【完結】BONDS OF THE WORLD―太陽が愛した世界― お日様は私でお日様はあなたかもしれない

たまりん

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最終章 エピローグ

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海晴がそう言った瞬間、黄昏時の空から黄色く眩しい光が差し込んだ。
そんな光のなかで私を見つめる海晴は、今まで見たどんな海晴よりも優しい顔をしていた。

胸に色んな感情が溢れていた。
ずっと流れ続けていた涙が、膝を濡らしている。

「そっか、そう、だったんだね……」

「ごめんね、陽愛、長い間きっと、苦しめてしまったよね、不甲斐ない話、自分の事で精一杯過ぎて、陽愛からみたら、とんでもない僕だったと思う……」

そう言って申し訳なさそうに小さく微笑む海晴に私は首を横に振った。
今まで、どんな気持ちで平静を保っていてくれたのかと思うと胸が苦しくなる。

「そんなことない……、話してくれてありがとう」

「うん………」

静かに微笑んでくれる海晴に伝え足りなくて、もうひとつ呟いた。

「守ってくれて、ありがとう………」

そう言った瞬間、海晴の笑顔が少し皮肉に歪んだ。

「…………守れたのかな?」

そう一言、呟いて黙り込む海晴の言葉の辛さに私は黙り込んだ。

「…………」

「分からないんだ………、今でも……」

その言葉の切なさに、私もまた何も答える事ができない。

海晴は最後に、南さんとの約束だけではなく、光君との約束を選んだ。
そして、それは同時に日向の生まれる可能性を消滅させることでもあった。
その葛藤が私にも分かりすぎるくらいに分かるから。

だけど、それは、海晴だけの罪ではない。
私もまた、あの時、確かに選んだのだ。

それが日向に再び同じ苦しみを背負わせたくないという思いからだったとしても、私は、あの時、過去を繰り返すことから背を向けた。
そして、桐谷の、夫の手をとったのだ。

「…………そうだね、それでも、ありがとう」

「………うん」

何を守るために何を失ったのか………
本当にこれが最善だったのか………

この状況でそれが分かる人間はいないのだ。

だけど今、これがエピローグだと、そう語る海晴の隣で、あの日の日向の笑顔が浮かんでくる。

「お日様の本、喜んでたよ?」

そう言って海晴を見ると、しばらく黙った後、小さく微笑んだ。

「そうか………」

「ねぇ、こっちでは出版しないの?」

そう問いかけた私に、海晴は首を横に振って苦笑した。

「………しないよ、あれは、日向だけに描いた本だから、僕は日向を忘れない」

そう宣言するように私を見つめた海晴に、再び涙腺が緩みそうになる。
だけど、その言葉を聞いて、私も泣かないでいようと思った。
涙で思い出を洗い流すのではなく、覚えているために戦い続けようと思うのだ。

「そう、そうだよね、………私も、忘れない、絶対に忘れないよ」

「………うん、そうだね」

そんな時、私の後方をみて海晴が僅かに目を開いた。
その後、おやおやと目を細めた彼は少し意地悪な笑みで唇を結んだ。

「おっと、さすがハゲ鷹ワンコくん、もう危険を嗅ぎ付けられたかな?」

「えっ………?」

その言葉に振り返ると、数十メートル先に夫がハンカチを手にこちらに向かっている。

「あっ、あれが、夫で………」

少し気まずくそう伝えると、海晴は、苦笑して頷いた。

「ははっ、さすがに知ってるから!僕からしたら、ここであったが百年目、だからね?」

「百年?」

その言葉に目を瞬かせる私に海晴は声を出して笑った。

「まぁ、百年は流石に大袈裟だったかな、さぁ、捕まる前に、僕は急いで退散することにするよ?」

「え………?」

そう冗談めかして微笑む海晴。
だけど私は察してしまうのだ。
きっと海晴が、私に語ってくれたのは、今私たちの時代の軸になった基本的な世界を主とした話で、海晴はその何倍もの時の苦悩を繰り返してようやくここにたどり着いているのだと。

---一体どれだけの心の傷を背負って生きてきたのだろう?

