シャハルとハルシヤ

テジリ

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第一章 シャハルとハルシヤ

救いの手

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 ギロギロ川は、その名前以外は何の変哲も無い清流であった。夏になると畑仕事の合間にわらべ等が遊び戯れ、道行く百姓が涼み、休息がてらに釣り糸を垂らす。彼の人はそんな川のたもとに伴の一人も連れず、馬を駆り密かに訪れていた。

「ルゼフじゅう、この川ももう見納めだな。今日は幼き日の宝物を持って来た」

彼の人はそう言いながら持参した背嚢を開き、石英のこびりついた石ころを次々と投げ入れた。石々はしばらくみなを切って進み、やがて水底みなそこに沈んでいった。

「あよっ、…失敗した」

いくつかはただ放り投げただけになってしまったが。それら全てが、いずれえんていが築かれる予定のこの川で、やがて人の手の届かない水底に沈むのだろう。我々はその共犯だった。


 そんな事とは露知らず、スミド法廷では裁判長がぼやいていた。

「まったく、どこのどいつの入れ知恵だ。あんなへんな寺の田舎坊主が原告なんぞ……果たして適用法を知っているかも怪しいぞ。よ~し事務官、後は適切にまとめておけ。明日目を通す」

スミド法廷裁判長の夜は早い。定時前に業務を切り上げ、スミド法廷を後にすると、足早に呑み仲間の家であるヨウゼン邸へと向かった。



 相変わらずヨウゼン邸に居るというシャハルのことが気掛かりなまま、私はもうすぐ年末を迎えようとしていた。私にとっては4回目の仕事納めの時期で、でも今年は、里帰り禁止令というか――さりげなく帰ったら首という内容を含んだ、奥方様直筆のお手紙がソピリヤ様に届いたので、大人しく学問所で新年を迎えることにした。するとまずお給金に色が付き、当日には食べきれないくらいのご馳走と大量のお菓子が差し入れられた。それを聞きつけて、いつもは各々ご実家で過ごしているはずのご学友方も、この学問所へ集まって来た。

「しっかし…トビラス=イェノイェも、上手いことやったものだ」

コシヌ家のレジーヴォ様は、そう言いながら厚切り肉を頬張った。人の気も知らないで……どうせなら、彼の異母姉のクサンナが来てくれれば良かったのに。

「我が家でも言っていた、これでシャハルは一生安泰だなって」

それを肯定するフヌ家のゴルシッダ様の発言に、他のご学友方も当たり前みたいに頷いて、私とソピリヤ様以外は誰も変だと思っていないのが分かった。

「相変わらずのお気楽で結構。その様子だとお前達、シャハルの扱いについて何もおかしいとは思わんのか」

ソピリヤ様が話を向けると、タワ家のラフェンドゥ様が笑いながらそれに答えた。

「なあに、ソピリヤ様がお気になさる程のことはありませんよ。私の祖母も言っていました。あの厚遇ぶりは、亡くなった秘書に対する罪悪感から来るもので、おそらく守上はお寂しいのだと」

その発言が気になって、私はうっかり声が出た。

「えっ」

それはウツ家のファティリク様の口癖に似ていたので、マヌ家のエリシュ様が、いつものようにぼうっとしているウツ家のファティリク様に話し掛けた。

「どうしたファティリク」

「えっ、何。別に何も言って無いんだけど」

「すみません、今のは私です」

私が慌てて手を挙げると、コボ家のザブリョス様が不機嫌そうに鼻を鳴らした。

「何と紛らわしい。ハルシヤ、何か文句でもあるのか」

「いえ、その、…大人って、夜暗くても一人でお手洗いに行けて、子供が食べたがれば自分の分まで譲ってくれるのが普通だと思っていたので…守上みたいに、とてつもなく偉い大人の人でも、寂しいなんて気持ちがあるんだなあと」



