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アトネ

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 「私、アトネです!」
 アトネ?
 ああ、えっと…転生前に俺と付き合ってたっていう…
 ちょっと頭がごちゃごちゃしてきた。
 小さな女の子って言ってたよな。
 小さくないんだけど。
 「少し、俺と混ざってますから…」
 マジか。
 雅魔藻流なのか、アトネなのか、どう対応したらいいんだ。
 何か、でも何だろう。
 カトリック系っぽい女子校の、清楚な女子高生みたいで悪くない。
 「好みで良かったです…」
 ぎゃー!
 心を読まれた!

 「それで!そのアトネさんとやらが、なんの要件かね?!」
 「あの、俺…」
 やっぱり、雅魔藻流なんかい!
 「何かね!?」
 黙り込む雅魔藻流。
 面倒臭いな!
 「あの。ツンデレって好みですか…?」
 「まあ、嫌いじゃないな…何の話やねん!」
 「あの、俺…貴方に謝りたいことがあるんです!」
 この流れは…
 バッとヨーデルの人を振り返る。
 叱られるのを予期してる犬みたいになってる。
 その心意気や良し。
 クルリと雅魔藻流に向き直る。
 「何だね。話を聞こうじゃないか。」
 「俺、貴方の偽物になっていたんです。なっていたというか、最近まで…今はもうやっていません!」
 なにをー?!
 …全く意味が分からん。
 「偽物?俺の?何処で何をやって、どういう影響があったわけ?」
 「そうですよね。疑問ですよね…貴方は何も知らないから…!」
 モジモジしているが、アトネと思えばいいのか、雅魔藻流と思えばいいのかはっきりしてほしい。
 「分体で貴方の偽物になっていたんです…」
 分体で…

 ’第六感ー気付きの能力’

 「偽物…前に言ってた、セキュリティソフトに似た文字列を持つ、ウイルス…?」
 「そうね、仕組みとしては、同じと思うわ。」
 「信頼する相手と似ているから誤認識して、心を預けて、入れてしまう、染まって操られてしまう…それが無意識の領域に書き込まれているから、悪意ある全くの他人にずっと利用されてきたんだよな。中日如来や、空っ海はそれをどう感じていたんだ?」
 「そうじゃのう…不愉快じゃった。お主のことを悪人と感じておったのじゃ。」
 「俺が悪人…?何だってそうなるんだ…?」
 「入れ替えをしているのよ。」
 「どうやって?」
 「貴方が考えた方がいいと思うわ!」
 イエッサー!
 こういう時のヨーデルの人は、経験上正しい感じがするから、言うことを聞きたいが、いかんせん頭がついていかない。
 甘い物が食べたい。
 「お前のライバルのようにな、雅魔藻流よ!」
 指を指してやると、雅魔藻流が凄く困ってる。
 普段、突っ込みに慣れてる奴って、突っ込まれるのに弱いって本当なんだな。

 ’第六感ー気付きの能力’
 
 「…敵の情報を読んだわ。セキュリティソフトの隔離と、聞こえたわ。」
 「…セキュリティソフトそのもののプログラムを狂わせる…花粉症みたいなもん?」
 「そうね!それでいいと思うわ!」
 「花粉症ってあれだよな…俺も花粉症酷いけど、悪くないものなのに、悪いと誤認識して、過剰反応して出そうとするから、病気みたいな症状になる…」

 ’第六感ー気付きの能力’

 「…同じことが、チョココロネウイルスで起こっている…?」
 
 ヨーデルの人が敵の反応を確認する。
 「…当たりだわ。」

 
 
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