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青で赤で黄色な友情
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幸いにも今日は午前中で終わる。この気持ちで1日はきつい。
取り敢えず、今日は真白の方は見ないようにしよう。自分が傷つくだけだから。そう思えば思うほど真白の方にまるで蛍光ペンで印をつけているかのように目がひきつけられる。
真白の黒板を見つめる横顔。先生の話を真剣に聞いている横顔。授業中にこっそりと笑う横顔。笑いをこらえる横顔。考え込んでる横顔。いろいろな真白の横顔を目に焼き付けるように。一瞬一瞬を大切に過ごした。
そんな私を愛瑠が真剣な目で見ているなんて知らずに。
「ねえ。ちょっといい?」
放課後、愛瑠はとても真剣な表情で私を呼び止めた。
「なに?」
この教室には2人きり。愛瑠の声が静かに響く。
「紅音さ、宇佐美君のこと好きでしょ」
少しの沈黙。遠くから聞こえる生徒の声。それにかき消されるようなか細い私の声。
「...えっと。何言ってんのかわかんない」
「誤魔化さなくていいよ。今日の朝、宇佐美君が好きな人いるって言ってから紅音の様子がおかしかったからずっと見てたの。そしたら紅音、ずっと宇佐美君のことみてるんだもん。それで気づかなかったら紅音の親友って胸張って言えないし。だから今からイメチェンしよっか!」
「え?」
意味が分からない。ここは私もなんだよね。とか、そういうのじゃないの?と私が困惑しているうちに愛瑠はやりたい放題だ。
「まずは前髪切ろ」
そう言いながら愛瑠はいろいろと私をいじった。そして完成した新しい私。
伸ばしてた前髪はシースルー気味のぱっつんに。触覚も作って後ろの髪は毛先だけをアイロンで巻いた。薄くリップを塗った艶のある唇。
「完璧!じゃあね!」
愛瑠は用事はこれだけだとでもいうように廊下を走り去っていく。
取り敢えず、今日は真白の方は見ないようにしよう。自分が傷つくだけだから。そう思えば思うほど真白の方にまるで蛍光ペンで印をつけているかのように目がひきつけられる。
真白の黒板を見つめる横顔。先生の話を真剣に聞いている横顔。授業中にこっそりと笑う横顔。笑いをこらえる横顔。考え込んでる横顔。いろいろな真白の横顔を目に焼き付けるように。一瞬一瞬を大切に過ごした。
そんな私を愛瑠が真剣な目で見ているなんて知らずに。
「ねえ。ちょっといい?」
放課後、愛瑠はとても真剣な表情で私を呼び止めた。
「なに?」
この教室には2人きり。愛瑠の声が静かに響く。
「紅音さ、宇佐美君のこと好きでしょ」
少しの沈黙。遠くから聞こえる生徒の声。それにかき消されるようなか細い私の声。
「...えっと。何言ってんのかわかんない」
「誤魔化さなくていいよ。今日の朝、宇佐美君が好きな人いるって言ってから紅音の様子がおかしかったからずっと見てたの。そしたら紅音、ずっと宇佐美君のことみてるんだもん。それで気づかなかったら紅音の親友って胸張って言えないし。だから今からイメチェンしよっか!」
「え?」
意味が分からない。ここは私もなんだよね。とか、そういうのじゃないの?と私が困惑しているうちに愛瑠はやりたい放題だ。
「まずは前髪切ろ」
そう言いながら愛瑠はいろいろと私をいじった。そして完成した新しい私。
伸ばしてた前髪はシースルー気味のぱっつんに。触覚も作って後ろの髪は毛先だけをアイロンで巻いた。薄くリップを塗った艶のある唇。
「完璧!じゃあね!」
愛瑠は用事はこれだけだとでもいうように廊下を走り去っていく。
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