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杼媛《とちひめ》
【以降AI利用】暗器調達
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一方そのころーー英賀手は雷雨の栽培所。
空はまだ青かったというのに、急に雲行きが怪しくなった。
英賀手は庭の小道をぶらぶらと歩きながら、懐に隠した暗器を確かめた。
長上抹殺の武器は、もう手に入れた。
【武器本体:普通の縫い針🪡(あやぎり朝現地調達)】
→ 宮廷の縫い物部屋に山ほどある普通の針
→ 見た目は「お裁縫好きな姫君の持ち物」
→ 実家の者も「英賀手ちゃんはお針子上手だもんね~」ってニコニコ
→ 実家に頼んで針先を超細く研いで貰った
→ 急所(首筋・目・耳の裏)に一突きで致命傷にできる
→ 持ち歩きも髪に何本か挿してるだけで誰も疑わない
→ 転んでも刺さらない長さ(安全!)
【毒:天媛ねえねの形見の香油小瓶🫙】
→ 天媛が使ってた小さな瑪瑙(めのう)の香油瓶
(首から下げてるペンダント型📿✨️)
→ 中身はねえねが「万が一のときのために」と隠し持ってた超強力な植物毒
(前王朝の秘伝レシピ)
→ 実家の者も「ねえねの香油だわ~ いい香りね~」って大喜びで渡す
→ 針先にちょこっと塗るだけで即死レベル。普段はただの香油
→ 香油だから匂いもいいし、誰も疑わない
あとは隙を見て、一撃で終わらせるだけだ。
許嫁の身分など、どうでもいい。
やつは天媛ねえねの仇だ。
あやぎり朝など、滅びてしまえ。
そこへぽつり、と雨粒が頰を打った。
次の瞬間、雷鳴が轟き、土砂降りが始まった。
まるで天が英賀手の計画を嘲笑うかのように。
「ムムム……!」 英賀手は慌てて駆け出した。
雨宿りできる場所は、近くに一つしかない。
長上が「農作物の試験研究」と称して建てた栽培所だ。
今はどっからか持ち込んだ向日葵を育てている、あの小屋。
先日、管媛とその侍女と三人で勝手に侵入したとき、長上は激怒した。
謝罪したのは侍女だけ。
翌日、その侍女は鈴媛に昇格し、お手つきになった。
英賀手は未だに「媛」ではなく「許嫁」のまま。
……気にしていない。
長上など、どうでもいい。
やつは天媛ねえねの仇だ。
殺すだけだ。 扉を勢いよく開ける。
中は薄暗く、土と草の匂いがした。
向日葵の苗が、棚に並んでいた。
「……誰だ」 低い声。
奥から、ゆっくりと人影が立ち上がる。
匪躬おぢだった。
水やり用の桶を抱え、にこにこと笑っている。
でも目は笑っていない。
狂気を孕んだ、濡れた犬のような目だ。
「阿諛の許嫁か。
また無断侵入とは、度胸があるな」
英賀手は一瞬、凍った。
この男は、長上の“水やり係”。
表向きは閑職だが、誰もが知っている。
長上の“密会の相手”だ。
昔から、ずっと。
「出て行け。今日は某の番だ」
匪躬は桶を置き、ゆっくりと近づいてくる。
雨音が激しくなる。
雷が鳴る。
英賀手は針を握った手を小瓶に伸ばした。
――今だ。
この男も、長上の犬だ。
一緒に殺せばいい。 でも、匪躬は笑った。
優しく、狂おしく。
「英賀手殿……
お前も、俺と同じになりたいのか?」
その瞬間、雷が落ちた。
白い閃光が、匪躬の顔を照らす。
狂ったような笑顔。
濡れた瞳。
まるで、昔の阿諛を――長上を――見ているような目だった。
英賀手は、初めて恐怖を覚えた。
この男は、壊れている。
完全に、壊れている。 雨は激しくなる。
二人は、栽培所の中で、
向日葵の影に、
ただ、にらみ合った。 雷が、また落ちる。
白い光の中で、
匪躬は呟いた。
「阿諛は……某のものだ……
小娘ごときに……渡さない…………」
英賀手は、針を握りしめたまま、
一歩も動けなくなった。
空はまだ青かったというのに、急に雲行きが怪しくなった。
英賀手は庭の小道をぶらぶらと歩きながら、懐に隠した暗器を確かめた。
長上抹殺の武器は、もう手に入れた。
【武器本体:普通の縫い針🪡(あやぎり朝現地調達)】
→ 宮廷の縫い物部屋に山ほどある普通の針
→ 見た目は「お裁縫好きな姫君の持ち物」
→ 実家の者も「英賀手ちゃんはお針子上手だもんね~」ってニコニコ
→ 実家に頼んで針先を超細く研いで貰った
→ 急所(首筋・目・耳の裏)に一突きで致命傷にできる
→ 持ち歩きも髪に何本か挿してるだけで誰も疑わない
→ 転んでも刺さらない長さ(安全!)
【毒:天媛ねえねの形見の香油小瓶🫙】
→ 天媛が使ってた小さな瑪瑙(めのう)の香油瓶
(首から下げてるペンダント型📿✨️)
→ 中身はねえねが「万が一のときのために」と隠し持ってた超強力な植物毒
(前王朝の秘伝レシピ)
→ 実家の者も「ねえねの香油だわ~ いい香りね~」って大喜びで渡す
→ 針先にちょこっと塗るだけで即死レベル。普段はただの香油
→ 香油だから匂いもいいし、誰も疑わない
あとは隙を見て、一撃で終わらせるだけだ。
許嫁の身分など、どうでもいい。
やつは天媛ねえねの仇だ。
あやぎり朝など、滅びてしまえ。
そこへぽつり、と雨粒が頰を打った。
次の瞬間、雷鳴が轟き、土砂降りが始まった。
まるで天が英賀手の計画を嘲笑うかのように。
「ムムム……!」 英賀手は慌てて駆け出した。
雨宿りできる場所は、近くに一つしかない。
長上が「農作物の試験研究」と称して建てた栽培所だ。
今はどっからか持ち込んだ向日葵を育てている、あの小屋。
先日、管媛とその侍女と三人で勝手に侵入したとき、長上は激怒した。
謝罪したのは侍女だけ。
翌日、その侍女は鈴媛に昇格し、お手つきになった。
英賀手は未だに「媛」ではなく「許嫁」のまま。
……気にしていない。
長上など、どうでもいい。
やつは天媛ねえねの仇だ。
殺すだけだ。 扉を勢いよく開ける。
中は薄暗く、土と草の匂いがした。
向日葵の苗が、棚に並んでいた。
「……誰だ」 低い声。
奥から、ゆっくりと人影が立ち上がる。
匪躬おぢだった。
水やり用の桶を抱え、にこにこと笑っている。
でも目は笑っていない。
狂気を孕んだ、濡れた犬のような目だ。
「阿諛の許嫁か。
また無断侵入とは、度胸があるな」
英賀手は一瞬、凍った。
この男は、長上の“水やり係”。
表向きは閑職だが、誰もが知っている。
長上の“密会の相手”だ。
昔から、ずっと。
「出て行け。今日は某の番だ」
匪躬は桶を置き、ゆっくりと近づいてくる。
雨音が激しくなる。
雷が鳴る。
英賀手は針を握った手を小瓶に伸ばした。
――今だ。
この男も、長上の犬だ。
一緒に殺せばいい。 でも、匪躬は笑った。
優しく、狂おしく。
「英賀手殿……
お前も、俺と同じになりたいのか?」
その瞬間、雷が落ちた。
白い閃光が、匪躬の顔を照らす。
狂ったような笑顔。
濡れた瞳。
まるで、昔の阿諛を――長上を――見ているような目だった。
英賀手は、初めて恐怖を覚えた。
この男は、壊れている。
完全に、壊れている。 雨は激しくなる。
二人は、栽培所の中で、
向日葵の影に、
ただ、にらみ合った。 雷が、また落ちる。
白い光の中で、
匪躬は呟いた。
「阿諛は……某のものだ……
小娘ごときに……渡さない…………」
英賀手は、針を握りしめたまま、
一歩も動けなくなった。
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