上 下
6 / 6

最終話 ディルド大志を抱く!

しおりを挟む
「聖女様だわ」
「聖女様だ」
「そろそろ、お話してもいいかしら?」
 
 
 ずるいぞ、とか、僕も、私も、と何故か私を取り囲むように人だかりができ始める。
 そうして数人と話をした私は段々と彼らの意図に気づき始めた。
 
 この国の人々は元々探求心の旺盛な人達が多く、特に学ぶことを生業にした人達は、異世界という究極の未開の地から訪れた私の話に興味津々の様子なのだ。

 「聖女様、ご結婚おめでとうございます、聖女様の国では今日の誓いのように一夫一妻で生涯を過ごされると聞きましたが、本当ですか?伴侶はどのようにして決められるのでしょうか?」
 
 きらきらした目の令嬢達に取り囲まれる。
 きっと、若い女性達は異世界の恋愛事情にも興味津々なのだろう。結婚する事を半ば諦めかけていた私は笑みをつくりながらも、どう言ったものかと戸惑う。

「そうですね、皆が皆結婚する訳ではないのですが、昔はお見合いという紹介制度が主流で、やがて恋愛で結婚する人が多くを占めるようになり、今は、どうなのでしょうね、価値観は多様化して、独身者も増えてますね……」

 ――結婚を迷う人も少なくなくなった

 そう言葉を切った私に、我が意を得たりとひとりの令嬢が拳を握りしめる。
 
 「そうですわ!万が一にも生涯を誓い合った殿方がなんて不測の事態になった時には、どのように対処されるのですか?」
「まぁ、それは大変なことよね!!」
「そうですわ、そのような事になれば詰んでしまいますわね!」

 ――そ、そっち?
 
 「そんな時こそ、もちろんディルドでしょう?」
 「ですが、ディルドでは子は成せないですわ!!」
 「はっ、もしかしたら異世界には子種付きのディルドなるものなども販売されているのでしょうか?」
 「いや、さすがにそこまでは……」

 ――ないと信じたいけど、言い切れない

「えーっと、人工授精という方法もあるにはあって、でも万能というわけにもいかないのですが……」
 「まぁ、そのような?それは素晴らしいことですわ!!」
 「で、でも、まずはそれよりも、勃たないなんて由々しき問題の、治療法の有無をご教示いただきたいものですわ!」
「あっ、えっと……」

  聖女様、と話しかけてきた割には、彼女たちだけで熱を持って繰り広げられる口論に私は必要だろうか、と引き気味に見守る。

 だけど、この世界の女性達は意外にも性を楽しむ事に限らず、子供を産み育てる意欲をきちんと持っているのだと改めて知った私は不思議な気持ちだった。

 あのバイタリティーに溢れた突っ込みどころ満載の女王は一体どうやって、一見いかがわし過ぎるこの世を、こんな風に繁栄した社会に導いているのだろう。

 私には分からないことばかりだと眉を寄せる。
 すると今度は視界には入らない場所からしわがれた老人の声がした。

「……聖女さま、……聖女さまよ」
 
 ドレスの裾をチョイチョイと引っ張られ、はっと気付いた私は視線を下げた。
 すると一人の黒づくめの老人がいて、その老人を複数の若い黒づくめの青年たちが腰を屈めて大事そうに支えている。

 ――えっと、この装いは、魔法使いだよね?

 「あやつらの戯言は放っておきなされ、それよりも聖女様、聖女様の故郷ではぁぁ、魔法ではない文明が発達していると聞きましたぞ、それはどのようなものであり、どのようにして起動しているのかぁぁ、儂は老い先短い魔法使いですが、異次元の世界から訪れた聖女様に出逢えたのは幸運の極みじゃって、是非とも、弟子たちと一緒に尊い話を聞かせてはくださらんかぁの……」
 「「「聖女様、是非ともご指南よろしくおねがいします!」」」

ーーーあっ、こっちはかなり真剣なやつだ

 おそらくは魔法省の重鎮とその愛弟子と言ったところだろう。

「あ、ええと……」

 ――これは完全な苦手分野だ

 「聖女様!こちらにおられましたか、先日の器具の改良品ができたので、ご意見を……」
 「聖女、ひよりとは貴女か?これはなんとも美しい、私と思い出に一曲踊ってはいただけないか?」
 「聖女様、オレ達に大型スライムを征伐した時の武勇伝を是非お聞かせください!!」

 今度は三方向から声をかけられる。
 えっと、医療器具の窓口の顔見知りの職員と、知らない異国の衣装を着た王子風のイケメンの若い男性と、目をキラキラさせたまだ十代半ばの騎士の卵の集まり、と言ったところだろうか。
 
