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山猫のサリーナ。
山猫娘の見る夢は。【21】
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次の日からサリーナは侍女の訓練に熱心に打ち込んだ。
戦う事が主体である隠密騎士のそれと違い、侍女は主を庇いながら安全に逃げる事に重きが置かれる。
ただ、敵が現れたら戦って打ち倒せば良いというものではない。隙を見て主が敵に捕らえられてしまえばそこで負けとなる。
出先での逃走経路の確保の仕方に始まり、非力な女でも有効な体術、助けが来るまでの時間稼ぎや不穏分子等に対する話術や詐術、毒の効率的な運用方法、化粧法や変装術等をより深く学ぶ事は、サリーナにとって目新しいものだった。
護身術には自信があるというヴェローナが色々と教えてくれた。
「奥様やアン様、アナベラ様はお美しいでしょう? 特に多いのが夜会等で酒が入ると、絡んで来る不埒な輩。
勿論私達が間に入るんだけど、抱き着かれそうになった時はこうやって、相手の顎の下に掌を当てて突き放すの。相手に手首を掴まれた場合は――」
「その時はね、ご無体はお止めくださいましって、か弱く怯える振りをしながらやるのがポイントよ? 誰に見られても相手が悪いという印象を与えなきゃ。勿論誰も見ていない場所では遠慮する必要は無いわ」
コジマが舌をちろりと出して補足し、ポケットから小さな小瓶を取り出した。
「それで、人気のない場所で不味い相手をうっかり倒してしまった時はこの薬を嗅がせるの。起きた時に意識を朦朧とさせて記憶を誤魔化す事が出来るわ。敵だったらそのまま隠密騎士達にお任せね」
「参考になるわ。後ろから抱き着かれそうになった場合はどうすれば?」
「ああ、それはね――」
サリーナは感心する。
侍女専用の体術は小さな力で大きな効果が得られるものだった。もしかしたら隠密騎士相手でもなかなか使えるかも知れない。
そして――
「……これが、私?」
「ええそうよ。随分変わったでしょう?」
「……信じられない」
サリーナが覗き込んでいる鏡。そこには様変わりした自分の姿が映っていた。
目元が黒々ぱっちりし、唇は艶やかな赤。顎には色っぽい付け黒子で華美な印象に様変わりしている。
これまでの地味な風貌はどこへやら、得意気な表情のエロイーズによって施された化粧によって、サリーナは美人と言われても遜色ない程にまでなっていたのだ。
心の中にあった、自分を映した鏡が音を立てて砕け散る幻聴が聞こえたように思った。
「化粧をしても大して変わらないと思っていたのに……」
衝撃の余り呆然としていると、鏡越しに呆れ顔のナーテと目が合う。
「サリーナは化粧法を学び始めたばかりでしょう? 私とリュシールも地味な方だから化粧が上手になるまで同じように悩んでいたわ」
「そうそう、それが練習を重ねてだんだん出来て来るようになって、やっとそれなりに仕上がるようになったのよ」
リュシールが頷きながら言うと、エロイーズが目を細めてクスクスと笑う。
「あの頃を思い出すと懐かしいわね。本当は地顔が地味だからこそ化粧が映えて劇的に変化したりするのよ。
化粧法は極めれば極める程どんな自分にだってなれる。
特に当家独自の『ビューラー』や『マスカラ』、『つけまつげ』は目元を美しく引き立たせてくれるわ。面白い技術よね」
他、つけぼくろやパッチを組み合わせたり。
化粧次第で清楚に、妖艶に、可憐に、華やかに。自由自在に印象を変える事が可能だという。
「女だからこそ小手先で勝負するの。知恵を絞って、変装して。相手の心を手玉に取る。男だと相手は警戒する。でも女なら――」
「――油断する」
サリーナが答えると、エロイーズは妖艶な笑みを浮かべて頷いた。
「そうよ。そしてそれは、女にしか出来ない事なの」
***
――女にしか出来ない事、か。
その日サリーナはベッドの中で寝がえりを打っていた。化粧の時の衝撃の所為なのだろう、嫌に目が覚めて眠れないでいたのだ。
月明かりで青白く照らされている窓辺を見ながらぐるぐると考える。
女だからこそ小手先で勝負する、とエロイーズは言った。
サリーナ自身も女である以上、それが可能である。
特にエロイーズの手によって美しく様変わりした自分は、あっけなく過去の地味な娘を打ち砕く程の威力があった。
このまま、侍女として頑張ればそれなりにやっていけるだろう。でも――
――『ただ隠密騎士になりたいのか、それとも』
ヨハンに言われた事が胸の内に木霊する。
美しくなれる事を知ってしまった私は、隠密騎士になる事にこだわる必要が無くなったと言える。
それが証拠に――あんなになりたかったのに、その情熱も今は無い。
――そう言えば、私は認めて貰いたかったんだっけ。
隠密騎士になって、レオポール叔父様やオーギー兄様と肩を並べて主家の為に働き、獅子ノ庄の、父の誉になりたかった。
でも、認めて貰いたがっていた山猫娘は過去の存在となり、何時の間にか分厚い壁を隔てた向こう側。
そして彼女は壁の向こう側から「これまでの私の努力は何だったの、私を無かった事にするの」と悲痛な声を上げ続けている。
でも、ここに居る認めてくれる仲間が出来たサリーナは、その壁を打ち砕いてもう一人の自分を何とかしてあげる術を知らないでいる。
何より、勝負に負けたのだから。
認めて貰いたいという願いは思いがけなく叶ってしまった。
――では、その後は? 自分は何の為に刃を振るうのか。
侍女として、主であるマリー様にお仕えするのみ。そしてマリー様の為、主家の為、庄の誉の為に刃を振るう事になる。
それは理解している。
けれどもその理由ではどこかぽっかりと穴が開いたような、空虚なものを感じる。
何故かは分からないけれど、兎に角何かが欠けていた。
戦う事が主体である隠密騎士のそれと違い、侍女は主を庇いながら安全に逃げる事に重きが置かれる。
ただ、敵が現れたら戦って打ち倒せば良いというものではない。隙を見て主が敵に捕らえられてしまえばそこで負けとなる。
出先での逃走経路の確保の仕方に始まり、非力な女でも有効な体術、助けが来るまでの時間稼ぎや不穏分子等に対する話術や詐術、毒の効率的な運用方法、化粧法や変装術等をより深く学ぶ事は、サリーナにとって目新しいものだった。
護身術には自信があるというヴェローナが色々と教えてくれた。
「奥様やアン様、アナベラ様はお美しいでしょう? 特に多いのが夜会等で酒が入ると、絡んで来る不埒な輩。
勿論私達が間に入るんだけど、抱き着かれそうになった時はこうやって、相手の顎の下に掌を当てて突き放すの。相手に手首を掴まれた場合は――」
「その時はね、ご無体はお止めくださいましって、か弱く怯える振りをしながらやるのがポイントよ? 誰に見られても相手が悪いという印象を与えなきゃ。勿論誰も見ていない場所では遠慮する必要は無いわ」
コジマが舌をちろりと出して補足し、ポケットから小さな小瓶を取り出した。
「それで、人気のない場所で不味い相手をうっかり倒してしまった時はこの薬を嗅がせるの。起きた時に意識を朦朧とさせて記憶を誤魔化す事が出来るわ。敵だったらそのまま隠密騎士達にお任せね」
「参考になるわ。後ろから抱き着かれそうになった場合はどうすれば?」
「ああ、それはね――」
サリーナは感心する。
侍女専用の体術は小さな力で大きな効果が得られるものだった。もしかしたら隠密騎士相手でもなかなか使えるかも知れない。
そして――
「……これが、私?」
「ええそうよ。随分変わったでしょう?」
