わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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祝福

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 これまで俺はそんなことを理解しようともしなかったんだから……これは成長なんだろう。

「結婚式のお楽しみのような感じでゲストにも楽しんでもらえたらと思いまして……だから、齧った残りは持っていて下さいね!」

 スイームの言葉を継いで笑うと、リバーは手にしていたラッパを吹いた。

「みなさん!お近くのカゴからパンをお取り下さい!そして、一口齧ったらそれは持っていて下さいね!」

 楽しげに話すリバーの声はよく通る。
 ワッと出てきた子供たちは皆カゴを持っていて、参列者たちにその中のパンを配っていった。

「では!新郎と新婦もお取り下さい!」

 いつの間にかサフィナたちの元に行っていたリバーがカゴを差し出して、サフィナとオリバーが一つずつ手にする。

「一口どうぞ!」

 リバーが合図をして、二人が口にするのを皆が見守った。

「あ、チョコレート」
「僕はレモン……かな?」

 二人で味を確認し合う姿も微笑ましい。

「では、チョコとレモンの方はこちらへ!バームクーヘンを切り分けますからね~!」

 リバーが見せたそのバームクーヘンは赤と緑の層になったバームクーヘンで、咄嗟にジョンを見ると、

「あれはラズベリーとピスタチオです」

 ジョンは微笑んで教えてくれた。
 俺さえも知らなかったサプライズと見事な盛り上がりに俺も拍手を送る。

「幸せそうだね」

 リューラが手を握ってきて、

「あぁ」

 俺も今日くらいはと握り返した。
 寄り添って幸せそうな二人を見つめる。
 サフィナとオリバーの笑顔溢れる式は夜まで続いた。
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