そう思うと胸がぎゅっと苦しくなった。
そして海晴が言うようにここがその終着点だとしても、海晴は、誰にも語ることのない多くの過去を、その中で経験した喜びも悲しみも罪も、一身に背負って生きていくことを既に決めてこの世界を生きているのだ。

海晴は、手を振りながら二人に叫んだ。

「光!!もう帰るよ、太陽くんもお父さんが迎えにみえたよぉ!!」

「えっっ!!もう、はぁぁぁい……」

声の延び具合から、かなり残念な様子が窺える。
そして、夕暮れに影を落としながら二つのシルエットが駆け寄ってくる。
沈みかけの黄色い太陽に照らされたその光景が、今日は物語のように美しく感じられた。

太陽と光……
それが織り成す世界のどこかに、日向は存在するのだろうか?

ふとそんな事を考えてしまう。
お日様は誰で、何を諦めて、何を手にいれたのか。

海晴の言葉で太陽がいないと思っていたパパの存在に気付いたのだろう。

「あっ、パパだー!!」
そのまま加速して夫のお腹にダイブした。

「っってぇえ!!こら、太陽!!!痛いだろうが?」

思いの他、大きく力強くなった息子の体当たりに、複雑な笑みを浮かべて、その頭を力強くガシガシと撫でる夫の大きな手。

「やめてぇ、剥げちゃうよ!もうお仕事終わったの?じゃあなにか食べにいこうよぉ!!」

そう期待を膨らませる太陽に夫の顔が優しく緩む。

「あぁ、そうするか、でも、友達に遊んでもらってたんなら、ちゃんとバイバイしてからな!」

「うん!」

そう答えた太陽はくるりと、海晴と光くんに向き直った。

「光くん、光くんパパ!!今日はありがとう!!あっ、そうだ、絵本展のおじさんからこれもらったの、光くんパパもありがとうね!!」

「おっ、八日間の大冒険のセミのやつだね」

そう言って笑う海晴に太陽が嬉しそうに頷いた。

「うん!このセミなんかすっごい可愛いから僕好き!!大事にするね?」

「そうかっ、ありがとうね」

海晴はそう言って太陽の頭をそっと撫でた。
そして目を細めて、まるで謎かけのようにこう言った。

「ねぇ、太陽くん、セミは夏になったら、地上に出てきてミンミン鳴くよね?」

「うん!!ツクツクホーシって鳴くのもいるよ?」

そう元気に答える太陽に海晴がうんうんと頷く。

「そうだよね、でもね、彼らはどうして毎年同じ鳴き方ができるんだろうね?セミさんは土のなかにいてお父さん達の声なんて聞いた事なんてないのにね」

「…………」

その瞬間、太陽は衝撃的な事実に固まった。

「ほんとだ!?なんで、なんで、なんで??光くんパパは知ってるの?僕にも教えて!!」

真剣な顔で食いつく太陽。
だけど、その問いに海晴は困ったように微笑んだ。

「ごめんね、おじさんも、実は知らないんだ」

「えぇぇ!?」

そんな不満そうな太陽に海晴はくすっと笑った。

---その表情がとても綺麗だったことを私はきっと生涯忘れないだろう

「だけどね、おじさんは、こう思うことにしてるんだよ」

その言葉に太陽と光くんは再び期待に目を輝かせる。

「きっと、セミさんは、目に見えないもので繋がってるんじゃないかな、それは、DNAみたいな科学の話にもなるかもしれないし、もっと説明できない時空を超越した何かかもしれないけどね」

「説明できないもの?」「時空ってなに?」

その言葉に海晴は目を細めた。

「きっと、セミさんも君たちも、自分が思っている以上に、たくさんの人から愛されてここにいるってことかな?だから、周囲の人たちのことも大切にしようね?君たちの周りは奇跡と絆で成り立っているんだ」

