わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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真摯に

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 ずっと俺の横柄な態度に対して陰口を言われることが多かった。
 長年それに慣れてきためにこんな何もかも認められたことはあまりない。
 しかも、公爵は同性であることも特に気にしてはいなかった。

「動物は同性間の性行動もよく見られるだろう?種を残すことが全てだなんて寂しいじゃないか」

 笑う公爵はロットルが用意してくれたチョコレートに手を伸ばす。

「人間は思考する生き物だからね?別に異性に限定するものではないと思うよ?」

 パクッと口に入れて微笑まれて、そんな肯定の言葉を聞くとは思っていなかった俺は拍子抜けしてしまった。

「それに色んなサライドくんをそれなりに見てきたつもりだけどね。陛下と居るきみは表情も穏やかだ」

 そのままテーブルの上を眺めてまたこっちを向く。

「この中にも……きみの好物があるのかな?」
「え?」

 ドキッとすると、公爵はロットルにレモンケーキを俺に取るように勧めた。
 すぐに慣れたようにロットルが皿に乗せてくれる。

「やっぱりね」

 当たって満足そうな公爵になぜかを尋ねると、公爵は楽しそうに笑った。

「簡単だよ。陛下はバターケーキがお好きだ。簡単に摘めるビスケットやチョコレートはよく見かけるがレモンケーキはあまりない」

 確かにそうかもしれない。

「それに紅茶にミルクが入っていないのもきみの好みかな?」

 完全にそうだった。
 ミルクが入っているのは当たり前ではあるが俺は苦手で、リューラもいつもブラックティー(何も入れない紅茶)を飲んでくれている。

「愛されているね」

 そんな言葉、照れくさくて落ち着かなかった。
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