215 / 343
ぎこちなく
5
しおりを挟む
「あぁ。北側の山沿いは獣害も酷いだろう?調査にも入ってもらった結果、山もかなり荒れていてね」
しかも、俺の知らない間にそんな調査まで進んでいたらしい。
少しくらい話してくれたって……そう思うのはガキだろうか?
年末年始もほぼ休みなく働いていたのはこうやってあらゆるものに手を回して先を見ているからかもしれない。
国全体……いや、リューラはきっと他国も頭に入れて遠い未来までも構想していそうだ。
ただの公爵子息である俺に言えないこともあるのはわかる。だが、
「山の一部を切り拓けばリンエット国との行き来も更にしやすくなる」
「いや!山を切り拓くなんてそんな簡単には……」
さすがに黙って聞いていられなくて口を挟む。
自然のものに手を加えるということはかなりの大掛かりだ。
周辺の環境だけでなく、生態も、必要となる労力も。なのに、
「それがね、ちょうど山の一部も崩れていたり、木が枯れていたりする場所がうまく使えるらしいんだ」
「崩れ……?」
やはり調査と考慮済みらしく既に俺がアレコレ言う隙はないらしい。
「あぁ。このままでは危険だからね。それなら切り拓いてちゃんと整備した方が安全だし、交易もしやすいだろう?」
この村の開発は俺の責任だったはずなのに。
俺には相談もなくここまで話が進んでいることが少しショックだった。
しかも、俺の知らない間にそんな調査まで進んでいたらしい。
少しくらい話してくれたって……そう思うのはガキだろうか?
年末年始もほぼ休みなく働いていたのはこうやってあらゆるものに手を回して先を見ているからかもしれない。
国全体……いや、リューラはきっと他国も頭に入れて遠い未来までも構想していそうだ。
ただの公爵子息である俺に言えないこともあるのはわかる。だが、
「山の一部を切り拓けばリンエット国との行き来も更にしやすくなる」
「いや!山を切り拓くなんてそんな簡単には……」
さすがに黙って聞いていられなくて口を挟む。
自然のものに手を加えるということはかなりの大掛かりだ。
周辺の環境だけでなく、生態も、必要となる労力も。なのに、
「それがね、ちょうど山の一部も崩れていたり、木が枯れていたりする場所がうまく使えるらしいんだ」
「崩れ……?」
やはり調査と考慮済みらしく既に俺がアレコレ言う隙はないらしい。
「あぁ。このままでは危険だからね。それなら切り拓いてちゃんと整備した方が安全だし、交易もしやすいだろう?」
この村の開発は俺の責任だったはずなのに。
俺には相談もなくここまで話が進んでいることが少しショックだった。
10
あなたにおすすめの小説
え、待って。「おすわり」って、オレに言ったんじゃなかったの?!【Dom/Sub】
水城
BL
マジメな元体育会系Subの旗手元気(はたて・げんき、二十代公務員)は、プチ社畜。
日曜日、夕方近くに起き出して、その日初めての食事を買いに出たところで、いきなり「おすわり」の声。
身体が勝手に反応して思わずその場でKneelする旗手だったが、なんと。そのcommandは、よその家のイヌに対してのモノだった。
犬の飼い主は、美少年な中学生。旗手は成り行きで、少年から「ごほうび」のささみジャーキーまで貰ってしまう始末。
え、ちょっと待って。オレってこれからどうなっちゃうの?! な物語。
本を読まない図書館職員と本が大好きな中学生男子。勘違いな出会いとそれからの話。
完結後の投稿です。
あなたがいい~妖精王子は意地悪な婚約者を捨てて強くなり、幼馴染の護衛騎士を選びます~
竜鳴躍
BL
―政略結婚の相手から虐げられ続けた主人公は、ずっと見守ってくれていた騎士と…―
アミュレット=バイス=クローバーは大国の間に挟まれた小国の第二王子。
オオバコ王国とスズナ王国との勢力の調整弁になっているため、オオバコ王国の王太子への嫁入りが幼い頃に決められ、護衛のシュナイダーとともにオオバコ王国の王城で暮らしていた。
クローバー王国の王族は、男子でも出産する能力があるためだ。
しかし、婚約相手は小国と侮り、幼く丸々としていたアミュレットの容姿を蔑み、アミュレットは虐げられ。
ついには、シュナイダーと逃亡する。
実は、アミュレットには不思議な力があり、シュナイダーの正体は…。
<年齢設定>※当初、一部間違っていたので修正済み(2023.8.14)
アミュレット 8歳→16歳→18歳予定
シュナイダー/ハピネス/ルシェル 18歳→26歳→28歳予定
アクセル 10歳→18歳→20歳予定
ブレーキ 6歳→14歳→16歳予定
【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる
ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。
この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。
ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。
【完結】異世界から来た鬼っ子を育てたら、ガッチリ男前に育って食べられた(性的に)
てんつぶ
BL
ある日、僕の住んでいるユノスの森に子供が一人で泣いていた。
言葉の通じないこのちいさな子と始まった共同生活。力の弱い僕を助けてくれる優しい子供はどんどん大きく育ち―――
大柄な鬼っ子(男前)×育ての親(平凡)
20201216 ランキング1位&応援ありがとうごございました!
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる