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4話 水着で悩殺?
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昼食を終えかける頃には、わたしの緊張もすっかり解れていた。食べ物がどれも美味しいと事前にプリシラから聞いていたけれど、予想以上だ。調子に乗って食べ過ぎて持ってきた服が入らなくなる……なんてことにならないように気を付けないと。
食堂からは海が見えた。入り江になっていて、青い海と白い砂浜の組み合わせを見ていると心がわくわくしてくる。
ディオンと二人でその光景に見入っていると、デザートを持ってきたパウエルさんが話しかけてきた。
「この屋敷の裏口からしか行けない入り江となっております。波も穏やかなので、ここにお泊りになった方々は皆さま、海に浸かるなどして楽しんでいかれますよ」
「海に……浸かれるんですか?」
普通の服で入ったら、水を吸って重くなって動きづらくなりそうなものだけれど……まさか裸で? いやいや、いくら羽目を外すとなっても外で裸になるなんて敷居が高すぎる。
「水着という、水をはじく特殊な服がございます。この屋敷に用意がございますので、お貸ししましょうか?」
「面白そうだな。この後行ってみようか」
「ええ、そうね」
海の水に触れる機会なんてそうそうあるものではない。
「畏まりました。では、後ほど詳しい者を行かせます」
パウエルさんはそう言って微笑んだ。
***
大満足の食事を終えたわたしは、一旦ディオンと別れ、自分にあてがわれた部屋に戻ってきた。荷物は既に全部運び込まれている。備え付けの調度品は何から何まで、ランドルフやプリシラの屋敷にあるものと変わらないくらい質がいいものだ。窓からは小さく、公国の街が見える。
しばらくすると、部屋の扉が軽くノックされる音が聞こえた。
「どうぞ」
「失礼致します!」
元気な声と共に姿を見せたのは、十代の半ばくらいの二人の女の子だった。栗色の髪とそばかすのある顔が瓜二つ。きっと双子だ。使用人のお仕着せに身を包んでいる。確か、最初に挨拶をしてくれた中にもいた子たちだ。
「キャリィと申します」
「わたしはシャリィと申します」
頭をぺこっと下げて上げるところまで、完璧にタイミングが揃っている……正直なところ、キャリィとシャリィを見分けられる自信がない。
「この後、海に行かれるとお伺いしました。水着のご用意を致しますので、衣裳部屋にご案内させて頂いてもよろしいでしょうか?」
パウエルさんが言っていた詳しい者とは彼女たちのことのようだ。わたしは頷いた。
「ええ、よろしくお願いするわ」
***
双子の少女に連れられて来たのは、衣装ダンスが並んだ部屋だった。全身が映せる姿見もある。
「さてさて、水着はこちらです」
タンスの一つが開かれた。何やら色とりどりの服が見える。
「どれがいいですかねぇ……セシーリャ様はお綺麗なので何でも似合っちゃいますね」
「やっぱり白か青……いえ、ここはあえてピンクか黄色……黒というのもありですね」
キャリィとシャリィが二人して、水着と思しきものを取り出してはわたしに見えるようにして隣にあるついたてに吊るしていく。最初に挨拶に来たときよりも声が弾んでいるような。この衣裳部屋が、彼女たちの縄張りなのかもしれない。
「うーん、こんなものですか」
「いかがですかセシーリャ様、お気に召すものはございますか?」
双子がこちらを振り返り、ついたてにずらりと並べられた水着を指す。それらを見て、わたしは言葉を詰まらせた。
「えーと……これが水着なの?」
綺麗な色に染められたそれは、どれも上衣と下衣に分かれていた。そこまではいい。問題はその布面積だ。小さなリボンやフリルの飾りがあしらわれているけれど、どれも普段下着としてつけるものと形が似ている。首元、肩や腕はもちろん、お腹や脚まで丸見えになってしまう。
お腹を出して外を歩くなんてしたことないし、言っては何だけれどそんな格好をするのは流れ者の踊り子くらいだ。
「はい、どれも全部水着ですよ」
「あの……もう少し肌を見せないものはないのかしら。こういう感じの……」
今着ているワンピースの生地をつまんで見せたが、キャリィもシャリィも再びタンスに向き直ることはしなかった。
「あるにはありますけれど……今の流行りは断然、お出ししましたこの形ですよ」
「セシーリャ様には絶対、この形の方がお似合いですよ」