 「ラー、ラララ、ラッラー♪♪ 吟遊詩人のタビトと申します、ぜっひぃ~♪私にィィ♪貴女の世界の詩歌をご伝授いただきたぁぁぃぃ♪♪♪」

 ――吟遊詩人?だけどこんな風変わりな人でも美形だ、しかもかなりの美形だ、異世界顔面偏差値、凄すぎる。
 
 「「「「聖女様ぁ!!!」」」」

 ――増えてる、どんどん増えているよ、雪だるま式に

 「いや、あの、ちょっと、じゃあ質問は、どうしましょうか、な、なら、一組織につき一回ずつ、……出来るだけ答えやすい質問でもいいですか?私も何にでも精通していたわけではないので……」

 ――これは収集が付かないやつだ

 私は引き攣りながら、そう答えた。

 ――だけど
 
 今まで、時々夜会に誘われても、懇親会に呼ばれてもそんな気分になれずに断り続けていた私にも非があるのだろう。
 数日後には、辺境の地への赴任が決まった私にここぞとばかりに探求心をぶつけてくる人々の熱気を前にして若干の罪悪感を覚えたのも事実だった。

 だけどその時、私は背後から聞こえるか聞こえないかの舌打ちと共に、ケイツ様の重苦しい威圧感を感じ取った。

 ゴホンとひつつ咳払いしたケイツ様は、そこにいた人々の注目が一瞬自分に集まったことを確認して、それはもう端正かつ美しい顔で微笑んだ。

 ――なんて男前なんだろう
 
 改めてそう見惚れてしまう。
 なんといってもバーディーン様は本来の私の理想オシであるのだから仕方がないし、バーディーン様はケイツ様であった以上、これは浮気などではないと信じたいところだ。
 
 だけど何故だろう、その有無を言わせぬ笑顔に今、私は薄暗いものを感じてしまうのだ。
 まるで、と感じる子供みたいなゾワゾワした感情を持ってケイツ様の横顔を見てしまう。

 どこか剣呑なものが宿った翠の瞳を形だけは穏やかに細めて笑っているケイツ様、だけど…

 ――それは、笑っているとは言えないのではないだろうか?
 
 私の腰を抱き寄せて、集まる人たちから距離を取らせながら、ケイツ様はまた形だけの笑みを深めた。

「皆様、お楽しみのところ大変申し訳ないが、私とは、明日の朝早々に、この地を立つことになっているもので、そろそろ失礼をお許しください」

 その言葉に私は驚愕した。

 ――妻って言った?今、妻って言ったよ!

 ケイツ様の口から、妻って…
 私はひとり感無量の世界に旅立っていた。

「えぇぇ!?もうですの?」
「それなら尚更、まだよいではないか!?」

 そんな恨めしそうな声に、ケイツ様は動じずに実に優雅にこう言ってのけた。

「はははっ、皆さんの話を全部聞いていたら、主の到着を待つ辺境の地はしまいかねませんね、そうなってしまってはここにいる皆さんもさぞかし、困られることでしょう、以前のこともありますし…」

「「「「うっ……!!?」」」」

 ケイツ様が、そう言った瞬間、そこにいた人々は凍り付いた。

「そ、そうですわね、も、もう遅いですしこれ以上お引止めするのも申し訳ないわぁ」
「で、でも、一曲だけでも……」
「し、師匠、こ、ここは諦めて出直しましょう、何かあれば責任問題にもなりかねませんから…」
「じゃ、じゃが……」
「な、なんと!辺境の地は、まだそんなに鬼気迫った状況なのか、そこを、バーディーン様と聖女様で守るとか、マジ、すげぇ、かっけぇ……」
「我らもいつの日か…」

 一様に何かを呟いて黙り込む人達にケイツ様はもう一度微笑みかけた。

「今日のところこれにて失礼しますが、陛下とのお約束により、私達の赴任の暁には、今よりもっとかの地への安全なルートを整備して、警備を増やす計画となっております」

「「「おお!!!」」」

 ケイツ様の言葉に、期待に満ちた感嘆の声が上がる。

「同時に私達の方でも、皆さんが滞在し安いように、旅人の受け入れ態勢を整えて、宿を増やし、国境の街として本国や近隣諸国との情報交換などの場を設けられるように検討を重ねているところですので、積る話は是非その際にゆっくりと……」

 すると彼らは感心したように唸った。

「それは素晴らしい」
「確かにあの場所ならば……」
「貴重な交易の窓口ともなるだろう…」
「……私達にも海が見れる日がくるの?」
「バーディーン隊長、かっけぇ…」

 勉強不足な私にはよくわからないが、その土地は、魔境とも隣国とも海とも面した気候の良い場所のようで、重要な緩衝地帯でもあり、他国文化を取り入れる上での重要な入口ともなり得るのだという。

「そういうことで、皆さん、私達はこれで失礼しますが、今日は私達の門出を祝っていただきありがとう。この後も、心ゆくまで楽しんでもらえたら嬉しく思う。さぁ、いこうか、ひより……」

