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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【2】
不完全な情報。
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「では、詳しい取り決めはまた後程、という事で」
「『うむ、有意義な時間であったぞ』」
侍女の先導で満足そうに退出していく皇帝イブラヒーム。積もる話でもするのだろう、賢者イドゥリース、スレイマン、メリーもそれに続く。
アヤスラニ帝国から連れて来た配下達と相談する時間が必要な様に、こちらも色々詳細を詰める時間が必要だ。
皇帝達に続いて、我が家の女性陣である祖母と母、義姉キャロライン。そしてイサークとヴェスカルも席を外した。
皆が出て行った後、私はそこで初めてカーフィーに視線を向ける。
相当落ち込んでいるのだろう、所在無さげに項垂れていた。
精神感応を使ったからその理由は判明していた。私はゆっくりと歩を進め、じりじりと追い詰めるようにカーフィーに近付いて行く。馬の脚共がカーフィーの両隣に移動したところで歩みを止めた。
「……それで? カーフィー・リプトン伯爵。そんなに知りたいのかしら、私の能力の全てが。アーダム皇子に報告する為に」
その場にいる皆の視線が非難めいたものになり、一気にカーフィーに注がれる。
「流石は蛇と呼ばれた男か。執念深い事だ」
祖父ジャルダンが呆れたように呟くと、護衛として立っていたカールが複雑そうな表情をしている。
ああ、そうか。彼は蛇ノ庄出身――蛇繋がりだもんなぁ。
「カーフィーよ。まさかとは思うが、あの小娘の為に我らと敵対するつもりではあるまいな?」
不意に剣呑で低い父サイモンの声が響いた。
グレイがカーフィーから目を逸らさずそっと私に寄り添う。
「め、滅相もございませぬ!」
震えあがって叫び、その場に崩れ落ちるようにして床に這い蹲るカーフィ。
「聖女様、どうかお願いでございます! あんな女でも私にとって大事な妻なのです、フレールを、何卒、何卒お助け下さい!」
「……」
震え声での嘆願が響いた後、しんと静まり返る喫茶室。
「……気持ちは分からないでもないわ。でも、彼女ははるばるアレマニアまで迎えに行った貴方を拒んだのでしょう?
その時点で彼女は自分の運命を選んだのよ。今では私が魔女だという証人として不寛容派に取り込まれてしまっている。結果、どんな目に遭おうとも自己責任よね。
仮に教皇僭称事件が起こらず、貴方がまんまと私を裏切ってアーダム皇子の持ちかけた情報取引に応じたとしても――助けるのは難しいのではないかしら? だって当の本人が助けを拒否しているんだもの」
「フレールについては以前チャンスを与えた筈だな。それで尚、マリーに頼むのであれば、相応の覚悟会っての事であろうな?」
カーフィの気持ちは分からんでもないが、いくら聖女であっても人の意思を操るまではいかない。どうしようもないのだ。私も父も突っぱねるのだが、カーフィ―は諦めが悪かった。
「そ、それについては言葉もございません……それでも私は。リプトン伯爵位や財産を投げ打ってでも、フレールを取り戻したいのです!」
グレイが溜息を吐き、私は腕を組む。
うーん……事情は知ったものの、思い入れがここまでとは。
助けるって言っても、本人の同意が無ければ気絶させるか薬か何かで深く眠らせるかして拉致してくるしかないような……ああ、嫌なことを思い出した。
いっそ、皇帝イブラヒームにあの麻痺香を融通して貰おうか?
自分が攫われた事件を思い出し、口をへの字の曲げて思考を巡らせていると、そこへ父サイモンが口を挟んだ。
「待て、カーフィよ。下手に動いて事が露見すれば我が国が神聖アレマニア帝国内の争いに巻き込まれる事になりかねんぞ」
「僕も同感です。危険を冒してまで、あの女を救い出す必要があるようには思えません」
グレイも同意する。トーマス兄、カレル兄共に頷いた。
「そ、そんな……」
カーフィーの顔が絶望に染まる。
私は父サイモンを見た。
「父、その懸念は大丈夫よ。トラス王国と領地を接しているのは寛容派貴族達の領地が多いのだから」
それよりも、カーフィーである。
このままカーフィーを見放し、フレールの事を解決せず放置していればやけっぱちとばかりに軽挙妄動し、面倒な事態に発展しかねん。
フレールも不寛容派による魔女糾弾プロパガンダに利用されている真最中だ。
そう考えればカーフィーに手助けして片付けておくべきなのだろうな。これから疱瘡流行の波が周辺国を襲う。
トラス王国は国境の守りを固め、災厄が過ぎ去るまで半鎖国状態になるのだから。
ふむ……。
今、アーダム皇子にバレている私の能力は――カーフィーの記憶を見ると発火能力と鳥達や海獣達を操る事。
まあどうせアーダム皇子は裏取りしたところで表向きに知られている能力だけしか確認は取れないだろう。
カーフィ―が私の情報を持ち帰る事でフレール奪還の協力をあの糞ゴリラから得られるならば、不完全な情報を持ち帰って貰うとするか。
私は息を大きく吐いた。
「……仕方ありませんわね。カーフィ―伯爵。私を一度裏切ろうとした貴方ですが……」
そこまでの覚悟なら、特別に助けて差し上げましょう、と続けると、カーフィ―はぱっと顔を上げた。
「ま、誠にございますか!?」
「ええ。私、そこまでフレール様のことを想う貴方の心意気に感動しましたのよ」
「ああ、太陽神よ! 聖女様、ありがとうございます……!」
喜色を浮かべて祈りを捧げだすカーフィ―。
「おい。いいのか、マリー?」
「そうだよ、甘過ぎるよ」
カレル兄とグレイの問い掛け。先程の考えを精神感応で伝えると「た、確かに……」と引き下がった。
アルトガルが近付いてきて耳元で囁く。
――……アレマニアは雪山の傭兵にとっては庭も同然。何人か同行させますかな?
――そうね、なるべく皇族や貴族に顔が割れていない者達でお願い。
ついでに聖地に反旗を翻した不寛容派や国内の様子、民衆の様子などを探ると同時にそれとなく情報操作して来て貰うとするか。
遠隔透視能力はあれど、飽くまでも私一人だけの視野でしかない。広範囲をカバーしたり噂をばら撒いて情報操作したりは、やはり人手が無ければ。
私はぱちりと扇を閉じた。
「教皇僭称の件で人心が不安定になっていることでしょうから、身の安全を確保するために傭兵を同行させましょう。刻印も受けて貰います。必ず作戦を成功させて下さいね。それで、私の残された能力については、アーダム皇子にはこう報告なさい――」
***
その一ヵ月後――
「アーダム殿下の望まれていた情報……聖女様の能力を調べて参りました。ご存知の能力の他、烏を通じて太陽神の言葉を聞くお力をお持ちとの事。
神は神羅万象を知り尽くしておられます。それこそ、人の心の内までも……」
神聖アレマニア帝国へ再度向かったカーフィ・リプトン伯爵は、アーダム皇子に目通りしてこのように報告した。
渋面を作るダンカンとは裏腹に、アーダム皇子は目を輝かせる。
「ほう、恐ろしい力だな。反逆者も不心得者も簡単に炙り出せる――素晴らしい、ますます欲しくなったぞ。烏さえ居れば神同然ではないか。
という事は、逆に烏と接触させぬことでその力を封じることが出来る、ということか。成程……」
「『殿下、そのような力を持てば臣下の忠誠心は離れて行きますぞ。やはりあの女は魔女なのです』」
「『ふ、聖女だろうが魔女だろうがどちらでも良いわ。忠誠心が離れるのは、元から後ろめたいところのある者だけ――』」