今までこの屋敷で休暇を楽しんだ人は皆、この格好で海に入ったというのか。
こんな水着姿でディオンの前に出て、浮かれているを通り越しておかしくなったと思われかねない。
「セシーリャ様! 水着姿の女性が嫌いな男の人なんてこの世にはおりません!」
わたしの思考を読み取ったかのように、双子がずい、と迫ってきた。
「セシーリャ様は今回、新婚旅行でおいでになったと伺っております。新婚旅行というのは、今後の夫婦生活を左右するとっても大事なものですよ!」
「何もこれを着て町中を歩けというのではないのです。二人だけで過ごす海辺という特別な状況で、旦那様にだけお見せすればいいのです!」
「今の幸せの上に胡坐をかくばかりではいけません! 時には大胆に踏み出すことも大切です!」
「あんなに格好良くて優しそうな旦那様なのですから、一生捕まえておかなければいけないでしょう!」
何、この状況……。
しかし、彼女たちの言うことは決して間違ってはいない。ディオンはわたしのために色々と尽くしてくれるが、それに寄りかかるばかりでは駄目だ。大魔術師としての役目に責任を持つことはもちろん、彼の奥さんとして自分に磨きをかける必要もある。
ここは思い切って彼女たちの言葉を信じることにしよう。わたしは覚悟を決めて目の前に並んだ水着たちと向き合った。
「……無難なのは、やっぱりこれかしら」
白いものを手にとった。上衣の胸のところにリボン飾りがついているだけの、比較的シンプルなデザインだ。
うーん、でもやっぱり恥ずかしい……。水着とにらめっこするわたしを見かねてか、双子のうちの一人が、再び手をタンスの中に差し入れた。取り出したのは、白地に水色、紫、赤といった花が描かれたふくらはぎ丈のスカートのようなものだ。
「どうしてもお恥ずかしいということであれば、下衣の上からこれを巻くのも良いですよ」
「それもお借りできるかしら!」
食い気味にわたしは答えた。少なくともこれで脚はある程度隠せる。
「では、お着換えをお手伝い致しますね!」
「旦那様をあまりお待たせしてはいけないので、ささっと済ませてしまいましょう!」
キャリィとシャリィは揃って、無邪気な笑顔を見せた。
***
ゆるっと人物紹介⑤ キャリィ・ヴォールター&シャリィ・ヴォールター
蒼水晶邸の使用人で双子の姉妹。必要に応じて給仕や掃除も行うが、専門は着替えの手伝いやヘアメイク。
使用人歴自体はまだ浅いが、息のあった連携で仕事をこなす。
少々お喋りが過ぎることもあるけれど、お洒落をしたお客様が笑顔になるのを見るのが何より好きないい子たち。
食堂からは海が見えた。入り江になっていて、青い海と白い砂浜の組み合わせを見ていると心がわくわくしてくる。
ディオンと二人でその光景に見入っていると、デザートを持ってきたパウエルさんが話しかけてきた。
「この屋敷の裏口からしか行けない入り江となっております。波も穏やかなので、ここにお泊りになった方々は皆さま、海に浸かるなどして楽しんでいかれますよ」
「海に……浸かれるんですか?」
普通の服で入ったら、水を吸って重くなって動きづらくなりそうなものだけれど……まさか裸で? いやいや、いくら羽目を外すとなっても外で裸になるなんて敷居が高すぎる。
「水着という、水をはじく特殊な服がございます。この屋敷に用意がございますので、お貸ししましょうか?」
「面白そうだな。この後行ってみようか」
「ええ、そうね」
海の水に触れる機会なんてそうそうあるものではない。
「畏まりました。では、後ほど詳しい者を行かせます」
パウエルさんはそう言って微笑んだ。
***
大満足の食事を終えたわたしは、一旦ディオンと別れ、自分にあてがわれた部屋に戻ってきた。荷物は既に全部運び込まれている。備え付けの調度品は何から何まで、ランドルフやプリシラの屋敷にあるものと変わらないくらい質がいいものだ。窓からは小さく、公国の街が見える。
しばらくすると、部屋の扉が軽くノックされる音が聞こえた。
「どうぞ」
「失礼致します!」
元気な声と共に姿を見せたのは、十代の半ばくらいの二人の女の子だった。栗色の髪とそばかすのある顔が瓜二つ。きっと双子だ。使用人のお仕着せに身を包んでいる。確か、最初に挨拶をしてくれた中にもいた子たちだ。
「キャリィと申します」
「わたしはシャリィと申します」
頭をぺこっと下げて上げるところまで、完璧にタイミングが揃っている……正直なところ、キャリィとシャリィを見分けられる自信がない。