「は、はい、ケイツ様」

 私も、集まってくれた皆さんに一礼してケイツ様の後ろに続いた。

「まったく、無粋な人達だ、私達はようやく再会を果たしたというのに、一体、もう何時だと思っているんだ……」

 いつの間にかケイツ様は、私の手首を掴んで、大きな股を忙しなく動かして先に進んでいく。

「あっ、ケイツ様、もっとゆっくり、それに、迎えの馬車が…」
「大丈夫だ、馬車ならとうに帰らせたから…」

 苛立った物言いと責めるような翠の瞳に私は眉を寄せた。
 不機嫌にも思われるその表情は、やはり私にも怒っているのではないかと不安になる。

 私はケイツ様を怒らせるようなことをしてしまったのだろうか、思わぬ形で求愛してもらって、まるで夢でも見ているのではないかと思うくらいとても嬉しかった。
 なのに、再開してすぐに失望されたとしたら、絶望的な気持ちになる。
 
 そんな不安が胸に過って泣きそうになる私にケイツ様は、少し狼狽えた様子で顔を歪めた。

「そんな顔をしないでくれ、君に怒っている訳ではないし、この瞳は些か感情を隠すのに向かない…」
「えっ……?」

 目を瞬かせる私に、ケイツ様は少し気まずそうにボソリと呟いた。

「―――だから、女王は私の纏う色を変えたんだと今なら思う」

 ―――それはどういう意味だろう?

 ケイツ様が敵を作らないように、いざこざに巻き込まれないように、髪と瞳をあれほどに穏やかな色に変貌させたというのだろうか?
 
 だけど、その後も、どこか苦しげなケイツ様の切羽詰まった様子は変わらず、私の手を引きながら歩く速度は緩まることがなかった。

 やがて、足を止めたケイツ様は、はぁ、と息をついて呻くように私に向き直った。
 
「ごめん待てない、もう一刻だって待てそうにないんだ、ひより、あぁ、くそっ!もう、君を見ているだけで爆発しそうだ……」
「え!?」

 その瞬間私の身体は反転して、瞳の先には先を急ぐケイツ様の凛々しい顔と天井のみが映し出された。
 長い睫に縁取られた意思のある切れ長の瞳は今、感情にまかせるように焦れた瞳を歪めて先を急いでいる。

「ケイツ様……」
「ひより、私の滞在している部屋に行こう、悪いが走るから、舌を噛まないようにしっかり捕まっていて……」
「えっ……」

 それから僅かの間、ケイツ様の腕のなかで揺れ続けていた体は、王城の中の一室のベッドの上に丁寧に降ろされた。

「はぁ、はぁ……」

 ケイツ様の翠の瞳が余裕なく私を見下ろしている。

「――ひより、逢いたかった」
 
 わたしも、と答える間もなく堪らないとばかりに息を切らしたケイツ様の唇が私の唇に重ねられる。

 「はぁ、ふはっ……」

 幾度も確かめ合うように角度を変えながら重ねられた唇は一瞬で互いに抗らえないほどのあつい熱をもたらしキスはどんどんねっとりと深まっていく。

「あっ、ふっ……っ、はぁ……」

 水音が響くほどに激しく口内を蹂躙され、差し出した舌をケイツ様に吸われて、銀の糸を引く。
 やがて、それがプツリと途切れて、酸欠のぼうっとした頭てケイツ様を見つめる。
  
 月明りに照らされた夜の闇にケイツ様の瞳が翠色の光を放っていて、私はそっと期待とともに息を呑んだ。
 それは、優しいだけのものではなく、ギラギラとした欲望を滲ませる激しい色だったからだ。
 私は目を細めてケイツ様の頬に手を伸ばした。
 そして、頬に残る刀傷をそっと親指の先でなぞるとケイツ様は肩を揺らした。

「はっ、ははっ、ひより、私は、醜くなったか、随分粗野な容貌になった自覚くらいはある、おそらく中身もあの頃のままとは言えない……」
「いいえ、まさか、そんなはずはありません……」

