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第二章 あの海の向こうへ
3-13
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「颯太がいなくちゃ、わたしの人生は後悔しかないのに……」
「……はあ」
悲痛な六花ちゃんの物言いに感じるものがあったのだろう。
海翔くんは決まり悪そうにぽつりとつぶやいたにゃ。
「颯太に会いたくなったら、また言えばいい。僕にも予定があるから、全部の時間は颯太にやれないけれどな」
「……ありがとう」
いつものぶっきらぼうな言葉が、今は六花ちゃんを強くしてくれる。
……不思議だ。
晴れた日って、どうしてこんなに切なくなるんだろう。
もしも、奇跡が起こるなら、大切な幼なじみたちがそばにいる。
今、この瞬間が夢じゃない証がほしい。
六花ちゃんは改めて、すべての始まりの日のことを思い出したみたいにゃ。
不思議な異界列車『にゃんにゃん号』と我輩たちとの出会い。
あの出来事から、もうじき一週間が経とうとしている。
全力でもがいたあの日のこと。
二度とあり得るはずのない光景。
廻る星空の下で、六花ちゃんは幾度も思い出すはずにゃ。
これは隣り合う世界で、六花ちゃんたちが見つけた、あどけない願いの物語。
そして――。
「神様。我輩たち、神の使いと神様が、彷徨い人たちを幸せにするために奮闘する物語にゃ」
教室の隅のロッカーに潜んでいた我輩は、六花ちゃんたちの現在の様子を探っていたにゃ。
今のところ、我輩の存在は、神様以外には誰にも見つかっていない。
にゃにゃにゃ。
いける!
いけるにゃ!
我輩のしっぽが、新たな事件の匂いを感じ取っているにゃ!
「神様。これより我輩は、六花ちゃんたちの尾行を開始するにゃ!」
「……既に、尾行になっていないにゃ」
威勢よく言い切った我輩の声に反応して、にゃん吉先輩がのそのそと姿を現したにゃ。
「あ、にゃん吉先輩!」
学校というのは、これが中々、不思議なものだにゃ。
縦横無尽、関わりなく移動していた猫たちが、まるでその場所の吸引力に引き寄せられるかのように集うにゃ。
我輩とにゃん吉先輩も今日、ここで顔を合わせる予定はなかったにゃ。
それなのに気がつけば、こうして、ともに六花ちゃんたちの様子を窺っている。
その理由はあらかた、想像がつくにゃ。
それはつまり――。
「神様。我輩とにゃん吉先輩が今、この場で遭遇した。これはもう、運命の導き……神の使いの定めだったと言った方が、ぴったりかもしれないにゃ」
「そんな都合のいい話、あるわけないにゃ」
「にゃ!?」
にゃん吉先輩の流れるような即答。
思っていた展開と違う切り返しに、我輩、思わず目が点になったにゃ。
「我はただ、神様に呼ばれて、ここにきただけにゃ。それにお主の姿は、ロッカーから丸見えだったにゃ。身を隠すのなら、まずはしっぽを隠すべきにゃ」
「にゃあ!?」
正論すぎて、ぐうの音もでないにゃ。
にゃん吉先輩は我輩を言いくるめると、満足げに話し始めたにゃ。
「にゃん太郎。梢谷六花たちを尾行して、その先はどうするつもりだったにゃ?」
「にゃあ……!?」
「その様子では、先のことを何も考えていなかったようだにゃ」
ド直球すぎて、我輩、答えにくいにゃ。
別に、何も考えていなかったわけでは……。
……あれにゃ?
うにゃ~。
困ったにゃ。
何も出てこない。
これからどうしたらいいのか、分からないにゃ。
「うにゃあ! 神様、呆れないでほしいにゃ! 我輩、これからどうしたらいいのか、分からないにゃ! 助けてほしいにゃあー!」
思わぬ事態に狼狽する我輩。
すると、やれやれとばかりに、まばゆいほどの光が、我輩たちを包み込んだのにゃ。
神々しい導き!
その次の瞬間、まるで瞬間移動をしたみたいに、我輩たちは大きな交差点の近くにいたにゃ。
横断歩道の向こう側には、信号待ちをしている海翔くんと六花ちゃんがいる。
そして、我輩のそばには頼りになる、にゃん吉先輩がいたにゃ。
これなら、この先、どんな困難が待ち構えていても、判断に迷うことはないはずにゃ!