「「うん!!」」

そう返事した二人に頷いて、海晴は光くんに言った。

「じゃあ、光、僕たちもあまり遅くなってはいけないから失礼しようか」

「うん、太陽くん!遊んでくれてありがとう!!」

「うん!また遊べるといいね、この公園にはよく来るの?また会えるかなぁ?」

そう問われた、光くんは少しだけ残念そうな顔をした。

「うんとね、よく来てたんだけど、僕、明日引っ越すんだ……」

「そうなの?」

「うん、外国にいくの、ここみたいに発達してないけど、空気がすごく美味しいんだって!」

「外国?」

「うん!パパがね、いろんな地域のお話を絵本にして、沢山のお友だちに見せてあげたいんだって!」

その言葉に私は胸が熱くなるのを覚えた。
海晴が子供達に伝えようとしているもの、それがほんの少しだけ分かった気がしたから。

「そっか、遠くにいっちゃうんだ、でもさ、それでも、きっとまた会えるよね?」
そんな太陽の言葉に光くんの寂しそうな顔が輝いた。

「うん!そうだね、きっとまた会えるよ、そんな気がする!!」

「うん、じゃあ、その日までのバイバイだね!」

「うん!バイバイ!!」

そんな二人の一瞬の触れ合い、それが、奇跡と必然から成り立っている事を私達は知っている。

「じゃあ、行こうか光、太陽くんありがとね」

「じゃ、またね、太陽くん!」

「うん、さようなら!!」

そう言って笑顔で顔を上げた海晴とほんの一瞬僅かに瞳が交差する。
その瞳が一瞬だけ愛しいものを見るような、優しい色を宿したように思う。

だけど海晴はもう振り返らなかった。
柔和な笑みを崩さずに、光くんの手をしっかりと握り離れていく海晴。

その背中に私は、感謝の気持ちを込めて、心のなかで本当のさよならを告げた。

---ありがとう、海晴、ありがとう
   ずっと、守り続けてくれてありがとう



いつの間にか日が随分と落ちていた。

「帰ろうか?」

「うん!僕、ハンバーグ食べに行きたい!!お仕事早く終わったならいいでしょ?」

「よっし!行くか!?」

「おっ、さっきのセミか、落とすなよ?」

「うん!八日間の大冒険のだよ!!でもセミさんは、土の中では何をしてるのかな?」

「うん?……長い時間を土で過ごすっていうもんな、寝てるんじゃないか?」

太陽を真ん中に手を繋いで歩き出す。
折しも、一匹のセミが鳴き出した。

「ママ、セミの声がするぅ!」

「ほんとだな、もう夜なのに珍しいな……」

「なんでだろう、好きだよ、好きだよって、鳴いてるように聞こえる」

「ははっ、上手いこというな、セミが鳴くのはオスだけらしいからな……」

そう言って、太陽の頭に手を乗せながら、木を見つめる夫と息子の姿を見つめる。

「じゃあ、メスがどこかにいるのかな?」
「どうかな、暗いからよく見えないな……」

そうして出会った一匹のオスとメスが、産み落とした命が、この世界に出てくるのは何年も後なのだとその切ない理に思いを馳せたとき、一人の女性の顔が浮かんだ。

自分の死が運命だと悟るなかで、自分より大切な命を授かった南さんの気持ちは如何許りかと思いやる。
そんな皮肉のなかで、彼女があれほどまでに懸命に避けようとした未来は、きっと光くんにとってはあまりに残酷で報われないものだったに違いない。

だけど、きっと、彼女の杞憂は回避されたのだと思う。
海晴の穏やかな笑顔と光くんの無邪気さがそれを物語っていた。

海晴の言うように、その善悪は別として、やはり南さんの想いは、激しい愛だったのだと思う。

いつの間にか美しい月が雲の隙間から姿を表した。

「あっ、お月さまきれい!」

そう言ってはしゃぐ太陽と一緒に夜空の月を仰ぎ見る。
まるで鬼子母神のようだったと語られたその人の面差しが、今、穏やかな笑顔となって、月明かりで私たちを照らしてくれているような、そんな気がするのだ。
海晴は南さんをまるで炎のようだったと言った。
喜怒哀楽の塊ですべてを焼き尽くすような激しくて、悲しい存在であったと。


だけど、その炎は天に昇る橋をいくつもの色で燃やしながら心という無数の色を残した。
そして、今、穏やかな月となって下界を見下ろし、幾つもの色を纏う人の営みを眺めているとしたら……

いつか海晴なりの《お月さまのお話》を描いて欲しいなと思う。
そして、私は、それと対に存在するはずの《お日様の話》を決して忘れないで生きていたいと思うのだ。

きっと空間の自浄作用は存在する。
そうでなくても人は記憶を徐々に薄くしていく生き物だ。
それは、神が傷を負いながら暮らす人々にくれたギフトなのだとも思う。

---だけど、私は忘れない

そして、多くの絆や想いにより築かれているこの世界を精一杯に生きようと思うのだ。
まだ見ぬ、会えない大切な人々に、自らが貰った見えない愛にまで思いを馳せながら、その愛を後世に繋げるように今を大切に生きていこうと思うのだ。

いつか君がもう一度産まれてくるかもしれないこの世界で、君が大きな声で愛を叫べるように。



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