 少しだけ怯えたようなその物言いと傷ついた時ほど笑おうとするケイツ様に私は泣きたくなった。

 確かに、変わったこともある、たけどそれでも、変わらないケイツ様がここにいてくれる事に、戻ってきてくれた事に喜びしかないのだ。

「ただ、傍にいたなら、すぐにも癒して差し上げたのにと思うと、切なくはなります、やはり愛する人だと尚更……」
「ひより………」
 
 ケイツ様だ、やはりケイツ様なのだ……。
 
 情けなく泣き崩れそうになる私を宥めるようにケイツ様の口づけが深くなる。

 ―――逢いたかった、ようやく逢えた

「幻の君を、私は何度も夢で見た…」

 ケイツ様は、私の口内のあらゆるところをねっとりと舌を絡めて蹂躙しながら、性急に私のドレスを剝いでいった。

 白い肌が夜の空気に頼りなく晒されて何とも心もとない気持ちになりハッとする。

「あっ、ケイツ様、お湯を……」

 蕩けた頭でケイツ様を見つめたら、ケイツ様は少しだけ困った顔をしながらもキッパリ言った。

「ひより、すまないがもう私は待てないんだ、何も気にしなくていい、今はどうか私だけに集中して……」
「あっ………」

 ケイツ様の乾いた声と燃える様な瞳を見た瞬間、私は抗うことを諦めた。
 その瞳に見つめられるだけで私の身体の奥の奥、下腹部の辺りは一瞬にして熱を持ったのだ。

 全裸にされた私を自らの服を脱ぎながら見下ろすケイツ様はまるで美しい瞳をした獣のようで、その前に肢体を晒している私はゾクゾクとした期待に胸を高鳴らせていた。

 ドクンドクンとまるで毒が全身に広がり始めるように私の理性は今、欲望に変わっていく。

 ―――ケイツ様は美しい

 増えた傷跡と一層逞しくなった体がケイツ様がこの一年、どれだけ努力を重ねてきたのか物語る。
 そして、以前よりも迷いなく私を欲するどこか獰猛な翠の瞳は、女王陛下が創り出した偽物ではなく、本来のケイツ様の持つ魅力であり、それが今、欲を宿して私を欲しいと訴えている。
 そんな事実が堪らず私を歓喜させていた。

「ケイツ様…」
「ひより……」

 固唾を呑んだように、私を見つめたケイツ様は、熱のこもったまなざしを細めるように息を吐いた。
 
「綺麗だ、この身体に再び触れる日を私はどれほど待ち望んだか……」

 下腹部に押し付けられている彼の剛直が質量を増すのを感じて頬が熱る。

「……だけど、自分に都合のいい夢ばかりではなかった、君を他の男に寝取られる夢を見た日には、魔窟は血に染まったよ」

 そんな不穏な発言をするケイツ様を私はぎゅっと抱きしめた。

「……一刻でも早く出たい、君の元に戻らなければと」
「ケイツ様……」

 苦しそうな翠の瞳がゆらゆらと複雑な色で揺れている。

「ひより、こんな私を信じて待っていてくれてありがとう」

 その言葉に感極まった私に、もはや理性の箍が完全に外れたとばかりに、ケイツ様は噛みつく勢いでキスをする。

 私達は深く舌を絡め合い、互いの唾液を貪り尽くした。静かな空間には夜の水音が響き渡る。

 蕩けるくらい抱きしめあって、互いがここにいる事を確認しあった私達は、ようやく互いの唇を解放した。

「あぁ、ひより……」
 
 唾液を引きながら、首筋に口付けられた瞬間、そこが痛みとともに甘い痺れをもたらした。

「あっ!?」
「ひよりの匂いがする…」

 それを嗅いだケイツ様の剛直が興奮で更に質量を限界まで増していることを感じ取った私は羞恥に顔を赤らめた。

「いやっ、嗅がないで…」
「ふっ、それは出来ない相談だな、なんと言っても現実だけの特権だ…」


 白い双丘にはケイツ様の指が食い込み、たぷんたぷんと歪に形を変えながら、いやらしい手つきでゆさぶられる。やがて、ぷっくりと硬くなった先端の赤い尖りにケイツ様の薄い唇から差し出された赤い舌が這わされて、やがて口に含まれ、その先端を転がされる。

「あっ、あ、あぁぁ、ダ、メ……」
「可愛いね、ひより………」

 大きな手で揉みしだかれた乳房の湿りを帯びたその舌先はケイツ様の口に含まれたまま、舌先で上に下にと舐めて転がされる。

「ふっ、ああっ、ケイツ様……」

 覆いかぶさるようにして胸を責め立てていたケイツ様の指先はやがて、私の腰のくびれを撫でながら、下腹部の上に這わされた。
 しばらくそこに重ねられた大きな手の温もりに、その奥がじわりじわりと熱を持つ。
 私の体がその奥の大切な部分でケイツ様を受け入れることを期待しているのが伝わってくる。

「……ケイツ様」
「ひより」

 潤んだ私の瞳に優しく微笑んだケイツ様は私に触れるだけのキスを落とした。

「愛してるよ、誰よりも……」
 
 やがて茂みを掻き分けて濡れた蜜口を指先でなぞられた瞬間、全身にしびれが走り、そんな私にケイツ様は堪らないとばかりに大きく息を吐いた。

「あぁ、ひより、よく濡れているね……」
「はっ、ああん、言わないで……」
 
 濡れたあわいをケイツ様の長い指で何度も往復された私は快楽の波に翻弄される。
 恐ろしいくらいに気持ちがよくて、蜜壺からは、自分でも恥ずかしいくらいの愛液が次々と溢れ出る。

