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第三章 色づく景色に君がいた
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「花乃。近づいたらまた、ゲーム機が教えてくれるはずだ」
「うん。昨日は浄化の仕方が分からなかったけど、今度は大丈夫」
慎重に段取りを決めていく悠真くんに、わたしはうなずいた。
スクランブル交差点の横断歩道を渡ると、やがて目的地のバス停にたどり着く。
すると、ゲーム機がピコピコと鳴り始めた。
画面を見ると、バス停の近くの黒い点が赤く点滅している。
どうやら、黒いかたまり――『風邪さん』がすぐ近くにいるみたいだ。
「花乃、気をつけろ! 近くにいるみたいだ!」
「うん!」
わたしたちは警戒するように周囲を見渡す。
だけど、風邪さんは思わぬところから姿を現した。
「花乃、上だ!」
「ええっ! 空から降ってきた!」
悠真くんの警告とともに、わたしは想定外の光景を目の当たりにする。
風邪さんはバネのようなぶよぶよした体を活かして、空から襲いかかってきたんだ。
「……っ」
わたしは持ってきていた――開いた傘で受け止めるものの、予想以上の衝撃によろめく。
続く体当たりに対応が遅れたけど、わたしは敢えて下がらず前に出た。
「そうはさせるかよ!」
悠真くんが傘を突き入れて、風邪さんを押し止めてくれたからだ。
今の悠真くんの力では、風邪さんの動きを食い止めることはできない。
でも、風邪さんを含めて、黒いかたまりはグミみたいにぶよぶよして柔らかい。
傘の先端が突き刺さり、じたばたと身動きが取れなくなる。
風邪さんの隙が逃しないほど大きくなったその時――。
「風邪さん、これで浄化!!」
わたしはその隙を逃さず、パンドラの箱を構えたんだ。
風邪さんはなす術もなく、パンドラの箱にずばーっと吸い込まれていく。
パンドラの箱の中におさまると、ゲーム機の画面に『浄化完了』の青い文字が踊ったことを悠真くんが教えてくれた。
「やった……」
わたしはへなへなと身体の力が抜けるのを感じた。
先程の攻防で、傘は壊れてしまったけど。
これで、この辺りの風邪の流行もおさまるかな。
「ようやく一体目、浄化完了だな!」
「うん!」
わたしがうなずくと、悠真くんは小さな手を上げる。
バチンとハイタッチすると、心まで軽くなるような気がした。
だけど……。
「あの子たち、なにをしているのかしら?」
「さあ……?」
周りの人たちはどうやら、風邪さんの姿が見えていなかったみたい。
わたしたちのやり取りを不思議そうに見つめている。
うーん。変だと思われたかも……。
「きゅい……!」
その時、パンドラの箱からぴょこっと何かが跳び出す。
それは先程の風邪さん。
でも、負の運気を浄化したからなのか。
色は白くて、ふわふわモコモコしている。
思わず身構えるけど、風邪さんは何故か、わたしにすり寄ってきた。
「うん。昨日は浄化の仕方が分からなかったけど、今度は大丈夫」
慎重に段取りを決めていく悠真くんに、わたしはうなずいた。
スクランブル交差点の横断歩道を渡ると、やがて目的地のバス停にたどり着く。
すると、ゲーム機がピコピコと鳴り始めた。
画面を見ると、バス停の近くの黒い点が赤く点滅している。
どうやら、黒いかたまり――『風邪さん』がすぐ近くにいるみたいだ。
「花乃、気をつけろ! 近くにいるみたいだ!」
「うん!」
わたしたちは警戒するように周囲を見渡す。
だけど、風邪さんは思わぬところから姿を現した。
「花乃、上だ!」
「ええっ! 空から降ってきた!」
悠真くんの警告とともに、わたしは想定外の光景を目の当たりにする。
風邪さんはバネのようなぶよぶよした体を活かして、空から襲いかかってきたんだ。
「……っ」
わたしは持ってきていた――開いた傘で受け止めるものの、予想以上の衝撃によろめく。
続く体当たりに対応が遅れたけど、わたしは敢えて下がらず前に出た。
「そうはさせるかよ!」
悠真くんが傘を突き入れて、風邪さんを押し止めてくれたからだ。
今の悠真くんの力では、風邪さんの動きを食い止めることはできない。
でも、風邪さんを含めて、黒いかたまりはグミみたいにぶよぶよして柔らかい。
傘の先端が突き刺さり、じたばたと身動きが取れなくなる。
風邪さんの隙が逃しないほど大きくなったその時――。
「風邪さん、これで浄化!!」
わたしはその隙を逃さず、パンドラの箱を構えたんだ。
風邪さんはなす術もなく、パンドラの箱にずばーっと吸い込まれていく。
パンドラの箱の中におさまると、ゲーム機の画面に『浄化完了』の青い文字が踊ったことを悠真くんが教えてくれた。
「やった……」
わたしはへなへなと身体の力が抜けるのを感じた。
先程の攻防で、傘は壊れてしまったけど。
これで、この辺りの風邪の流行もおさまるかな。
「ようやく一体目、浄化完了だな!」
「うん!」
わたしがうなずくと、悠真くんは小さな手を上げる。
バチンとハイタッチすると、心まで軽くなるような気がした。
だけど……。
「あの子たち、なにをしているのかしら?」
「さあ……?」
周りの人たちはどうやら、風邪さんの姿が見えていなかったみたい。
わたしたちのやり取りを不思議そうに見つめている。
うーん。変だと思われたかも……。
「きゅい……!」
その時、パンドラの箱からぴょこっと何かが跳び出す。
それは先程の風邪さん。
でも、負の運気を浄化したからなのか。
色は白くて、ふわふわモコモコしている。
思わず身構えるけど、風邪さんは何故か、わたしにすり寄ってきた。
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