お前にだけは素直になれない

葉月よる

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出会い①

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撫でてくる大好きな大きな手。正直めちゃくちゃ嬉しいけど、子供扱いなのが傷だ。
俺は手を払い除けて、また横を向きながら話した。

「…んで、俺を仕事に参加させないの」

ドキドキと心臓が高鳴る。ハッキリ秀の口から"役立たず、足でまとい"だと言われたらさすがにショックだから。

返事を待っていると、両手で顔を包まれ正面を向かされた。バチッと秀と視線が重なり、逃げられない。

「置いてったのは悪かった」

「……ッ」

そんな真剣な顔しないで、死ぬほどかっこいいから。ダメだダメだ、顔よ赤くなるんじゃない!!

「お前はまだガキだし経験もそんな無い。だから最初は簡単な依頼からやってってほしーんだよ」

「簡単って……んぐ」

話しながらムニムニと頬を弄られる。あーーーー温かいし幸せだけど困るーーー

「例えば今日の荷物受け取りとか~迷子探しだとかだよ。毎回邪魔が入って違う内容になるが……とにかく!危ない仕事はまだやってほしくないんだ、それだけ」

言い終わるとパッと解放され、また歩き出す。良かった、弱いからもあるだろうけど。まだやってほしくないって事は俺の成長に期待してくれてるのかもしれない。早く色んな経験をして強くなって、秀を守れるようになりたい。

「ちょっと子供扱いしすぎだけどね」

そう言って秀の脇を小突くと、「本当のことだろ」と小突き返された。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


俺たちの仕事は表立って活動はしない。汚れ仕事がメインで依頼が回ってくる。
ここで働いてる奴らも経歴は様々で、孤児で幼い頃から居るやつだったり、お金がなく家族には内緒でやってたり……まぁ常人はいない。
俺も人には言えないような経歴……と言いたい所だが俺は少し違った。

普通の中学生だったのだ。

親は居なかったが遠い親戚の叔父が引き取ってくれて通わせてもらっていた。そんな平々凡々だった俺がなぜこの環境下で働いてるか……それはある男との出会いが原因である。


そう、目の前で大量のエビフライを食べている筋肉ダルマ。相原秀一郎である。


3年前の冬、中学3年生で受験真っ只中だった僕は、英単語の暗記をブツブツ言いながら帰っていた。
受験に落ちてたりなんかしたら叔父に何を言われるか分からないから必死だった。

そんな時、いきなり目の前から一人の男が飛び出してきた。


小型ナイフを片手に……

































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