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管媛《くだひめ》
旅一座上演:〈山影に消えた姉弟のものがたり〉
しおりを挟む【舞台:山の麓。太鼓ドン、ドン……】
🐸語り手(毛濔)
「その昔——
濃き緑ひしめく山里に、
両親を亡くした幼き姉弟が住んでおりました。」
(灯り、姉弟役の子役が登場。姉は竹籠、弟は薪束)
🐸語り手
「村人は憐れみ、少しずつ食べ物を分け与え、
姉弟は、みなに見守られ育ちました。
……だが、幾月も日照りが続いたある年、
村にはもはや余裕がなくなったのです。」
(村人役がざわざわ。「今年はダメだ」「わしらが死ぬ」)
😥村長役
「……すまん。
お前たちを、もう養ってやれぬ。」
(姉😼、静かに一礼。弟😿、不安げに姉の袖を掴む。)
---
✦ 一幕
「洞穴暮らし」
🐸語り手
「こうして、姉弟は自力で生きるべく、山の洞穴へ移りました。」
(舞台奥の洞窟。松明をかかげる姉弟。)
🐸語り手
「姉は、川の石陰に潜む山椒魚を狙う“山椒漁”またの名をーー毒もみを習い、
弟には火起こしと山菜の見分け方が託されました。」
😼姉役、山椒を砕き川に流しながら弟を励ます。
「ほら、見ていて。
石の裏を狙うの。山の恵みは、目の良い者に微笑むんだよ。」
😿弟、小さな火打ち石を打ちながら
「ねえさまの魚、ぼくの火で焼くんだ!」
(ほほえましい笛の音)
---
✦ 二幕
「井戸と約束」
🐸語り手
「村人は、せめて井戸の水くらいは——と、
姉弟に汲みに来ることを許しました。
小さな救いの道でございました。」
(村の井戸。姉弟が桶に水をくむ。)
🌝村の老婆役、そっと姉弟に布を渡す。
「暑いだろう。頭にかけておいき。」
😼姉役、深々と礼。
「ありがとう……!」
---
✦ 三幕
「そして、来なくなった」
🐸語り手 ——低い声に変わる。
「しかしある日を境に、姉弟は井戸へ姿を見せなくなりました。」
(太鼓、ドン……ドン……)
👥村人役(一同)
「まさか病か!?」「行こう、洞穴へ!」
---
✦ 四幕
「洞穴の壁画」
(舞台転換。洞穴の内側が明るく照らされる。)
🐸語り手
「……だが、洞穴には誰もいなかった。
あったのは、びっしりと描かれた壁画ばかり。」
(照明が壁画風の幕に映る:
姉の山椒漁姿、魚、木の実、野兎。
オコジョがかじる絵。)
🗣️村人役(一人、震える声で)
「……これ、弟坊が描いたのか。
ねえさまを……ずっと、描いて……」
(静寂)
---
✦ 五幕
「行方の謎」
🐸語り手、静かに。
「姉弟は、どこへ消えたのか。
姉が川で溺れ、
弟が姉の代わりに山椒漁をして同じ運命を辿ったのか。
あるいは弟が先に逝き、
姉がどこか山奥で後を追ったのか。
……それとも——
二人手を取り、山を降り、どこかで新しい暮らしを始めたのか。
はたまた、
旅の者にさらわれ、遠い国に売られたのか。」
---
✦ 終幕
「語り継がれるもの」
🐸語り手、観客に向き直る。
「答えは、だれにもわかりません。
ただ確かなのは——
どれほど飢えようと、
どれほど苦しかろうと、
姉弟は互いの手だけは離さなかったということ。
洞穴に残された壁画は、
その証にございます。」
(照明が落ち、太鼓の余韻のみ。)
🗣️🐸😼😿👥一座一同
「以上——
『山影に消えた姉弟のものがたり』、
ご覧いただきまして、かたじけのうございます!」
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