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みここと闇子

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疲れてダラダラ歩いてる人の方が目立つこの街。私も真似して背筋を伸ばして歩く。
 けれど、どうしても途中で人にぶつかりそうなる。そして、あたふたと内心焦り冷や汗が服の間から落ちる。
 駅に向かいこれから帰る人や、仲間を連れて飲みに行くために小声で奥さんに何時には帰るからと背中を丸めてる男の人。誰を待ってる訳でもないのに、真っ赤なドレスをつけてフェンスに寄りかかり当たりを見渡す美女。美しいきらびやかな衣装とバッグを身に付けて隣に高そうなスーツを着た人が夜の街へ向かっていく。
 初めてここに来た時は正直に言うと駅に何個も通路があり過ぎて、迷うどころか立ち止まってしまった。後後、やっと分かるようになった頃にやっと地元の友人に東京の駅はアリの巣みたいだよと言付けて少し面白おかしく話した。
 駅の改札も地元では切符がメインだったものが、逆にここでは切符で通れる改札が一つしかない。
ICカードを作ってなかった時は、改札を通るのにさえ汗がダラダラ止まらなかった。羅列された、電車の時刻表に四つ以上あるホーム。
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