50 / 134
体育祭
7
しおりを挟む
第一組、二組が走り終わって、あっという間に最後……ヒサがスタートラインに立つ。
「モト先輩、ケガしないで下さいね」
「ジジイかよ。大丈夫!俺、今も週三でバスケやってるから!」
笑いながらモト先輩もバトンをもらう位置に立った。
煽るようなアナウンスがあって一瞬の静寂。
ピストルの音と共にヒサは勢いよく飛び出す。
「ヤベ……マジ速いな」
言うモト先輩は嬉しそうだ。
ヒサはすぐに体一つ分飛び出してそのまま一気に差をつけてモト先輩にボールを渡す。
「凄いな」
走ってきたヒサに声を掛けると、ヒサは軽く息を吐き出してすぐに息もほとんど乱さず笑ってモト先輩を目で追った。
「いつも初心者の俺に色々気を遣ってもらってるんで!」
モト先輩もさすが普段から体を動かしているだけあってスピードを保ったままもうトモにバトンを渡す。
「男バス!早く準備して下さい!」
あまりにもの速さに係に慌てて呼ばれて俺もトラックに足を踏み入れた。
「キャプテン!俺たちが余裕を持ってしっかり繋ぐんで、先輩はただ見守ってラスト決めて下さいね!」
笑うヒサに送り出されてトモからボールを受け取る。
「笑いは要らねぇぞ!さっさと決めちまえー!!」
トモの声を聞きながら走り出した俺は振り返っても後続は見えなかった。
俺にバトンが回ってくる時には半周も差がついているとか……ドリブルしながらでも勝てるじゃないか。
ダッシュまでしなくても余裕でそれなりに流しながらゴールテープを切る。
「へへっ!決勝~!」
ゴール位置に駆け付けてくれた全員の顔が頼もし過ぎて笑ってしまった。
出されたみんなの手にハイタッチをして俺たちはトモが掲げたボールを見上げる。
青い空に浮かぶオレンジのボールがやたら輝いて見えた。
「モト先輩、ケガしないで下さいね」
「ジジイかよ。大丈夫!俺、今も週三でバスケやってるから!」
笑いながらモト先輩もバトンをもらう位置に立った。
煽るようなアナウンスがあって一瞬の静寂。
ピストルの音と共にヒサは勢いよく飛び出す。
「ヤベ……マジ速いな」
言うモト先輩は嬉しそうだ。
ヒサはすぐに体一つ分飛び出してそのまま一気に差をつけてモト先輩にボールを渡す。
「凄いな」
走ってきたヒサに声を掛けると、ヒサは軽く息を吐き出してすぐに息もほとんど乱さず笑ってモト先輩を目で追った。
「いつも初心者の俺に色々気を遣ってもらってるんで!」
モト先輩もさすが普段から体を動かしているだけあってスピードを保ったままもうトモにバトンを渡す。
「男バス!早く準備して下さい!」
あまりにもの速さに係に慌てて呼ばれて俺もトラックに足を踏み入れた。
「キャプテン!俺たちが余裕を持ってしっかり繋ぐんで、先輩はただ見守ってラスト決めて下さいね!」
笑うヒサに送り出されてトモからボールを受け取る。
「笑いは要らねぇぞ!さっさと決めちまえー!!」
トモの声を聞きながら走り出した俺は振り返っても後続は見えなかった。
俺にバトンが回ってくる時には半周も差がついているとか……ドリブルしながらでも勝てるじゃないか。
ダッシュまでしなくても余裕でそれなりに流しながらゴールテープを切る。
「へへっ!決勝~!」
ゴール位置に駆け付けてくれた全員の顔が頼もし過ぎて笑ってしまった。
出されたみんなの手にハイタッチをして俺たちはトモが掲げたボールを見上げる。
青い空に浮かぶオレンジのボールがやたら輝いて見えた。
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる