善易者,不論易也。』何尚書含笑贊之曰:『可謂要言不煩也。』因謂輅曰:『聞君非徒善論易,至於分蓍思爻,亦為神妙,試為作一卦,知位當至三公不?又頃夢青蠅數十來鼻頭上,驅之不去,有何意故?』輅曰:『鴟鴞,天下賤鳥也。及其在林食桑椹,則懷我好音。況輅心過草木,注情葵藿,敢不盡忠?唯察之爾。昔元、凱之相重華,宣慈惠和,仁義之至也。周公之翼成王,坐以待旦,敬慎之至也。故能流光六合,萬國咸寧,然後據鼎足而登金鉉,調陰陽而濟兆民,此履道之休應,非卜筮之所明也。今君侯位重山岳,勢若雷霆,望雲赴景,萬里馳風。而懷德者少,畏威者眾,殆非小心翼翼,多福之士。又鼻者,艮也,此天中之山,高而不危,所以長守貴也。今青蠅臭惡之物,而集之焉。位峻者顛,輕豪者亡,必至之分也。夫變化雖相生,極則有害。虛滿雖相受,溢則有竭。聖人見陰陽之性,明存亡之理,損益以為衰,抑進以為退。是故山在地中曰謙,雷在天上曰大壯。謙則裒多益寡,大壯則非禮不履。伏願君侯上尋文王六爻之旨,下思尼父彖象之義,則三公可決,青蠅可驅。』鄧曰:『此老生之常談。』輅曰:『夫老生者,見不生。常談者,見不談也。』」
本編の六倍ってお前。
易経繋辞下伝
子曰 知幾其神乎
君子 上交不諂 下交不穢
其知幾乎
孔子はいう。きざしを知ること、
それは神わざというべきだろうか。
上と交わってへつらうこともなく、
下と交わってあなどることもない。
その区別できる君子こそ、
きざしを知るものであろう。
書経 君陳
我聞曰
至治馨香 感于神明
黍稷非馨 明德惟馨
私は聞いたことがある。
至上の政治には、
豊かな風合いがもたらされる。
神の如き徳の体現である。
そこに感ぜられる香りは、
採れたての穀物の芳しさにも
似ているようだが、違う。
ああ、明徳の、なんと芳しきことよ。
詩経小雅 隰桑(よめない)
隰桑有阿 其葉有難
既見君子 其樂如何
隰桑有阿 其葉有沃
既見君子 云何不樂
隰桑有阿 其葉有幽
既見君子 德音孔膠
心乎愛矣 遐不謂矣
中心藏之 何日忘之
生き生きと茂る桑の葉の向こう、
君子が楽しそうにしている。
私も、何やら楽しくなってきた。
君子と語れば、その一言一言が
しっかと私の心に張り付いてくる。
あぁ、なんと満ち足りたることよ。
この気持ちを心の中心に据え、
いつまでも忘れないようにしたいものよ。
つまりどういうことかって、意識高い人がリスペクトする人に認められたいからってASAP的にコミットしようとストロークをプレゼンテーションしてる感じですね。おともだちの鄧颺くんをダシにして。あー、知ってる知ってる、やったことあるよそれ、レベルは遥かに低いけど。あー、つらいわ。見てて。
何晏と鄧颺は、占い師の管輅に
「俺たち三公になれるかな?」
と聞いた。
管輅、占いの結果を示して、
そんな危ないこと言うんじゃありませんよ、
と二人に注意した。
鄧颺、はっと笑う。
「あー、これだからジイさんは」
と、そこに何晏が言う。
「幾を知るは其れ神か、
とは易経にも載っている言葉だ。
微細なる兆しを探り当てることは、
昔の人であっても難しかった。
また管先生は、
我々と交流があるわけではない。
いまの人間は、縁遠いものに対し、
敢えて直言で諫めることを
難しく思っている。
先生、今あなた様は、
昔の人、今の者たちが
共に難しいと感じていたことを、
たちどころに為してくださった。
まさにこれは書経に言う
明德、これ馨しでありましょう。
あなた様の徳のかぐわしさには
すっかり心酔させられました。
いま、私には、詩経の
この言葉が回っております。
中心に之を藏す、
何れの日にか之を忘れん。
あなた様の言葉を
胸のうちにしっかりとしまい込み、
いつまでも忘れずにおれましょうか」
うーんこの。
○
管輅
占いの達人。とりあえず世説新語に注をつけた劉孝標がかれのことを大好きなのはよくわかった。あんまりにも長いので訳しませんが、管輅についての劉注を示すとこんな感じです。