その夕方、寒風吹きすさぶ中ヨウゼン邸の門前に座り込むレラム達に加わって、シトナとセウロラもその場所に居た。客人を乗せたと思しき車がまた一台、座り込みで塞がれた門の前を通り掛かり、回り道を強いられてヨウゼン邸の別の門まで走り去って行った。車の方を見ていたシトナは、セウロラの肩を叩いて言った。

「ねえねえセウロラ、今の見た」

「何、どうかした」

「さっきの車の人、ウキンの太守様じゃなかったかな、窓を開けてこっちを見てたの。やっぱりウキンの太守様は別格だわ~、シャハルも割りと顔が良いけど」

「さあね。顔面の良さが性根の良さまで保証するとは限らないけど」

「顔面って…あっはは、何それ~」

「わたしじゃないって。昔お祖父ちゃまが言ってたの」



酒宴を囲っていたハンムラビは、事前の連絡無しに現れた娘婿に眉を潜めた。

「キオラは息災か、何用で参った」

「堰堤計画も佳境に入ったことですし、単なるご機嫌伺いですよ、岳父様。キオラも宜しくと言っておりました。良ければ宴にお邪魔しても構いませんか、裁判長殿」

既に思考回路を酒精に冒されていたスミド法廷の裁判長は、快く歓迎の言葉を口に出した。彼が日課の如く仕事終わりにヨウゼン邸を訪れては、毎度毎度相伴に預かっているというのは、スミドの街中では周知の事実である。娘婿はこれに託けて、堰堤裁判の取り成しに参上したのだろうとハンムラビは考えた。すると突然部屋の戸がすっと開き、ひょいとシャハルが顔を出した。

「ハンムラビ様。部屋の窓から蛍が見えたので、捕まえて来ます」

「こんな夜に何を言い出すやら。外は寒いだろう。ただの見間違いだ」

「はははっ、冬に蛍とは、中々剛毅な虫も居たものですなあ。是非とも捕まえてご覧なさい」

「いささか酔いが過ぎますぞ裁判長殿、何も子供の戯れ言何ぞに付き合う必要は……」

「なあ僕、厨房で砂糖水でも貰って来てはいかがかな」

「はあ…まったく、好きにしろ。その代わり見つけるまで帰って来るなよ」


シャハルは厨房に立ち寄った後、何も羽織らずに外へ出て、ひとの無い溜池のほとりまで行くと、小声で好きな曲を歌いつつ砂糖水を流して捨てた。

〽︎見渡せば 寄せて来る 敵の大軍面白や
すはや戦い 初まるぞ いでや人々 攻め潰せ
弾丸込めて 討ち倒せ 敵の大軍 撃ち崩せ
【唱歌之友:鳥居 忱(1853~1917)・明治22年】



すると背後からゆっくりと近寄って来る足音が聞こえ、振り返ると先程の招かれざる客が立っていた。

「同情するよ、心から」

シャハルはその真意を図りかね、悲しげに自分を見下ろす相手の美貌をまじまじと見返した。

「その分だと、まだ狂ってはいないようだ」

「狂いたくても狂えないだけですけど。でも…蛍は本当に、さっき見えたんです。アビス家の若様は、僕に何の御用ですか」

彼はシャハルが呼んだ名前に一度まばたきすると、屈んでシャハルと同じ高さに目線を合わせ、安心させるように微笑みながら返答した。

「いや、薄着で外に出て行っただろう。寒いから上着を掛けてやろうと思った――なんてね。わいい後輩、一つだけ訂正するが、それは過去の呼び名だよ。今はウキンの太守、ハンムルーシフ・アビスだ」

「それは…存じ上げず大変失礼致しました。太守就任、おめでとうございます」

「いやいや、そんなことは別に良いんだ。…君を助けに来た」

「つまらない冗談ですね」

「そうだろうね。信じられないと言うなら、ひとまず私が奴を徹底的に酔い潰すから、君は安心して今夜眠ると良い。明後日の日の出前、またここで落ち合おう――おやすみなさい。このことは誰にも内緒だよ」



