衣夢々談(きぬむむだん) ――これはガチで死んだなと思ったら、夢にまで見た異世界でチート級超能力者だった。なお、

テジリ

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プロローグ

荒浪の惚気

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 教祖・衣縫(イヌイ)殺害の知らせを受けーー
 射鬼(イオニ)と雨引(ウイン)は、
 急ぎ現場となった尸魂宮(へごんきゅう)へ馳せ参じた。

 ✶

 射鬼と雨引。
 彼女達は、共に衣縫の弟子で、上位祈祷師である。
 2人が到着すると、
 衣縫の侍女・祈癒(キユ)が、
 衣縫の亡骸に泣き縋っていた。

「衣縫さまっ、
 嗚呼っ……本当に、何ということだ!
 荒浪ッ、
 貴方は何ら物音に気付かなかったというのか?」

 傍らに棒立ちする男・荒浪(あらなみ)。

 荒浪は、教祖・衣縫の事実上の夫である。
 荒浪は、侍女・祈癒のきつい眼差しを受け止めながら、
 沈痛な面持ちでそれに答えた。

「疑いたくなる気持ちは分かる。
 だが手前は、普段から離れでひとり生活。
 昨晩もそうだ。
 朝起きてみればどうも人の気配がしないので、
 手前は訝って人を呼びながら、衣縫の元に走った。
 ーーさすればこの有様だ」

 ✶

 祈祷師・射鬼は、一瞬目をつぶり嘆息する。

(だが……せめて、敷蓮(シクハス)さまがご無事でなにより。
 衣打(イダ)さまも、ご存命なのは間違いない)

 射鬼は、衣縫の遺児・敷蓮に向き直った。

「衣打さまは、どうなさったのですか?
 敷蓮さまなら、何かご存知でしょう?」

 ✶

 敷蓮は、憔悴しきった様子でポツリポツリと経緯を語る。

「こっちは真夜中、衣打に叩き起こされた。
 訳もわからず窓から外へ出て、井戸の影に隠れていた。
 だがそのうち見つかって、井戸に投げ込まれた。
 衣打は……そのまま連れ去られたのだと思う」

 射鬼は、その内容に絶望した。
 更に追い打ちをかけるように、
 荒浪はいきさつを付け加える。

「射鬼。
 その他全員の名誉の為にも言っておく。
 手前以外もそうだ。
 見張り番も側近達も、手前が起こして回るまでーー
 総じて熟睡状態だった。
 殺害されたのは衣縫のみ。
 いずこにも見当たらぬ故、
 恐らくは不老不死の秘薬まで、何者かに奪われた」

 ✶

 すると、祈祷師・雨引が口を開いた。

「恐らくそれは……
 衣打さまの有験(うげん)による催眠術では?
 他に被害が無いのは、襲撃者たちと予め連絡を付けていたのでは?
 念写であれば、それも可能。
 そんな話に乗る、相手も相手だがの」

 侍女・祈癒は、涙ながらに否定した。

「まさかそんな……。
 衣打さまは、衣縫さまの後継者なのですよ!?
 産まれながらにして、
 衣縫さまの有験(うげん)を、
 既に半分は割取(かっしゅ)されておいででした。
 何も母君を弑してまで、事を急く理由なんて……」

 雨引の見立てが事実であればーー
 衣打の常軌を逸した振る舞いは、
 一体何を意味するのか?

 ✶


 祈祷師・射鬼はうろたえる間もなく、
 直後全員到着した教団幹部達との会合に呼ばれた。
 祈祷師・雨引も同じく。
 祈祷師ふたりは、遺児・敷蓮と共に、
 緊急会合出席のため中座した。


 ✶

 残されたのは、侍女・祈癒と、
 衣縫の事実上の夫・荒浪だけ。

 荒浪は、衣縫の亡骸の第一発見者だ。
 もう一度、彼女に掛けた布を取去ろうか悩んでーー
 結局止めた。

「衣縫、やはりあなたが言う大御神は、
 畏れるに足りない。
 だが唯一……あの話だけは、心底同意する」


 ✶


 ――だから手前の、
 他愛のない昔話に付き合っておくれよ。
 もうあなたは……信徒達の悩み苦しみに忙殺される事も、
 有験(うげん)の為に、
 あちこち駆り出される事も無いのだから。


 
【小説イメージMV】
https://youtube.com/shorts/cZ6ENKsFpJw?si=89AoCBmM5IX9Q-w6

使用曲【名探偵コナンのテーマ】三味線だけで弾いてみたら火傷したぜ [Detective Conan:Main Theme - Japanese Music Shamisen Cover]
しゃみお - Shamisen player Shamio様演奏
2020年5月4日投稿

キャラクタームービーはZEPETOで作成
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