トリップ先の私は既に他の人と結婚していた件

お好み焼きと美味しいご飯

「物騒だね、だけどみみ安心して。みみのこと何があっても守るから」
   はるくんは、私の様子を察したのかすぐに不安にならないよう言葉をかけてくれた。
「はるくん、いつも気遣ってくれてありがとう」
   良く気が利く人だと本当に思う。それに先回りをして、色々手伝ってくれる。こんな人はこの先もう会えないだろう。
「みみ、そういう時はね気付かないふりをして、ただありがとうで良いんだよ」
優しく微笑む彼の笑顔を見て心から安心する。
「ふふ、そうだね。ありがとう」
 そう言い終えた時に目がチカチカした。そう言えば、昨日は夜遅くまで本について語っていたからだろうか。
「嬢ちゃん…」
剛さんが少し心配そうに声を漏らす。
「みみ、寝転んでていいよ」
「ありがとう、はる」
ツインテールのまま、寝転んでて良いのだろうか。そんな事を考えながら少しソファに寝転ぶ。
「そうゆうことか…」
剛さんとはるくんが何か真剣に話していた。大切な話なら私も混ぜて欲しい。そんな事を思いながら暫しの睡眠に入った。
起きた時には、目の前で美味しそうな音がしていた。プレートの上で、クリーム色の個体にキャベツの千切りともう既に少し焼かれてるお肉が見える。
「ん…」
頭を優しく撫でられて、気持ちがいい。もっと撫でて欲しくて頬擦りをする。
「ふふ、可愛い」
    そんな事が聞こえたような聞こえてないような。なんかこの夢リアルに近いな。そう言えば、お好み焼きを作るんだった。お好み焼き…。
「あれ？」
ぱっちり目を覚ました時にはもう、二つのお好み焼きが出来上がっていて目の前に剛さんが居た。相変わらず頭が撫でられてるが、上を振り向く。
「…起きた？」
優しく微笑むんでるのは、はるくんだった。