嫌いなあいつが気になって

水ノ瀬 あおい

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頼れよ

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 新学期の何がいいって、座席は番号順。
 いや、今までだったら不機嫌マックスの並び順ではある。
 俺の前にいるのは宮部だから。
 だが、目で追ってしまう今ならば話は別だ。
 これで今月しばらくは宮部が目の前に居るし、席替えをしてもテストの時は常に前に宮部が居ることが確定した。はずなのに、

「はぁ!?」

 俺はクラスに入って、既に席に着いていた宮部が座っている場所を見て思わず声を出す。
 あいつが座っているのは真ん中の列の一番後ろ。つまり……

「う~わぁ、琉生、一番前じゃん!ウケる!」
「ウケねぇよっ!!」

 黒板に貼られた座席表を見て笑う美空に即突っ込んで俺は廊下側の一番前に肩に引っ掛けていたリュックを投げた。
 はぁっ!?何でここで途切れんだよ!?
 心の中でやりきれない思いをぶつけてながら、“村山”、“目黒”“山田”、“吉野”、“渡邉”……今年は俺の後ろにそれだけ居て舌打ちをする。
 せめて、宮部から前に……なんてことは言えない。

「琉生ー!よかったじゃん!あの人は後ろだから!」

 去年、約一年あいつを嫌ってきた代償はデカい。

「美空、ここだから琉生とも近いし、武っち隣だし更にその横も凛華で嬉し~いっ!」

 俺の斜め後ろに座って笑う美空を見ると、確かにその左隣は武野で更に隣は凛華だった。しかも、

「おーい!お前ら席に着けよー!」
「え、くーちゃんじゃん!やった~っ!!」

 俺のすぐ目の前のドアから入ってきたのは工藤。

「そこ、座れ!いいか?この二年二組の担任をすることになりました、工藤一夏いちかです」

 工藤の挨拶を聞き流しながら今まではなかったその左手に光るリングをぼんやりと眺めた。
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