「……信じられない」
サリーナが覗き込んでいる鏡。そこには様変わりした自分の姿が映っていた。
目元が黒々ぱっちりし、唇は艶やかな赤。顎には色っぽい付け黒子で華美な印象に様変わりしている。
これまでの地味な風貌はどこへやら、得意気な表情のエロイーズによって施された化粧によって、サリーナは美人と言われても遜色ない程にまでなっていたのだ。
心の中にあった、自分を映した鏡が音を立てて砕け散る幻聴が聞こえたように思った。
「化粧をしても大して変わらないと思っていたのに……」
衝撃の余り呆然としていると、鏡越しに呆れ顔のナーテと目が合う。
「サリーナは化粧法を学び始めたばかりでしょう? 私とリュシールも地味な方だから化粧が上手になるまで同じように悩んでいたわ」
「そうそう、それが練習を重ねてだんだん出来て来るようになって、やっとそれなりに仕上がるようになったのよ」
リュシールが頷きながら言うと、エロイーズが目を細めてクスクスと笑う。
「あの頃を思い出すと懐かしいわね。本当は地顔が地味だからこそ化粧が映えて劇的に変化したりするのよ。
化粧法は極めれば極める程どんな自分にだってなれる。
特に当家独自の『ビューラー』や『マスカラ』、『つけまつげ』は目元を美しく引き立たせてくれるわ。面白い技術よね」
他、つけぼくろやパッチを組み合わせたり。
化粧次第で清楚に、妖艶に、可憐に、華やかに。自由自在に印象を変える事が可能だという。
「女だからこそ小手先で勝負するの。知恵を絞って、変装して。相手の心を手玉に取る。男だと相手は警戒する。でも女なら――」
「――油断する」
サリーナが答えると、エロイーズは妖艶な笑みを浮かべて頷いた。
「そうよ。そしてそれは、女にしか出来ない事なの」
***
――女にしか出来ない事、か。
その日サリーナはベッドの中で寝がえりを打っていた。化粧の時の衝撃の所為なのだろう、嫌に目が覚めて眠れないでいたのだ。
月明かりで青白く照らされている窓辺を見ながらぐるぐると考える。
女だからこそ小手先で勝負する、とエロイーズは言った。
サリーナ自身も女である以上、それが可能である。
特にエロイーズの手によって美しく様変わりした自分は、あっけなく過去の地味な娘を打ち砕く程の威力があった。
このまま、侍女として頑張ればそれなりにやっていけるだろう。でも――
――『ただ隠密騎士になりたいのか、それとも』
ヨハンに言われた事が胸の内に木霊する。
美しくなれる事を知ってしまった私は、隠密騎士になる事にこだわる必要が無くなったと言える。
それが証拠に――あんなになりたかったのに、その情熱も今は無い。
――そう言えば、私は認めて貰いたかったんだっけ。
隠密騎士になって、レオポール叔父様やオーギー兄様と肩を並べて主家の為に働き、獅子ノ庄の、父の誉になりたかった。
でも、認めて貰いたがっていた山猫娘は過去の存在となり、何時の間にか分厚い壁を隔てた向こう側。
そして彼女は壁の向こう側から「これまでの私の努力は何だったの、私を無かった事にするの」と悲痛な声を上げ続けている。
でも、ここに居る認めてくれる仲間が出来たサリーナは、その壁を打ち砕いてもう一人の自分を何とかしてあげる術を知らないでいる。
何より、勝負に負けたのだから。
認めて貰いたいという願いは思いがけなく叶ってしまった。
――では、その後は? 自分は何の為に刃を振るうのか。
侍女として、主であるマリー様にお仕えするのみ。そしてマリー様の為、主家の為、庄の誉の為に刃を振るう事になる。
それは理解している。
けれどもその理由ではどこかぽっかりと穴が開いたような、空虚なものを感じる。
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