結局ハンムラビは来なかった。明くる日の朝、シャハルは寝起きの頭でハンムルーシフとの待ち合わせを思い出し、後一日の猶予があることに気づいてほっとして、いそいそと目覚まし時計の針を明日の夜明け前になるよう合わせて置いた。丁度その時、外から扉をコンコンと叩く音がした。

「おはようございます。珍しいですね、もう起きていらっしゃるなんて」
 
「クサンナ……せっかく扉を叩いても、返事も聞かずに開けたら意味ないよ」

「わたくしとしたことが…ごめん遊ばせ。守上は昨晩飲み過ぎて酷い二日酔いになられたとかで、頭痛と吐き気で寝込んでおられるそうですよ。そう言えば、真冬の蛍は見つかりましたか」

「いいや、寒過ぎて死んじゃったんじゃないかな。何で知ってるの」

「お給仕の人達が、面白がって噂していましたから。――ところで本日は、何を致しましょうか。映画の続きをご覧になりますか、それともご本をお読みになりますか、ご体調が宜しければ、温水で泳ぐのも良いですね」

「全部しよう。ああ、でも今日は気分が良いから、まず最初に温室で花冠を作ってあげる」

「かしこまりました。それでは、お召替えが終わりましたらお呼び下さい。お食事を運んで参ります」

軽めの朝食の後、シャハルは温室の草花で花冠を作り上げると、クサンナに手渡した。

「ありがとうごさいます。似合いますか」

「うん、花の妖精みたい」

暗闇の中、たったの二人しか観客がいないヨウゼン邸内の小劇場の銀幕には、古い外国映画が映し出されていた。

「つまんないオチだな。欠伸が出そう」

「そんなことはありません。こういうお話は、殿方には良く分からないだけですよ」

書物庫ではペラペラと紙をめくる音がする他は、時折読書を中断してはお互いに今読んでいる本の笑える箇所を指でなぞり、相手に読ませ合っていた。しかしその大半は、その本全体を読まなければ、どう面白いのか分からない類の文章だった。

ヨウゼン邸とは屋根つきの渡り廊下で繋がった、中心が硝子張りになった天井から日光が差し込む造りの建物内で、泳ぎが達者なヨウゼン家使用人の監視の下、二人は温水が張られた短水路で気ままにたゆたい、監視役にねだって底に沈む多面体を投げ入れさせてはそれを水に潜って集め、お互いが拾った数を競い合った。

「はー、久し振りで疲れたー」

ろっ……1個多いので、今日はわたくしの勝ちですね」



 そして前夜、シャハルは緊張と興奮の余り眠れず、やがて明朝になると、目覚まし時計を鳴る前に切って毛布を丸め、布団の中に突っ込んでから外套を羽織り、薄明かりの中、こっそりと待ち合わせ場所に向かった。果たして池のほとりには一昨日の言葉通りハンムルーシフが、行李を背負った随伴を一人連れて先に待っていた。ハンムルーシフに促され、屈んだ随伴が背負う行李におっかなびっくりしながらシャハルが収まると、ハンムルーシフはその上から行李の蓋を被せた。

「ハンムルーシフ、貴様のせいだぞ。痛つつつっ、頭が割れる…しかも何故部屋にいない、文句の一つも言ってやろうと思えば、こんな片隅まで来る羽目になっただろうが」

しばらくして行李越しにハンムラビの声が聴こえると、シャハルは思わず身じろぎした。そして若干、行李がきしんだ。

「おや岳父様。おはようございます。昔を偲んでおりますれば、つい」

「何ぞ思い出でもあったか、こんな汚い溜池に」

「ええ。その様子だときっと覚えてはいらっしゃらないのでしょうね。ですが私にとっては、一昨日おとついの出来事の様に感じます。そうですね、あれは――」

「待て、先に言うな。当ててやる、おそらく9年程前だな。あっいや違うな…ならばあれか、ううむ…それも違うな…」

実際は特に何の出来事も無かったのであるが、ハンムルーシフが後ろ手に合図を送ると、行李を背負った随伴はさりげなくその場を退出して駐車場へと向かった。その後適当なところで話を切り上げて来たハンムルーシフも車に乗り、車は堂々とヨウゼン邸から走り去った。

