上 下
26 / 1,194

花粉症

しおりを挟む
 「花粉症なんかのアレルギーは、免疫が過剰に働くことによって起こる…宇木先生が言うには、アレルギーが増えた原因の一つとして、衛生的に神経質になりすぎて、バランス良く免疫が機能しなくなったとか、特定の食物を食べさせないことで、食物アレルギーになるとかってことだったと思う。避け過ぎると過剰反応して、受け付けなくなって危険だと認識するようになるんだと思うけど、それで悪くないのに出されるってのは、まあいいとして、入れ替えってのは、何なんだ?雅魔藻流が偽物になって、俺の代わりに入ったってこと?何をやって?」
 「すいません、俺…貴方より俺の方がいいって思い込ませたんだと思います…!」
 「雅魔藻流の方がいい…?空っ海はどうだった?親に支配されていたことを自覚は出来てなかったんだよな。どう認識してたんだ?」
 「私も、そう…貴方を悪人だと思っていました…」
 何も知らんがな。
 腹立つな。
 「すいません!多分、分かってました!貴方が悪人ではないと!でも、親と上手くやっていると思いたくて、自分が辛いのは貴方のせいだと思っていたんです!」
 イライラするが、考えてみる。
 「…親に虐待を受けた子供が、例えば親じゃなくて、強盗が家に押し入って襲われたと記憶をすり替えることがある。人間の防衛機能だが、そういうことか?」
 「そうだと思います…!」
 消え入りそうだ。
 兎も角消えるんじゃない。
 話が進まん。
 「じゃあ、心理としては、虐待を受けた子供が朝、親に、恐い夢でも見たのねって言われて、全部夢だったと思い込むようなもん?」
 「そうです、そうです!」
 「なら、雅魔藻流の方がいいっていうのは、その親の嘘を利用した…?」
 「そうです。そう思っていた方が楽だって優しい、甘い夢を見せました…」
 よく分からん。
 ヨーデルの人のツンデレなお言葉が恋しい。
 不安だ。
 何故か反応が無い。
 くそぅ。
 「具体的にはどういうことをやったんだ?」
 全く分からんのだが。
 「色々やりました…騙して、貴方が全部悪いと思い込ませました…」
 だからどうやってやねん。
 
 ’第六感ー気付きの能力’

 「…子供の霊魂を親から預かって、無意識の領域のプログラムを書き換えた?」
 「合ってるわ!」
 あ、出て来た。
 「親の虐待が理由にあったなら、生存本能に関わってる。銀行強盗に監禁された被害者が、銀行強盗が自分を愛してるから監禁するんだとすり替えることがある。自分にとって悪いことでも良いことだと誤認識する。免疫機能が狂う…誤認識するように仕向けて、それを利用したということか?」
 「そうなんですね。多分そういうことなんだと思います。」
 「多分ってなんやねん。」
 「そこまで、はっきり自覚してたわけじゃないんです…」
 「無責任やな!…ちょっと中日如来みたいな状態だったってことか?」
 「何となく夢見心地だったような…」
 「俺を利用して、夢見てんじゃねえよ、腹立つな!…自覚出来ない、コントロール出来ないって状態だよな。虐待が理由にあれば、白昼夢、夢遊病、解離なんかが起こるけど、あれも、幽体離脱、分体と同じ?」
 「合っているわ!同じと考えて良いわ!」
 頼もしい。
 「なら…雅魔藻流がやったことは、他に誰かが関わっていた?自覚や、コントロール出来ない状態の雅魔藻流を操っていた奴が、他にいる?梵っ字が利用されていたのか?」
 「そうね!そうだわ!梵っ字が厄介なのよ!私も腹が立っているわ!何で釈っ迦は自分のことなのにどうにも出来ないのかしら!?」
 お怒りだ。
 安心する。
 そうだ、そうだ!

 「同じ事が、チョココロネウイルスのワクチンでされているのよ!本当に腹が立つわ!」

 そうだ、そうだ!
 …え?
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

とんでもなく悪い奴

児童書・童話 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:14

トラブルに愛された夫婦!三時間で三度死ぬところやったそうです!

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:894pt お気に入り:34

あなたならどう生きますか?両想いを確認した直後の「余命半年」宣告

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:1,043pt お気に入り:37

私、ハンクラー!今、ダンジョン にいるの

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:44

処理中です...