「あぁっ、ケイツ様、ケイツ様……」
「気持ちよさそうだね、ひより、では、もっと気持ちよくなってもらおうね……」
「……ケイツ様?」
「…………快楽を君に」
「えっ……?」
 
 やがて、片方の手を、ケイツ様の指でしっかりと絡められて握りしめられると重ねられた唇が離れるように、一か所を目がけて沈められていく。
 ケイツ様が何をしようとしているのか察した私は、羞恥と期待で身悶える。

 「あっ、ダメっ、そんなところ……」

 女性が感じる場所に与えられるうごめく舌の感触に性感を引き出された私は、声をあげながらふるふると首を横に振る。

「ダメっ、あっ、やっ、はぁぁ……」
 
 絡めたままの指先にぎゅっと力が込められる。
 ケイツ様の舌は濡れそぼった私の股のあわいをぴちゃぴちゃと何度も執拗に往復し、やがて、その上にある花芯を硬く窄めた舌先でなぞり始める。

「ふあ!あああ!?」
 
 強すぎる快感に身を仰け反らせて、震える私の蜜口の中に、我慢できないとばかりに、くちゅりと指が差し込まれる。

「あぁぁん!!」

 涙目で打ち震える私の身体を、どこか嗜虐的な目を細めてケイツ様はその行為を進めていく。私の花芯を執拗に弄びながら、指は私の蜜口を何度も探るように往復しする。
「ひっ、---…!?」その指が花芯の裏側の腹部を掠めた瞬間私は総毛立つような震えに慄いた。ケイツ様はそれを見て、口角を上げて、赤い舌で私を翻弄しながら、指ではその一点を何度も何度も擦り付けて私の身体を翻弄する。

「…っ…ああっ!…もう、ああっ、ああっ、ケイツさまっ…」

 一際高い叫び声をあげた私は視界が明滅するのを感じながら全身を慄かせて、その場に崩れ落ちた。

「はぁ、はぁ…」

 整わない息を吐きながらぐったりとしている私の中から、花弁を掻き分けていた指が抜かれた。
 それはドロリとした粘液をたっぷり纏わせていて、ケイツ様はうっとりとした様子でそれをペロリと舐め上げる。
 私は、それを夢現の状況で茫然と見つめていた。

「ひより……」

 再び私に覆いかぶさったケイツ様は、艶めかしい息をつきながら、私の唇にやわらかく吸いついた。
 濡れそぼって時々こぷりと音を立てる蜜口に、熱くて硬い情欲の滾りが押し当てられる。

「あっ……」

 それがケイツ様の剛直だと悟った私は、眉を寄せた。

「ケイツ様……」
「ようやくだ、ようやく君と……」

 愉悦に溺れていく僅かな理性のなかで、不安が過った。

―――ちゃんと、繋がれるだろうか

「ひより、愛しているよ……」

 そう耳元に囁く言葉の甘さとは裏腹な、太くてみっしりと重量感のある滾りが、花弁を掻き分けながら、推し進められた。

「あ、ああぁ、ケイツ様……」
「っ、ひより……」
「あっ、あぁぁぁあっ---…!?」

 ズドンと最奥に強い衝撃を感じた私は、目を見開いたまま体を慄かせた。

「ひゅっ……」

「ひ、ひより、くっ、なんて快楽だ……」

 そんな私を、ケイツ様はぎゅっと大切そうに抱きとめている。たぶん少しの間、意識が飛んでいた。
 それほど衝撃的な快感が私を仕留めたのだ。

「はぁ、ひより、大丈夫?」

 私はこくんと頷いて、結合部にちらりと目を向けて気遣うようにケイツ様を見つめた。ケイツ様は蕩けるような複雑な色を宿した瞳で私の頭を撫でながら頷いた。

「温かいよ、そして最高に気持ちがいい………」

 未だ重たい瞳を開けて、朦朧とした視界でケイツ様の翠の瞳を見つめる私にケイツ様は微笑んだ。
 
「ひより……」

 触れるだけのキスを落とすケイツ様は、その時、凄く甘くて、同時に辛そうな顔をしていた。
 そしてようやく実感する。

「私達……」
「あぁ、ちゃんと繋がっているよ、きっと私達は誰よりも深く繋がっているんだ……」

 そう言われた私は、快楽の蕩けた瞳でケイツさまを見上げた。

「……誰よりも?」

 そう呟いた言葉に、ケイツ様は、目尻を下げて頷いた。そして、私の頬を凄く愛おしいものに触れるようになぞりながら口角を上げて微笑んだ。

「あぁ、ひより、誓って誰よりも深くしっかりと繋がっている、心も、身体も、ここもね…」
「ここ……」
「あぁ、感じるかい?ひより、ここで繋がっている私達の性器は、あの日、愛し合う私達が、二人の未来の為にだけ作り上げた、私達だけのオリジナルなんだよ」

