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バレンタインは甘々で
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「結局昼休みも洋平は外に出て来なかったし……授業はまぁそれなりに騒いでいるけど、上の空なことも増えている気がして」
いつものように下校後、保健室で話していると先生はじっとこっちを見てきた。
「え?何?」
「いえ?」
絶対に何かを言おうとしていたのに、笑って先生はティーポットを傾ける。
カップを満たす琥珀色の紅茶から上がる甘い香り。
「……いちご?」
「はい!」
微笑んだ先生は俺にカップをくれてゆっくりと運動場が見える窓の方を見た。
カーテンが閉まっていて外は見えないが楽しそうな声がする。
一度家に帰った児童たちが遊びに来ているのだろう。
「……熊野くんにご兄弟がいらっしゃるのはご存知ですか?」
「あぁ、去年卒業して……え、もしかして……」
頭に浮かんだ一つの可能性。
「……たぶん考えていらっしゃる通りです」
カップに目を戻して両手でそっと包む先生。
はっきりと教えてくれるわけではないらしいが俺の考える通りということは……洋平の兄、宗吾がSubということか?
洋平はいつも帰るとまた学校に来て宗吾とサッカーをやっていたし、兄弟仲もかなりよかったが……。
「皺寄ってますよ?」
眉間を押されて顔を上げる。
「いちごのお菓子も増えて春を感じる季節ですよねぇ」
口に押し付けられたのはいちごのバームクーヘン。
「そんな顔しないで下さい。大丈夫ですよ!」
微笑まれて、俺はいちごの風味を口の中いっぱいに感じながら頷いた。
いつものように下校後、保健室で話していると先生はじっとこっちを見てきた。
「え?何?」
「いえ?」
絶対に何かを言おうとしていたのに、笑って先生はティーポットを傾ける。
カップを満たす琥珀色の紅茶から上がる甘い香り。
「……いちご?」
「はい!」
微笑んだ先生は俺にカップをくれてゆっくりと運動場が見える窓の方を見た。
カーテンが閉まっていて外は見えないが楽しそうな声がする。
一度家に帰った児童たちが遊びに来ているのだろう。
「……熊野くんにご兄弟がいらっしゃるのはご存知ですか?」
「あぁ、去年卒業して……え、もしかして……」
頭に浮かんだ一つの可能性。
「……たぶん考えていらっしゃる通りです」
カップに目を戻して両手でそっと包む先生。
はっきりと教えてくれるわけではないらしいが俺の考える通りということは……洋平の兄、宗吾がSubということか?
洋平はいつも帰るとまた学校に来て宗吾とサッカーをやっていたし、兄弟仲もかなりよかったが……。
「皺寄ってますよ?」
眉間を押されて顔を上げる。
「いちごのお菓子も増えて春を感じる季節ですよねぇ」
口に押し付けられたのはいちごのバームクーヘン。
「そんな顔しないで下さい。大丈夫ですよ!」
微笑まれて、俺はいちごの風味を口の中いっぱいに感じながら頷いた。
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