輅別傳曰:「輅字公明,平原人也。明周易,聲發徐州。冀州刺史裴徽舉秀才,謂曰:『何、鄧二尚書有經國才略,於物理無不精也。何尚書神明清徹,殆破秋豪,君當慎之。自言不解易中九事,必當相問。比至洛,宜善精其理。』輅曰:『若九事皆至義,不足勞思。若陰陽者,精之久矣。』輅至洛陽,果為何尚書問,九事皆明。何曰:『君論陰陽,此世無雙也。』時鄧尚書在曰:『此君善易,而語初不論易中辭義,何邪?』輅答曰:『夫善易者,不論易也。』何尚書含笑贊之曰:『可謂要言不煩也。』因謂輅曰:『聞君非徒善論易,至於分蓍思爻,亦為神妙,試為作一卦,知位當至三公不?又頃夢青蠅數十來鼻頭上,驅之不去,有何意故?』輅曰:『鴟鴞,天下賤鳥也。及其在林食桑椹,則懷我好音。況輅心過草木,注情葵藿,敢不盡忠?唯察之爾。昔元、凱之相重華,宣慈惠和,仁義之至也。周公之翼成王,坐以待旦,敬慎之至也。故能流光六合,萬國咸寧,然後據鼎足而登金鉉,調陰陽而濟兆民,此履道之休應,非卜筮之所明也。今君侯位重山岳,勢若雷霆,望雲赴景,萬里馳風。而懷德者少,畏威者眾,殆非小心翼翼,多福之士。又鼻者,艮也,此天中之山,高而不危,所以長守貴也。今青蠅臭惡之物,而集之焉。位峻者顛,輕豪者亡,必至之分也。夫變化雖相生,極則有害。虛滿雖相受,溢則有竭。聖人見陰陽之性,明存亡之理,損益以為衰,抑進以為退。是故山在地中曰謙,雷在天上曰大壯。謙則裒多益寡,大壯則非禮不履。伏願君侯上尋文王六爻之旨,下思尼父彖象之義,則三公可決,青蠅可驅。』鄧曰:『此老生之常談。』輅曰:『夫老生者,見不生。常談者,見不談也。』」
本編の六倍ってお前。
易経繋辞下伝
子曰 知幾其神乎
君子 上交不諂 下交不穢
其知幾乎
孔子はいう。きざしを知ること、
それは神わざというべきだろうか。
上と交わってへつらうこともなく、
下と交わってあなどることもない。
その区別できる君子こそ、
きざしを知るものであろう。
書経 君陳
我聞曰
至治馨香 感于神明
黍稷非馨 明德惟馨
私は聞いたことがある。
至上の政治には、
豊かな風合いがもたらされる。
神の如き徳の体現である。
そこに感ぜられる香りは、
採れたての穀物の芳しさにも
似ているようだが、違う。
ああ、明徳の、なんと芳しきことよ。
詩経小雅 隰桑(よめない)
隰桑有阿 其葉有難
既見君子 其樂如何
隰桑有阿 其葉有沃
既見君子 云何不樂
隰桑有阿 其葉有幽
既見君子 德音孔膠
心乎愛矣 遐不謂矣
中心藏之 何日忘之
生き生きと茂る桑の葉の向こう、
君子が楽しそうにしている。
私も、何やら楽しくなってきた。
君子と語れば、その一言一言が
しっかと私の心に張り付いてくる。
あぁ、なんと満ち足りたることよ。
この気持ちを心の中心に据え、
いつまでも忘れないようにしたいものよ。
つまりどういうことかって、意識高い人がリスペクトする人に認められたいからってASAP的にコミットしようとストロークをプレゼンテーションしてる感じですね。おともだちの鄧颺くんをダシにして。あー、知ってる知ってる、やったことあるよそれ、レベルは遥かに低いけど。あー、つらいわ。見てて。
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そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。
日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。
この小説は真実の物語です。
「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」
どうぞ、お楽しみ下さい。
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そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
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