 その言葉に、私は目を瞬かせた。

「……オリジナル?」

 そう戸惑ったようにいった私に、ケイツ様は愉快そうに口角をあげた。

「そう、オリジナル、あの日、私は君だけのモノになった、君の愛に包まれながらね……」

 そういったケイツ様は、私のなかに埋もれていたものをギリギリまで引き出して、それを再びズンと挿入した。

「ひっ……ッゥ……」

 ドンと音を立てて奥を穿たれてひくつくように打ち震えた瞬間私は、ふたたび強烈な戦慄に体を仰け反らせた。

「はぁぁん!」

 私は、その衝撃に固まった。

「ひより、分かる?」

 そう言って、少し名残惜しそうに私の中から、滾ったイチモツを引き抜いたケイツ様は、それを少しだけ恥ずかしそうに、私の目前に曝け出した。

「………えっ」

 水揚げされたばかりのように生きの良いイチモツに私はギョッと目を見開いた。

 ――だけど何かが違う、既視感が無いのだ、それに 


 私の脳内は解説を始めていた。

 立派なイチモツはそのままなのだが、私の記憶に残るものとは様子が違う。
 全体的に一回り引き締まったようでいて、硬さは増し、太さも重量感もしっかりとある。
 形は先端部分のくびれがよりいっそう一層はっきりして、若干長さを増しているようにも思える、色も以前より健康的な赤身を帯びて艶を増しているような……

 ここまでは見た目の話である。
 モニター体験したあとの経験を述べるならば…

 快感を極めつける陰茎の圧倒的長さと亀頭の張りは奥の大切な部分にその存在を思い知らせるだろう。
 そして笠部分の大きさと括れのエグさは、抜かれる寸前の粘膜の感じる部分をえぐり取られるような絶対的存在感を発揮するだろう……
 そんな快感のなかで、みっちりと幸福感で女性を満たすだろう男根の太さ……
 それに所々、一見意味が無さそうにボコボコと隆起した部分があるのはもしかして…

―――私の性感帯を余すところなく刺激していた?

 
「も、もしかして……」

 二人でイチモツを見つめ合いながら、そうパクパクと金魚のように口を開いた私にケイツ様は優しく頷いた。

「ありがとう、ひより、私を、君仕様の私に変えてくれて………」
「私、仕様………、これが………」
「でも、ケイツ様の国宝級の形を私が変えてしまうなんて…」
「全然いいよ、むしろ私はスッキリしたんだ、あんな大量生産済みの大衆向けチン○なんて、君の前では恥と汚点でしかないからね…」
「いや、恥と汚点って…」

 ケイツ様は幸せそうに私の手を握って微笑んだ。

「ずっと、になりたいと思っていた、でも、どれだけ頑張ってもそれは叶わないとどこか諦めていた、でもあの日、ひよりが私と生きたいと言ってくれたから、私をこうして変えてくれたから………」
「ケイツ様……」
「私も、本当の自分に戻って、君だけの私になりたいと、そう思った」

 ケイツ様は、そういって翠色の瞳を真っすぐに私に向けてきた。

「それで、私のために………」

―――私の為に、変わってくれようとした?

  自分を取り戻そうと懸命に足掻いて、戦って、こうして迎えに来てくれたその姿が今、ここにいるケイツ様。
 
「ケイツ様………」

  私は泣きたくなった。
 もはやこうなっては、あらゆることが卵が先なのか、鶏が先なのか、全くもってわからない。
 
 日本で私の絶対の“押し”であったケイツ様。
 だけど、私はあの頃、どうしてあんなにもケイツ様に惹かれたのか深く考えることは無かった。 
 
 攻略対象でもライバルキャラでもなかったケイツ様。
 既に心に決めた人がいるという設定のぶっきら棒な不遜の騎士は意外にも困った人に優しい大きな人だった。

 それが今なら本当に良く分かる。
 きっとあの小説のなかで、最高に幸せな女性は、二人の女性に振り回されるヒーローに最終的に選ばれるキラキラした主人公ではなく、ブレない脇役に徹して周りと自分に一線をおきつつも人のために行動できる不遜の騎士に愛されているという名もなき女性だと感じていたからかもしれない。

「ひより、……続きをいいだろうか?」

 そう問いかけてくると同時に、私の唇はケイツ様の唇で覆われた。
 ダメな訳など、一つもない。

「ーーケイツ様、愛してます」
「っ…!」

 そう言った瞬間ケイツ様はぼっと顔を赤らめた。

「ひよりっ…」

 密着したまま舌を絡め合いながら私は幸福で身も心も満たされた。
 そして、その幸福は、再び挿入されたケイツ様の剛直をしっかり受け止めて極限まで満たされる。

「はっ、ひより……」
「ケイツ様、はっ、あぁ!!あああ!!!」

 もはや二人揃って理性の箍が完全に外れ、私達は互いを強欲に貪りあうように愛し合った。剛直は私のなかで一層に質量を増し、ケイツ様は腕で私の体を押さえつけ何度も何度も腰を打ち付ける。