「ここまで来れば、もう行李から出ても大丈夫だろう」

「帰りたい……」

「だが、帰ったところで連れ戻されるだけだよ。私が安全な場所まで逃してあげよう。さて、行こうか」

「えっ、ここって…」

シャハルは、前までセウロラが住んでいた屋敷の近くに連れて来られたことに驚いた。

「そう、ハンムラビ・ヨウゼンが第六子、ソピリヤ様の学問所さ」

「そうだったのですか。では僕の従弟も中に居るのかな、ありがとうございました。行って来ます」

「ちょっと待って。このお守り袋を隠して持っていきなさい。絶対に誰の目も届かない場所で開けるんだ。きちんと覚えたら、中身はこっそり燃やしてくれ。そうしないと、お互いに困ることになる」

シャハルは物陰で車から降りると、様子を伺いながら学問所に近付き、門番に話し掛けた。


「ちょっと良いですかハルシヤ。表に貴方の従兄いとこぎみを名乗る子が来ているのです」

イリークフ尼に呼び止められた私は、急いで学問所の出入口に走った。

「やっぱりシャハルだっ、会いたかった。ヨウゼン邸ではどうしてたんだ、何でここに」

「別に、何でも無いよ。――そうだ、ハルシヤはクサンナと知り合いなんだっけ。クサンナのことどう思う。ヨウゼン邸には全然子供が居ないから、遊び相手だったんだ」

「ええーっ、何じゃそりゃ。羨ましい奴め」

「へー、やっぱり好きなんだ~。クサンナのこと。まあ初恋は叶わないって言うけどね~。あ、好みの人を聞いたけど…ハルシヤは知りたく無いんだっけ」

「知りたい知りたい。今すぐ教えて」

「そっか~、権力者だって。頑張って出世してね」

「シャハル様。どうぞ邸にお戻り下さい。守上もご心配されています」

話しに夢中になっていた私達は、いつの間にか後ろをヨウゼン邸からのお迎えに囲まれていた。シャハルがはっと顔色を変え、門番を振り切って学問所内に走って行った。慌てて追い掛ける迎えの人達の後ろから私も追い付くと、シャハルは学問所の屋根の上に登っていた。

「どうしても戻れというなら、ここから飛び降りてやる」

迎えの人達が更に慌てて、たぶんヨウゼン邸に連絡していると、この騒ぎを聞きつけて、何だ何だと学問所中から野次馬が集まって来た。その中にはソピリヤ様も居た。

「私に弟なんか居ない。ここに置くからには働いて貰う」

「ひえーっ、おっかない。やはり女は怖いな」

タワ家のラフェンドゥ様は小声で言ったつもりだろうけど、それ絶対聞こえてますよ。

「ほらほら危ないだろ。早く手え握れ」

ソピリヤ様のお陰で、シャハルはしばらく学問所で生活することになった。私は2階の階段を駆け上がり、屋根に繋がる窓から手を差し伸べると、繋いだシャハルの手をしっかりと握った。



シャハルが手洗いで開けたお守り袋の中身は、どこかに繋がる電話番号だった。真夜中にこっそり掛けてみると、ハンムルーシフに取り次がれた。

「こんばんは。失礼ですが、誰かさんと似ていてややこしいので…これからはルシフか、ルーシフ様とお呼びしても宜しいですか」

「じゃあルシフ」

「ありがとうごさいます。ルシフ様」

「違う、。“ルシフ”か“ルーシフ様”と呼びたいのだろう。なら、ルシフだ。それ以外認めない」


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