わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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ぎこちなく

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 強引にも程がある。
 俺が喚いているにも関わらず、引き摺られてあっという間に車に乗り込むことになった。
 しかも、どう考えてもエミリオがリューラの指示を先に聞いていたようにしか思えなくてイラつく。

「戻せ!」

 リューラの胸元を掴んで睨んだのに、

「えー?何で?やっと二人っきりだよ?」

 チュッと頬にキスをされて俺はゴシゴシと甲で擦った。

「あんな壮大な話俺は何一つ聞いてねぇし、それなら……」

 まともに聞いてもらえる気がしなくてとにかく車から降りようとする。
 村どころか、隣国も絡んだ開発なら相当な話になるから。
 しかし、今度は顎を捕らえられてピタリと口を合わせられた。

「ん、な……」

 文句を言おうにも隙間から舌が捩じ込まれて言葉にならない。
 しかも、もう俺の弱いところを知るリューラのキス。

「ん……ふ……っ」

 絡められて上顎をなぞられるとゾクッとして力が抜けてしまった。

「いざって時は任せられるようにリバーが居るんだよ?」
「だから、って……」

 もう一度軽くキスをして笑顔を向けられて、トロンとしてしまいながら口を開く。

「サラに早く触れたくて俺も仕事頑張ったんだけど……逆効果だった?」

 垂れた前髪を指で退かしながら言われて顔を背けた。
 頑張ったなんてレベルじゃないくせに。
 
「ねぇ、怒らないでよ」

 甘えるような声で言われてその体を押す。

「ちょっとくらい……言え」

 頼って欲しかったなんて言ったらニヤつかれそうで、俺はリューラの肩にくっついて顔を隠した。
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