「はぁ、あぁ!!あっ、あっ、あっ、ああああ!!」

 快楽の治まらない身体に、ケイツ様は容赦なく滾った熱い塊を突き上げる。

「あっ、ああ!!ケイツ様!!!激しっ……」
「あぁ、ひより、私のひより………」

  熱くて硬いものに翻弄され続ける私は、もう何度目かの絶頂を迎えている。
 ケイツ様はそんな私にも容赦なく、私の腰を後ろから抱きしめるように引き寄せて、今度は後ろからガツガツと突き上げて獣のように快楽を貪る。

「は、あぁ、あぁ、あああ」
「どう、ひより、君だけの私に後ろから支配される気持ちは?」

 ――そんなの、堪らなくいいに決まってる
   怖いくらい、いいに決まっている

 ケイツ様の動きと共に全身にしびれを走らせながら、私は、声を上げ続ける。
 もはや、嬌声すらも掠れている。

「はっ、ひよりっ、ひよりっ……」
「はぁ、っ、ぅ…、は、あ、ああ、あああ……」

  両手で包み込むように胸を持ち上げいやらしい手つきでそれを弄びながら腰を振り続けるケイツ様に助けを乞うように目をむければ、ねっとりとしたキスで迎え入れられて、口内も同時に蹂躙される。

「はっ、もう、ケイツ様………」

 キスの体制が保てなくて、ぐったりとする私の首筋に痛みが走る。

「ああ!!」

 どうやら興奮したケイツ様に嚙みつかれたようだと悟りながらも、私の身体は立て続けに腰を打ち込むケイツ様に翻弄され続ける。

 抜き差しされるものの激しさと私への執着は想像を遥かに上回るものだった。
 もう、何度目だろうか、私の太腿には私の膣から零れ落ちただろうケイツ様の精液でびしょ濡れになっている。

「はっ、はっ、はっ、はっ…………」

 鍛え上げられたケイツ様はまるで犬のようなくぐもった息遣いで私を責め立てる。

「はっ、やっっ、もう、もう………」

  暴力的なまでの快楽に心身の限界を感じた私は、ハッと思い立ち、思わず回復魔法を口にしようとしたが、その瞬間、ケイツ様に口を覆われて、手首を掴まれた。

「……それは、ダメ、もうダメ、僕達はようやくここから積み重ねていくんだから、リセットはもう無しだよ、ね、ひより……」

 そう言って、背面から私を穿つケイツ様は私の膝の片方だけを持ち上げた。

「やっ……」

 まるで犬がおしっこをするような恰好に私は羞恥を感じて抗うも、ケイツ様は私の奥を突き上げるように角度を変えながら、肉と肉をぶつけ合い、ぎゅっと私を抱きしめてやがて、「うっ…」とくぐもった声をあげながら、最奥に精を注ぎ込む。

 ぐったりと倒れ込んだ私を支えるように抱きしめたケイツ様は再び私にキスをする。
 蜜口からは、愛液と精液がこぽこぽと零れ落ちる。

「ケイツ様……」
 
 涙目でケイツ様を睨みつける私にケイツ様は困ったように、微笑んで首を傾げる。

「ひより、嬉し過ぎて治まらない、もう一回いいだろうか?」

 私は、ケイツ様に枕を投げつけて「ダメに決まっています!」と訴えるも、もう一度最後は顔を見ながらしたいから、と今度は正常位でケイツ様の溢れる欲を受け止めた。


 その夜、結局私達は一睡もすることなく朝まで語り合った。ケイツ様は、翠の瞳で私を見つめ、まるで鳥が懐のなかに大切な雛でも抱くかのように私を優しく包み込みながら、沢山の思いを語ってくれた。

 私と出会って今まで、どこか投げやりに生きてきたことに気付かされたこと。
 私と生きていく為に、変わろうと思った事。
 生きる環境すら切り開いていく覚悟を持ったこと。
 
 そして今、抱くケイツ様の野望、いや将来設計を聞かされた私は驚いた。

 「私は、私が生きている間に、あの領地と砦を公国に発展させようと思っている、その後の独立も見据えてね」

 ケイツ様のその言葉に私は目を見開いた。

 ―――ひとつの国を成す?

