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別れ
しおりを挟む「ともやどういう事だよ。」
先に静寂を破ったのはケンジだった。さっきまでとは違い真剣な眼差しで僕のことをしっかりと見据えている。
「どういうって言葉の通りだよ。」
あまりにも真っ直ぐなその目に戸惑いながらも僕は冷静を装い平然と答えた。
「答えになってねえよ。ハッキリとワケを話してくれよ。」
「…………ケンジが弱いからだよ。」
「えっ?」
「僕のことを守るって言って……。ボロボロになって……。ケンジが弱いからだよ!!」
「ともや……。」
そんなこと思ってない。僕はぼくのせいで誰かが傷つくのがただ嫌なだけなのに。でも1度出た言葉は元に戻らず僕はそのままの勢いでケンジに別れを告げた。
「俺が弱いからか…。」
「じゃあ、もう僕は行くから。」
そういいきびきをかえして扉をあけようとドアノブに手を伸ばしたときケンジに呼び止められた。
「ともや最後に一つだけ聞かせてくれ。それが本当にお前の本音かよ?」
先程までとは違いケンジらしくない勢いのない声でそう聞かれた。思わず本音じゃない。そんな言葉を言いそうになったがそれをぐっと抑えてあくまで淡々とつげた。
「そうだよ。わかったらもう僕にかかわらないで。バイバイケンジ……。」
そう言って僕は部屋を出るとそのままその場を離れた。
「おいおい、ホントにこれでいいのかよぉ。」
「ともやがそう言うならどうしようもねえだろ。」
ともやが居なくなりケンジだけとなった部屋に何故かケンジと合わせて2人分の声が響いていた。もうひとつの声は赤い光を放ちながら部屋の中を飛び回る丸い塊から聞こえていた。
「かぁー。俺のマスターは意気地がねえなぁー。」
「じゃあ、どうしろって言うんだよ!」
「どうするもこうするもねえだろうがマスターよぉ。マスターはアイツのさよなら言ってた時の顔ちゃんとみたかぁ?」
「見たけどなんだよ。」
「はぁー。ホントにマスターは鈍いなぁ。お前好きなやつにあんな顔させていいのかよぉ。」
「なっ俺は別にともやのこと好きじゃ……。」
「好きじゃねえとはいわせねえぞぉ?」
「……。」
「まあ、それはいいけどよぉ。けどなぁ、仮にも男が1度助けたいおもった相手にあんな顔させてんじゃねえよぉ。」
「ならどうしろってんだよ!」
「強くなればいいだろぉ?俺のこともっとちゃんと使ってくれよぉマスター。」
「けどお前は危険だ。」
「俺のこと使えれば今よりも何倍も強くなれんぜぇ?」
「……あぁ。わかった。」
「じゃあ、改めてよろしく頼むぜぇ?マスター。」
「おう。」
「じゃあ、まずはケガをさっさと治さねえとだなぁ。これから忙しくなるぜぇ?」
「おう。ともや待ってろよ。ちゃんと迎えに行くからな。」
新たな決意を胸に秘めたケンジの周りを浮いているその赤い光は先程までとは違いまるで笑っているようだった。
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