わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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代償

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 サフィナと分かれて城に入ると、前から走って来たのはリューラだった。

「サラっ!」

 思いっきり抱き締められてその強さに呻く。

「お前なぁ」

 呆れを口にしようとしたのにそのまま塞がれてしまった。
 離れようとしても追いかけられて重ねられる唇。

「っ、お、前……こんなとこで!!」

 何とかその胸を押すと、リューラはまた俺を抱き締めてきた。

「我慢できなくて」

 項垂れつつも腕に込められる力は強い。
 俺がサフィナに会いに行ったのを気にしていたのだろうか?

「バカ、“できない”じゃなくて“しろ”!!」

 もう一度押して離れると、俺はジャケットを整えた。
 シュンとしているリューラに目をやってそっと息を吐き出す。

「そういうのは……」

 近付いてリューラのジャケットも直してやると、リューラは眉を下げたままこっちを見た。

「……部屋で二人だけの時にしろ」

 言ってから照れくさくなってそっぽを向く。
 だが、すぐに腕を掴んで引っ張っられた。

「なっ、おいっ!」
「今すぐに部屋に行こう!」
「バカ!お前は仕事しろ!」
「してたよ!めちゃくちゃした」

 立ち止まって見せてきたのは一枚の書類。
 それはサフィナの医療支援派遣の承認書類だった。

「いいんだろう?」

 期間は半年。
 そんなにもあいつは過酷な環境に身を置くつもりらしい。

「あいつの婿と結婚式の準備をして帰ってくるの待っててやっちゃ……ダメか?」
「いいんじゃない?」

 階段の脇に入って抱き寄せられる。








 だが、数日後ラグランドルに向かったサフィナがその結婚式の日を迎えることはなかった。
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