 「それはっ、だって女王さまとこの国を………」

 女王への裏切りにあたるのではないだろうか?
 私はそう思い戸惑った。
 ケイツ様は、ふっと笑って私を見た。

 「女王は君が、思っているほど愚かではないよ、ひより……、その可能性も含めて君と私にあの土地を託した、私は少なくともそう理解している……」
「な、なんで……」
「女王は知っているからさ、彼女にしか守れないものを守り、優遇することは、その一方で、その他の者の自由や権利を奪うことになりかねない……、国が大きくなり、力を持てば、少数派は居場所を失ってしまう……」

 私はその言葉に眉を寄せた。

「でも、それは同時に………」

―――新たな時代の火種とはならないのだろうか?

 私の懸念を的確に察したのだろう。
 ケイツ様は、その翠眼を優しく細めた。
「私達は私達の時代を信念を持って生きるだけだ、後世は後世に排出された英雄と、民意によってその有り様を変え続けていくだろう、どこまでも、どこまでも……」
「ケイツ様……」
「だから、私は私の今を生きる、そして繋ぐ、この後も正しさを求め続けるだろう未来の人の力に期待して精一杯にこの時代を生き、愛も愚かさも歴史として刻み、最後は世を去るだけだよ……」

ケイツ様は、私の指先を握りしめて憂うようにそう言った。

「君の話を聞いて………」
「ケイツ様……」
「私には、作ってみたいと思うりそうが出来た……」
「あればいいなと思う、制度も知った…」
「ケイツ様…」
「それは光も影も含めて君達の先人が築き上げてきた必然の奇跡だ…」

 ―――だから、私も君と奇跡を刻みたい


 ケイツ様はそう言って、私に手を伸ばした。
 そして私の背中を抱きしめながら、様々な事を語ってくれた。

 その国の中に、どんな人々も受け入れる新天地のような場所を作りたいのだと。
 宗教や性癖により迫害されることもなく、善悪を生まれだけで隔てられることもない複数の居住区を作りたい。
 そしてある一つの重なった枠内でだけはその融合が侵害されないそんな場所を作りたい。

 そしていつかは、その居住区の住み分けすら、邪魔で不要、と認識される世が来ることを期待したいし、それを可能にする後身を育てて、支援したいと。

――自由貿易都市?
 
 なんとなくだけど、そんな言葉が浮かんだ。

 だけどその為には、そこを統括する為の新たな秩序や倫理観が必要になり、それがまた、人々の価値観を隔てるとても皮肉で悩ましい問題になるだろう。

 そんな風に真剣な瞳で語るケイツ様は、おそらく繁栄だけではない、暗い部分も同時に背負う覚悟を持っているのだろうと感じずにはいられなかった。

ーーー時代はここでも変化していく
 

「……一緒に」
 
 絡めるように繋いでいたその手に私は力を込めてそう呟いた。

「ありがとう、ひより、君がいるだけで、私はとても強くなれる気がするんだ…」

 私達は何も言わず、今、互いが傍にいることの奇跡を確かめるように静かに手を取り合っていた。

 ケイツ様の温もりを感じながらおもうのだ。

ーーー私達の寿命はきっと長いようでそうでもない、だから
 

 そんなことに思いを馳せながら、私達は朝方ようやく短い眠りに落ちた。

 その夜、夢の中でたどり着いた新天地は、沢山の人の笑顔で溢れていた。
 元の世界の幼馴染、友人、知人、先輩、世界中の人々、魔物、獣人………

 朝方目を覚ました私は、以前ならあり得ないと思うファンタジーな世界観を思い出しながら、ひとつ伸びをして起き出した。


 ーーここはケイツ・バーディーンのいる世界

 ここでなら、叶うことも、沢山あるのかも知れない。その為には、今日から行動あるのみなのだ。

「さぁ、ケイツ様、のんびりしていたら、大切な領地が魔物に支配されてしまうんじゃなかったんですか?」

 眠そうに目を覚ましたケイツ様の瞳が、優しい色を帯びて嬉しそうに見開かれる。

「そうだね、ひより、行こうか、僕達の新天地に………」

 瞳と瞳を交えた私達は、誓いあうように、起きがけの優しいキスをした。



 

 それから、多くの人々と交わりながら、やがて一つの新国が興り、この世界に多くの影響を与えたのはまた別のお話。

 その国は、民の結婚の在り方はそれぞれの意思に任せられたが、総じて王家は一夫一妻を選ぶ者が多く、その生き様に憧れた若い男女は、恋人を作り、結婚を選択するものが増えて賑わったそうだ。


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

大好きなあなたを忘れる方法

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:4,153pt お気に入り:1,057

恋人を目の前で姉に奪い取られたので、両方とも捨ててやりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:3,585pt お気に入り:1,587

愚者の勲章

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:151

【完結】浮気の証拠を揃えて婚約破棄したのに、捕まってしまいました。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:915pt お気に入り:3,465

王妃の手習い

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,740pt お気に入り:3,008

ソシャゲやりすぎて頭イカレたん?

339
BL / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:68

【完結】今更魅了と言われても

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,328pt お気に入り:652

令嬢スロート

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,668pt お気に入り:61

処理中です...