「……はあ」
悲痛な六花ちゃんの物言いに感じるものがあったのだろう。
海翔くんは決まり悪そうにぽつりとつぶやいたにゃ。
「颯太に会いたくなったら、また言えばいい。僕にも予定があるから、全部の時間は颯太にやれないけれどな」
「……ありがとう」
いつものぶっきらぼうな言葉が、今は六花ちゃんを強くしてくれる。
……不思議だ。
晴れた日って、どうしてこんなに切なくなるんだろう。
もしも、奇跡が起こるなら、大切な幼なじみたちがそばにいる。
今、この瞬間が夢じゃない証がほしい。
六花ちゃんは改めて、すべての始まりの日のことを思い出したみたいにゃ。
不思議な異界列車『にゃんにゃん号』と我輩たちとの出会い。
あの出来事から、もうじき一週間が経とうとしている。
全力でもがいたあの日のこと。
二度とあり得るはずのない光景。
廻る星空の下で、六花ちゃんは幾度も思い出すはずにゃ。
これは隣り合う世界で、六花ちゃんたちが見つけた、あどけない願いの物語。
そして――。
「神様。我輩たち、神の使いと神様が、彷徨い人たちを幸せにするために奮闘する物語にゃ」
教室の隅のロッカーに潜んでいた我輩は、六花ちゃんたちの現在の様子を探っていたにゃ。
今のところ、我輩の存在は、神様以外には誰にも見つかっていない。
にゃにゃにゃ。
いける!
いけるにゃ!
我輩のしっぽが、新たな事件の匂いを感じ取っているにゃ!
「神様。これより我輩は、六花ちゃんたちの尾行を開始するにゃ!」
「……既に、尾行になっていないにゃ」
威勢よく言い切った我輩の声に反応して、にゃん吉先輩がのそのそと姿を現したにゃ。
「あ、にゃん吉先輩!」
学校というのは、これが中々、不思議なものだにゃ。
縦横無尽、関わりなく移動していた猫たちが、まるでその場所の吸引力に引き寄せられるかのように集うにゃ。
我輩とにゃん吉先輩も今日、ここで顔を合わせる予定はなかったにゃ。
それなのに気がつけば、こうして、ともに六花ちゃんたちの様子を窺っている。
その理由はあらかた、想像がつくにゃ。
それはつまり――。
「神様。我輩とにゃん吉先輩が今、この場で遭遇した。これはもう、運命の導き……神の使いの定めだったと言った方が、ぴったりかもしれないにゃ」
「そんな都合のいい話、あるわけないにゃ」
「にゃ!?」
にゃん吉先輩の流れるような即答。
思っていた展開と違う切り返しに、我輩、思わず目が点になったにゃ。
「我はただ、神様に呼ばれて、ここにきただけにゃ。それにお主の姿は、ロッカーから丸見えだったにゃ。身を隠すのなら、まずはしっぽを隠すべきにゃ」
「にゃあ!?」
正論すぎて、ぐうの音もでないにゃ。
にゃん吉先輩は我輩を言いくるめると、満足げに話し始めたにゃ。
「にゃん太郎。梢谷六花たちを尾行して、その先はどうするつもりだったにゃ?」
「にゃあ……!?」
「その様子では、先のことを何も考えていなかったようだにゃ」
ド直球すぎて、我輩、答えにくいにゃ。
別に、何も考えていなかったわけでは……。
……あれにゃ?
うにゃ~。
困ったにゃ。
何も出てこない。
これからどうしたらいいのか、分からないにゃ。
「うにゃあ! 神様、呆れないでほしいにゃ! 我輩、これからどうしたらいいのか、分からないにゃ! 助けてほしいにゃあー!」
思わぬ事態に狼狽する我輩。
すると、やれやれとばかりに、まばゆいほどの光が、我輩たちを包み込んだのにゃ。
神々しい導き!
その次の瞬間、まるで瞬間移動をしたみたいに、我輩たちは大きな交差点の近くにいたにゃ。
横断歩道の向こう側には、信号待ちをしている海翔くんと六花ちゃんがいる。
そして、我輩のそばには頼りになる、にゃん吉先輩がいたにゃ。
これなら、この先、どんな困難が待ち構えていても、判断に迷うことはないはずにゃ!
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