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悲嘆
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医師団の宿舎に襲撃があったと情報が入ったのはサフィナがラグランドルに向かってから約三ヶ月後。
日中の暑さはまだ残っているものの、朝晩は涼しくもなってきた頃だった。
だが、村にそんな情報が流れてくることはなく、何も知らなかった俺はいつものように王都に入って妙な静けさに首を傾げる。
それはエミリオと一緒にディオー村から戻ってきた作業員も同じだった。
「珍しいですね。こんな音楽も何もなく、花も白しかないなんてまるで……」
エミリオが言いかけた言葉の先は誰も口にできない。
浮かんだ嫌な予感は気の所為だと思いたかったからだ。
「……いつも通り城に向かってよろしいですか?」
作業員に聞かれて頷く。だが、
「待て!ちょっと停めろ!」
広場に人集りが見えて車を停めさせた。
普段ならそんなものを気にすることはない。
でも、今日はどうしても気になってすぐにでも確かめたかった。
このずっと感じている妙な焦りと嫌な予感。
「退け!」
エミリオが開けてくれるのも待たずに中からドアを開けて車から飛び出す。
かなりざわついたが民衆たちは俺に気付いてそろそろと道を開けた。
そこにあったのは大きな献花台。
たくさんの白い花の向こうに『ラグランドル医師団』の文字を見つけて駆け寄る。
「亡くなったのか!?その医師の名前はっ!?」
「し、知りませんっ!!」
近くに居た男の胸倉を掴むと、男は慌てたようにフルフルと首を横に振った。
日中の暑さはまだ残っているものの、朝晩は涼しくもなってきた頃だった。
だが、村にそんな情報が流れてくることはなく、何も知らなかった俺はいつものように王都に入って妙な静けさに首を傾げる。
それはエミリオと一緒にディオー村から戻ってきた作業員も同じだった。
「珍しいですね。こんな音楽も何もなく、花も白しかないなんてまるで……」
エミリオが言いかけた言葉の先は誰も口にできない。
浮かんだ嫌な予感は気の所為だと思いたかったからだ。
「……いつも通り城に向かってよろしいですか?」
作業員に聞かれて頷く。だが、
「待て!ちょっと停めろ!」
広場に人集りが見えて車を停めさせた。
普段ならそんなものを気にすることはない。
でも、今日はどうしても気になってすぐにでも確かめたかった。
このずっと感じている妙な焦りと嫌な予感。
「退け!」
エミリオが開けてくれるのも待たずに中からドアを開けて車から飛び出す。
かなりざわついたが民衆たちは俺に気付いてそろそろと道を開けた。
そこにあったのは大きな献花台。
たくさんの白い花の向こうに『ラグランドル医師団』の文字を見つけて駆け寄る。
「亡くなったのか!?その医師の名前はっ!?」
「し、知りませんっ!!」
近くに居た男の胸倉を掴むと、男は慌てたようにフルフルと首を横に振った。
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