24 / 27
青年ユエルとの対話
しおりを挟む彼に手を引っ張られ向かったベンチに腰掛けた僕は改めてその青年の姿をじっと見つめた。
なにか整髪料でも使われてそうな整えられた金髪の髪に青くて綺麗な目そして身長が高く整った顔つきの彼は僕がいた世界ならきっと王子様とみんなから呼ばれていそうな見た目をしていた。
「君の名前は?」
「.........ともや。」
初対面の全く知らない人間に、聞かれたとはいえ名前を答えるのはどうかと思ったが彼の有無を言わさない眼差しに僕はつい名前を答えてしまった。
「ともやか.........。いい名前だな。俺はユエル・ル.....いや、俺のことはユエルと呼び捨てにしてくれ。」
ユエルはそういいながら握手を求めてきた。その手を握り返しながらも何かユエル以外にも言おうとしていたことが気になり聞こうとするが、その前にユエルに話を始められ聞くタイミングを逃してしまった。
「全く俺と関わりのない君にだから言えるんだが俺には義理の兄と弟がいるんだ。けど、俺は彼らと幼いことを除いて会ったことがない。そんな俺の義理の兄が問題を起こしたらしく罰をうけるらしいんだ。けど俺にはそれを止められる力があるのに彼を助けることが出来ないんだ。」
「えっ.......なんで?」
「それは彼らが俺とは違い人間じゃなくて獣の血を引く獣人だからだ。だから俺は彼らに会うことが許されていないんだ。」
「そんな.........それだけで?」
「ああそうだ、それだけさ。たった血が、生みの親が違うってだけで兄弟なのに会うことも許されず助けることさえできないんだ。」
「獣人だからって理由で人と離されるなんてそんなのおかしいよ!」
「ああ、俺もそう思う。けどそれが規則でありルールなんだ。」
「ユエルはなんでそこまでしてそれを守るの?」
「俺がそれを破れば俺だけでなく彼らにも迷惑を掛けてしまう。そんなことをしてもきっと彼らは余計なことだとしか思わない。そしてそんな迷惑をかける俺の事をきっと歓迎してくれない.........。」
そんなことない、そう言おうとしたがそこまで隔離されているならユエルの兄弟がユエルのことをよく思ってないかもしれない。普通に考えたらそのまま会わないことが助けないで関わらないでいることがユエルとその兄弟のためかもしれない。でも……。
「そんなこと絶対ない!会って話さないとダメだよ!!」
「なんでともやはそう思うんだ?」
「それは……後悔して欲しくないから。」
「後悔?」
このまま何もしなかったら絶対ユエルは後悔する。このまま何もせずに兄弟が死ぬなんて。このままで終わるなんてダメだ!
「僕に考えがあります。さっき話を聞いてる中でひとつだけ思いついたことがあるんです。これならきっとその人たちを救えます!でも.......上手くいくかも分からないしこれ以上悪くならない自信も僕にはありません。それでもきいてくれますか?」
「ああ、構わない。俺にはこのまま彼が処刑されるのを待つしかないんだ。ともや教えてくれ。」
そう前置きするとユエルは強い決意を帯びた眼差しで僕の顔をじっと見つめてきた。
「じゃあ、いいます。それは…………。」
「分かった。早速それを試させて貰う。なんでそんな簡単なことに気づかなかったんだ。きっとそのやり方なら彼を救える!!ともや本当にありがとう!!」
「ただそのやり方が失敗すればユエルにも危害が加えられる可能性だってあります。気をつけてください。」
「ああ、そんなことは覚悟のうえだ。悪いが時間が無いすぐに取り掛からなければ!」
ユエルはそういい指笛を鳴らしまっ白い馬を呼ぶとそのまま馬の背に跨った。
「ともやありがとう。俺に言えることじゃないが君も前を向け。」
ユエルはそう言うとそのまま馬に乗って走り去ってしまった。
「ユエルが無事成功しますように.........。」
ユエルが馬に乗って走り去る後ろ姿を見ながら思わずそう口に出していた。これは自分の自己満足で今回のユエルのことが上手く行ったとしても決してケンジに対して言ったあの言葉が許される訳じゃない。そうだったとしてもぼくはユエルが言ってくれたその言葉に少しだけ救われたきがした。ふと見上げると先程までとは違い見上げた空は青く透き通っているかのように綺麗だった。。。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件
ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。
せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。
クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom ×
(自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。
『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。
(全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390
サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。
同人誌版と同じ表紙に差し替えました。
表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる