1 / 3
始まり
月と日の子。
しおりを挟む月元 150年2月30日
パラーシャ・キョウ
オギャー オギャー
赤ちゃんの鳴き声が城の中に響き渡った。それに気づきドリタラー王は最愛の妻「ガンナー」のところに向かった。
「ガンナー!」
「あなた、元気の男の子であったよ。」ガンナーは弱々しい声で話した。
「無理して喋らなくていいよ、ありがとうねガンナー。」
そしてドリタラー王は赤ちゃんを見た。
「これがわがナフ族五人目の王子か。もちろんわが一家誇りの「月の子」であろう。」ドリタラー王は誇らしい顔で話し赤ちゃんを抱いて、赤ちゃんの体にある記号を探し始めた。
まず目に入ったのは右手の平にある月の記号だった。
「見ろ、ガンナーこの美しい月の記号を!」
「ほんとですね、あなたのような美しい月ですね。でも、あなた彼の左手の平を見たか?」
「左手の平?」ドリタラー王は急いで見た。
「な、なんてことだ!!!」
ドリタラー王の目に入ったのは右手の平の月と違った太陽の記号であった。
「こ、これは「日の子」の記号ではないか!」と言った後ドリタラー王は少し暗い顔をした。
それを見たガンナー王妃はこう言った。
「例え彼には太陽の記号があっても、彼は私の子供である、私たちの子供であるのではないか?私は彼のことを他の子供と同じぐらい愛します!」
ドリタラー王は赤ちゃんをガンナー王妃の横に置きベッドの横にある椅子に座ってしばらく沈黙した。
「分かった。でも一応国師に占てもらいましょう。」ドリタラー王は部屋の外にいる兵士に国師を呼んで来てと命令した。
しばらくすると全身真っ白な服装をした賢いそうな老人がやってきた。
「お呼びでしょうか、ドリタラー様。」
「わが子に占いを。」ドリタラー王は椅子に座ったまま言葉を呟いた。
「かしこまりました。では失礼します。」国師はガンナー王妃の横にいる赤ちゃんを抱いた。
国師は赤ちゃんを見て、奇妙な呪文を説い始めた、しばらくすると国師の目が白くなり、占いが始まった。
「あぁぁ、あぁぁ、この子は「月の子」であり、又、「日の子」でもあるなぁぁぁ。」
「あぁぁ、あぁぁ、見える、見える。」
「な、なんてことだ、この子の未来は王になる運命だ。」と国師は大笑いした。
「なにバカなことを!この国未来の王はわが長男ドゥールに決まっておる!」
「これが運命です。運命は逆らうことができん。」
「王子よ、あなたの手の中には月と太陽がある、この国の未来はあなたに託しておるこれがあなたの運命ですぞ。」
国師は赤ちゃんをガンナー王妃のそばに戻し、大笑いしながら部屋から出てた。
「なんてことだ…くそ。日の子がこの国を治めるなんて許さん、わしは絶対こんなことさせない。そうだ、絶対なんかの間違いだ!あの国師の野郎!」ドリタラー王は兵士に国師を殺せと命令した。
でもその後はドリタラー王は全ての兵士を動員して探しても、国師のことは見つからなかった、まるでこの世から消え去ったの様に。
0
あなたにおすすめの小説
カウントダウンは止められない
柊
ファンタジー
2年間の「白い結婚」の後、アリスから離婚を突きつけられたアルノー。
一週間後、屋敷を後にするが……。
※小説になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。
真実の愛のおつりたち
毒島醜女
ファンタジー
ある公国。
不幸な身の上の平民女に恋をした公子は彼女を虐げた公爵令嬢を婚約破棄する。
その騒動は大きな波を起こし、大勢の人間を巻き込んでいった。
真実の愛に踊らされるのは当人だけではない。
そんな群像劇。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
その国が滅びたのは
志位斗 茂家波
ファンタジー
3年前、ある事件が起こるその時まで、その国は栄えていた。
だがしかし、その事件以降あっという間に落ちぶれたが、一体どういうことなのだろうか?
それは、考え無しの婚約破棄によるものであったそうだ。
息抜き用婚約破棄物。全6話+オマケの予定。
作者の「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹が登場。というか、これをそっちの乗せたほうが良いんじゃないかと思い中。
誤字脱字があるかもしれません。ないように頑張ってますが、御指摘や改良点があれば受け付けます。
優しく微笑んでくれる婚約者を手放した後悔
しゃーりん
恋愛
エルネストは12歳の時、2歳年下のオリビアと婚約した。
彼女は大人しく、エルネストの話をニコニコと聞いて相槌をうってくれる優しい子だった。
そんな彼女との穏やかな時間が好きだった。
なのに、学園に入ってからの俺は周りに影響されてしまったり、令嬢と親しくなってしまった。
その令嬢と結婚するためにオリビアとの婚約を解消してしまったことを後悔する男のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
