【全年齢版】媛彦談《ひめひこだん》〜足掻手《アガデ》〜

テジリ

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サルヌリ朝

ダチ密約

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 長上は思う。
 あやぎり朝民とサルヌリ朝民は、それぞれあまりに気質が違う。

 サルヌリ朝民は――何かあったらヒイナのせい。
 大の大人が揃いも揃って、口々に泣き言や暴言を浴びせる。

 長上は、ぞっとする。
 もし、あんなのと地続きになって、
 サルヌリ朝民が霧越京を闊歩したら……?

 答えは、自ずとはっきりした。
 サルヌリ朝と繋がる関所は、前以上に厳格化。

 ✦

 タマル冠は、首をひねる。

「あれえ? 長上も、意外と気が小さいのだな!
 幾らでも見習うがよい😤。
 にいさまは、
 サルヌリ朝きっての素晴らしき指導者✨️」

 長上は、タマル冠を見ていないため、その発言に気づかなかった。
 戴冠は、ますますダチ公に親近感を抱く。

「そうか、やはり吾らは気が合うな。
 お義兄様と呼べ。名族の血を与えてやる」

 長上は、えばりくさった年下友達に憤慨する。

「調子に乗るな、この雑魚🎣が」

 長上に戴冠を貶され、
 タマル冠もハイタークも憤慨する。

「なんと無礼な💢
 にいさまに向かって何を言うか!」

「なんだと!? 戴冠を愚弄するか🦧💢」

 タマル冠は、視線をチラッチラッ👀✨️
 ハイタークに、実力行使をけしかける。

 ✦

 戴冠は、片手を挙げてそれを制した。

「やめよハイターク。
 お前如きが口を挟むでない。

 ――やや、そういえば。
 そちは確かタマル冠を、
 憎からず想うておったよなあ?
 愛する妹~(笑)だとか余計な一言抜かして」

 タマル冠に、虫唾が走る⚡️
 ハイタークは慌てふためきながら釈明に走る。

「滅相もない! 私如き無骨者、
 貴人方(きじんがた)には、相応しくも何ともございません」

 戴冠は、ハイタークの右往左往を睥睨しながら言った。

「当たり前だろう。貴人は貴人同士番うべきなのだから」

 ✦

 タマル冠は胸元で両手を組み、兄の言葉に激しく頷く。

「にいさま、左様でございます❤
 不心得なハイタークなど、もっともっと、
 殊更に懲らしめておやりになって❤」

 戴冠は、妹の熱い声援を受け、
 ハイタークの頭上にビシビシ💥情け容赦なく鞭を加える。
 ハイタークの脳にダメージを与えて気が済むと、
 戴冠は、鞭を片手に妹・タマル冠へと向き直った。

「実に憐れでひとりぼっちな我が妹よ。
 戴冠命令だ。あやぎり朝に嫁げ。
 婚資に神鳴り山とその麓を付けてやる」

「無論です❤にいさま。
 内(うち)はよろこんで従います❤」

 タマル冠は、無邪気にはしゃいで承諾する。
 ハイタークの、最後のライフも消滅した。
 戴冠は、一人逃げようとした、
 長上の首根っこを捕まえる。

「これで不満は無いな。代わりに兵を引き上げよ、長上」

「ハイタークが落とした砦はどうなる?」

「即刻返そう。
 ……にしてもつまらんなー、せっかくひと月も猶予をくれてやったのに。
 元ヒイナは穢らわしいから分からんでもないが。
 タマル冠とさえ何もないのか?」

 ✦

 長上は、やけに自信満々に答えた。

「あいにくだったな。世は必ず順番を守る。
 そういう相手は、結婚してからだ!

 ただ最近、わりと霧彦さえいれば良いような気がしてならんのだ。

 関係各所と折合いがつけば、余分な媛(ひめ)はまた、
 実家に帰すつもりだ。維持費も莫迦にならないし」

 戴冠は、思わず膝を叩いた。

「たはははっ、何だそれは。
 とんでもない冷血漢だな、益々仲良くなれそうだ」

 タマル冠も、霧越京に興味が尽きない。

「あらまあ、長上にそこまで言わせるとは。
 いったいどんな方だろう?
 にいさま、内(うち)は少しだけ楽しみになって参りました。
 帰って支度を急ぎましょう✨️」

 ダチ背、大勝利。
 戴冠は、ついでに義弟も確保した。

 ✦

 帰りの道中、
 長上は、隣を歩くひいなと密約を交わす。

(ひそひそ……では表向き、
 ひいなは婿探しをあやぎり朝でするから移住にしよう。
 従者女も、ひいなにお伴したいと熱望。
 世は感涙して二人を受け入れる)

(コソコソ……で。
 実際はーーひいなは長上の本拠地・両属朝で、
 サルヌリ流の礼儀作法指南役に抜擢。
 従者女は乳母って事で、ひいなに同行!
 まかせて👍✨️
 ひいなは門外不出の作法もバッチリ。
 長上の妹・天音さまに教えてあげる☆)




 
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