「この後、海に行かれるとお伺いしました。水着のご用意を致しますので、衣裳部屋にご案内させて頂いてもよろしいでしょうか?」
パウエルさんが言っていた詳しい者とは彼女たちのことのようだ。わたしは頷いた。
「ええ、よろしくお願いするわ」
***
双子の少女に連れられて来たのは、衣装ダンスが並んだ部屋だった。全身が映せる姿見もある。
「さてさて、水着はこちらです」
タンスの一つが開かれた。何やら色とりどりの服が見える。
「どれがいいですかねぇ……セシーリャ様はお綺麗なので何でも似合っちゃいますね」
「やっぱり白か青……いえ、ここはあえてピンクか黄色……黒というのもありですね」
キャリィとシャリィが二人して、水着と思しきものを取り出してはわたしに見えるようにして隣にあるついたてに吊るしていく。最初に挨拶に来たときよりも声が弾んでいるような。この衣裳部屋が、彼女たちの縄張りなのかもしれない。
「うーん、こんなものですか」
「いかがですかセシーリャ様、お気に召すものはございますか?」
双子がこちらを振り返り、ついたてにずらりと並べられた水着を指す。それらを見て、わたしは言葉を詰まらせた。
「えーと……これが水着なの?」
綺麗な色に染められたそれは、どれも上衣と下衣に分かれていた。そこまではいい。問題はその布面積だ。小さなリボンやフリルの飾りがあしらわれているけれど、どれも普段下着としてつけるものと形が似ている。首元、肩や腕はもちろん、お腹や脚まで丸見えになってしまう。
お腹を出して外を歩くなんてしたことないし、言っては何だけれどそんな格好をするのは流れ者の踊り子くらいだ。
「はい、どれも全部水着ですよ」
「あの……もう少し肌を見せないものはないのかしら。こういう感じの……」
今着ているワンピースの生地をつまんで見せたが、キャリィもシャリィも再びタンスに向き直ることはしなかった。
「あるにはありますけれど……今の流行りは断然、お出ししましたこの形ですよ」
「セシーリャ様には絶対、この形の方がお似合いですよ」
今までこの屋敷で休暇を楽しんだ人は皆、この格好で海に入ったというのか。
こんな水着姿でディオンの前に出て、浮かれているを通り越しておかしくなったと思われかねない。
「セシーリャ様! 水着姿の女性が嫌いな男の人なんてこの世にはおりません!」
わたしの思考を読み取ったかのように、双子がずい、と迫ってきた。
「セシーリャ様は今回、新婚旅行でおいでになったと伺っております。新婚旅行というのは、今後の夫婦生活を左右するとっても大事なものですよ!」
「何もこれを着て町中を歩けというのではないのです。二人だけで過ごす海辺という特別な状況で、旦那様にだけお見せすればいいのです!」
「今の幸せの上に胡坐をかくばかりではいけません! 時には大胆に踏み出すことも大切です!」
「あんなに格好良くて優しそうな旦那様なのですから、一生捕まえておかなければいけないでしょう!」
何、この状況……。
しかし、彼女たちの言うことは決して間違ってはいない。ディオンはわたしのために色々と尽くしてくれるが、それに寄りかかるばかりでは駄目だ。大魔術師としての役目に責任を持つことはもちろん、彼の奥さんとして自分に磨きをかける必要もある。
ここは思い切って彼女たちの言葉を信じることにしよう。わたしは覚悟を決めて目の前に並んだ水着たちと向き合った。
「……無難なのは、やっぱりこれかしら」
白いものを手にとった。上衣の胸のところにリボン飾りがついているだけの、比較的シンプルなデザインだ。
うーん、でもやっぱり恥ずかしい……。水着とにらめっこするわたしを見かねてか、双子のうちの一人が、再び手をタンスの中に差し入れた。取り出したのは、白地に水色、紫、赤といった花が描かれたふくらはぎ丈のスカートのようなものだ。
「どうしてもお恥ずかしいということであれば、下衣の上からこれを巻くのも良いですよ」
「それもお借りできるかしら!」
食い気味にわたしは答えた。少なくともこれで脚はある程度隠せる。
「では、お着換えをお手伝い致しますね!」
「旦那様をあまりお待たせしてはいけないので、ささっと済ませてしまいましょう!」
キャリィとシャリィは揃って、無邪気な笑顔を見せた。
***
ゆるっと人物紹介⑤ キャリィ・ヴォールター&シャリィ・ヴォールター
蒼水晶邸の使用人で双子の姉妹。必要に応じて給仕や掃除も行うが、専門は着替えの手伝いやヘアメイク。
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