「あ、あの、殿下。お約束頂いたフレールの件ですが……」
目の前で始まったアレマニア語による会話が長々と続きそうだったので、カーフィーは慌てて発言する。
アーダム皇子は「『この話はここまでだ、』」とダンカンに言って、トラス語に切り替えた。
「ああ、わざわざトラス王国まで調べに行ってくれてご苦労だった。アブラーモ……新教皇にそれとなく訊ねたら、あの女はもう用済みなのだと言っていたぞ。
見目の良い修道士を引き連れて社交界に出て来るが、相変らず男漁りに余念がなくあまり評判も良くない。いっそ、魔女に呪われて死んだ事にでもしようかと笑いながら画策していた」
「なっ……」
あまりの事に、カーフィ―は絶句した。
「『うむ、有意義な時間であったぞ』」
侍女の先導で満足そうに退出していく皇帝イブラヒーム。積もる話でもするのだろう、賢者イドゥリース、スレイマン、メリーもそれに続く。
アヤスラニ帝国から連れて来た配下達と相談する時間が必要な様に、こちらも色々詳細を詰める時間が必要だ。
皇帝達に続いて、我が家の女性陣である祖母と母、義姉キャロライン。そしてイサークとヴェスカルも席を外した。
皆が出て行った後、私はそこで初めてカーフィーに視線を向ける。
相当落ち込んでいるのだろう、所在無さげに項垂れていた。
精神感応を使ったからその理由は判明していた。私はゆっくりと歩を進め、じりじりと追い詰めるようにカーフィーに近付いて行く。馬の脚共がカーフィーの両隣に移動したところで歩みを止めた。
「……それで? カーフィー・リプトン伯爵。そんなに知りたいのかしら、私の能力の全てが。アーダム皇子に報告する為に」
その場にいる皆の視線が非難めいたものになり、一気にカーフィーに注がれる。
「流石は蛇と呼ばれた男か。執念深い事だ」
祖父ジャルダンが呆れたように呟くと、護衛として立っていたカールが複雑そうな表情をしている。
ああ、そうか。彼は蛇ノ庄出身――蛇繋がりだもんなぁ。
「カーフィーよ。まさかとは思うが、あの小娘の為に我らと敵対するつもりではあるまいな?」
不意に剣呑で低い父サイモンの声が響いた。
グレイがカーフィーから目を逸らさずそっと私に寄り添う。
「め、滅相もございませぬ!」
震えあがって叫び、その場に崩れ落ちるようにして床に這い蹲るカーフィ。
「聖女様、どうかお願いでございます! あんな女でも私にとって大事な妻なのです、フレールを、何卒、何卒お助け下さい!」
「……」
震え声での嘆願が響いた後、しんと静まり返る喫茶室。
「……気持ちは分からないでもないわ。でも、彼女ははるばるアレマニアまで迎えに行った貴方を拒んだのでしょう?
その時点で彼女は自分の運命を選んだのよ。今では私が魔女だという証人として不寛容派に取り込まれてしまっている。結果、どんな目に遭おうとも自己責任よね。
仮に教皇僭称事件が起こらず、貴方がまんまと私を裏切ってアーダム皇子の持ちかけた情報取引に応じたとしても――助けるのは難しいのではないかしら? だって当の本人が助けを拒否しているんだもの」
「フレールについては以前チャンスを与えた筈だな。それで尚、マリーに頼むのであれば、相応の覚悟会っての事であろうな?」
カーフィの気持ちは分からんでもないが、いくら聖女であっても人の意思を操るまではいかない。どうしようもないのだ。私も父も突っぱねるのだが、カーフィ―は諦めが悪かった。
「そ、それについては言葉もございません……それでも私は。リプトン伯爵位や財産を投げ打ってでも、フレールを取り戻したいのです!」
グレイが溜息を吐き、私は腕を組む。
うーん……事情は知ったものの、思い入れがここまでとは。
助けるって言っても、本人の同意が無ければ気絶させるか薬か何かで深く眠らせるかして拉致してくるしかないような……ああ、嫌なことを思い出した。
いっそ、皇帝イブラヒームにあの麻痺香を融通して貰おうか?
自分が攫われた事件を思い出し、口をへの字の曲げて思考を巡らせていると、そこへ父サイモンが口を挟んだ。
「待て、カーフィよ。下手に動いて事が露見すれば我が国が神聖アレマニア帝国内の争いに巻き込まれる事になりかねんぞ」
「僕も同感です。危険を冒してまで、あの女を救い出す必要があるようには思えません」
グレイも同意する。トーマス兄、カレル兄共に頷いた。
「そ、そんな……」
カーフィーの顔が絶望に染まる。
私は父サイモンを見た。
「父、その懸念は大丈夫よ。トラス王国と領地を接しているのは寛容派貴族達の領地が多いのだから」
それよりも、カーフィーである。
このままカーフィーを見放し、フレールの事を解決せず放置していればやけっぱちとばかりに軽挙妄動し、面倒な事態に発展しかねん。
フレールも不寛容派による魔女糾弾プロパガンダに利用されている真最中だ。
そう考えればカーフィーに手助けして片付けておくべきなのだろうな。これから疱瘡流行の波が周辺国を襲う。
トラス王国は国境の守りを固め、災厄が過ぎ去るまで半鎖国状態になるのだから。
ふむ……。
今、アーダム皇子にバレている私の能力は――カーフィーの記憶を見ると発火能力と鳥達や海獣達を操る事。
まあどうせアーダム皇子は裏取りしたところで表向きに知られている能力だけしか確認は取れないだろう。
カーフィ―が私の情報を持ち帰る事でフレール奪還の協力をあの糞ゴリラから得られるならば、不完全な情報を持ち帰って貰うとするか。
私は息を大きく吐いた。
「……仕方ありませんわね。カーフィ―伯爵。私を一度裏切ろうとした貴方ですが……」
そこまでの覚悟なら、特別に助けて差し上げましょう、と続けると、カーフィ―はぱっと顔を上げた。
「ま、誠にございますか!?」
「ええ。私、そこまでフレール様のことを想う貴方の心意気に感動しましたのよ」
「ああ、太陽神よ! 聖女様、ありがとうございます……!」
喜色を浮かべて祈りを捧げだすカーフィ―。
「おい。いいのか、マリー?」
「そうだよ、甘過ぎるよ」
カレル兄とグレイの問い掛け。先程の考えを精神感応で伝えると「た、確かに……」と引き下がった。
アルトガルが近付いてきて耳元で囁く。
――……アレマニアは雪山の傭兵にとっては庭も同然。何人か同行させますかな?
――そうね、なるべく皇族や貴族に顔が割れていない者達でお願い。
ついでに聖地に反旗を翻した不寛容派や国内の様子、民衆の様子などを探ると同時にそれとなく情報操作して来て貰うとするか。
遠隔透視能力はあれど、飽くまでも私一人だけの視野でしかない。広範囲をカバーしたり噂をばら撒いて情報操作したりは、やはり人手が無ければ。
私はぱちりと扇を閉じた。
「教皇僭称の件で人心が不安定になっていることでしょうから、身の安全を確保するために傭兵を同行させましょう。刻印も受けて貰います。必ず作戦を成功させて下さいね。それで、私の残された能力については、アーダム皇子にはこう報告なさい――」
***
その一ヵ月後――
「アーダム殿下の望まれていた情報……聖女様の能力を調べて参りました。ご存知の能力の他、烏を通じて太陽神の言葉を聞くお力をお持ちとの事。
神は神羅万象を知り尽くしておられます。それこそ、人の心の内までも……」
神聖アレマニア帝国へ再度向かったカーフィ・リプトン伯爵は、アーダム皇子に目通りしてこのように報告した。
渋面を作るダンカンとは裏腹に、アーダム皇子は目を輝かせる。
「ほう、恐ろしい力だな。反逆者も不心得者も簡単に炙り出せる――素晴らしい、ますます欲しくなったぞ。烏さえ居れば神同然ではないか。
という事は、逆に烏と接触させぬことでその力を封じることが出来る、ということか。成程……」
「『殿下、そのような力を持てば臣下の忠誠心は離れて行きますぞ。やはりあの女は魔女なのです』」
「『ふ、聖女だろうが魔女だろうがどちらでも良いわ。忠誠心が離れるのは、元から後ろめたいところのある者だけ――』」
「あ、あの、殿下。お約束頂いたフレールの件ですが……」
目の前で始まったアレマニア語による会話が長々と続きそうだったので、カーフィーは慌てて発言する。
アーダム皇子は「『この話はここまでだ、』」とダンカンに言って、トラス語に切り替えた。
「ああ、わざわざトラス王国まで調べに行ってくれてご苦労だった。アブラーモ……新教皇にそれとなく訊ねたら、あの女はもう用済みなのだと言っていたぞ。
見目の良い修道士を引き連れて社交界に出て来るが、相変らず男漁りに余念がなくあまり評判も良くない。いっそ、魔女に呪われて死んだ事にでもしようかと笑いながら画策していた」
「なっ……」
あまりの事に、カーフィ―は絶句した。
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